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日本のコレクター所蔵の「高麗螺鈿経函」が韓国へ帰還

2万5千の螺鈿細片の「芸術」...世界中8点の国宝級/日本のコレクター所蔵...数次にわたる説得の末に買い付け 

  • 日本のコレクター所蔵の「高麗螺鈿経函」が韓国へ帰還
  • 国立中央博物館は15日、国立中央博物館会が日本で購入して寄贈した高麗時代の螺鈿漆器経函(経典保管箱)をメディアに公開した。右の四角の中は経函の牡丹唐草模様。

国宝級の高麗時代の螺鈿経函が日本から帰還した。800年以上前に製作された高麗螺鈿経函はわが国にただの一点もなく、全世界をひっくるめてもわずか8点しか残っていない超特急名品だ。国立中央博物館(館長、キム・ヨンナ)は、高麗時代の工芸品芸術の真髄を見せてくれる国宝級文化財の螺鈿経函を最近、国立中央博物館会(会長、金正泰ハナ銀行会長)から寄贈を受け15日、メディアに公開した。経函は博物館会が日本で購入した後、去る5月23日に持ち込まれた。

博物館側はこの日、「高麗螺鈿漆器は優れた工芸技術と芸術的価値で、青磁・仏画とともに高麗美術を代表する‘3大名品’に数えられてきた」とし、「螺鈿漆器はごく少数に過ぎず、その中でも経函はさらに貴重で、日本・米国・ヨーロッパなどの美術館や個人が所蔵している8点がすべて」と説明した。博物館は、「今回公開した螺鈿経函は既存の遺物とは別に、最近知られた上に保存状態も良好で、価値が非常に高い」と強調した。

経函は高さ22.6センチ、幅41.9×20.0センチの大きさで、重さは2.53キロだ。経函の製作技術はその名声に恥じず、精巧極まりない。全部で2万5000個の螺鈿の細片をひとつひとつ切り張りし、牡丹唐草文様と麻葉文様、亀甲文様と丸まった柄をつないだ連珠文様を細かく表現した。博物館側は、「職人1人がまるまる1年間取り組まなければならなかっただろう」と強調した。

仏教経典を納めておく経函は、高麗王朝時に大蔵経を出版してこれを保管するために製作したものと推測される。高麗元宗13年(1272年)、経函制作を担当する官庁である「鈿函造成都監」が設置されたという高麗史の記録から推測して、今回の経函もその時期に際し作成されたものと見られる。

シン・ソンス博物館会コレクション委員会委員長は、「経函は6年ほど前に著名な日本の古美術商が、専門家だけが参加するあるオークションで購入した」とし、「私どもがその存在を確認し、古美術商を数次訪問して説得した末に、苦労して手に入れることができた」と伝えた。

シン委員長は、「いくらわたして買ったのかは公開できないが、高麗仏画に次ぐ」と耳打ちした。高麗仏画はA級が100億ウォン、B級は30億ウォンぐらいで取引されていることが知られている。工芸品の価格は絵画に多少及ばないことを考えると、経函の購入価格は20億~30億ウォン程度と推定される。

経函は薄く削った貝殻をひとつひとつ、模様のとおりに合わせて切り出してはめ込む技法を主に利用しており、麻葉模様と亀甲模様は細く切った貝殻で模様を表現する技法も確認される。唐草模様の茎は黄銅線を使用して、柄と柄の境界部分の線は二つを一つに撚り合わせて使用した。今回公開した経函はサイズと柄の種類や配置などで、日本の北村美術館所蔵品とほぼ一致する。漆に骨粉を混ぜて塗装表面の強度が高く、色が黒くなくほのかに褐色がかったことも特徴だ。

箱に使用された木材は1センチの厚さで、木目が真っ直ぐな針葉樹の板材で、年輪を分析した結果、直径50センチ以上で樹齢80年以上の樹木が使用されていると判断された。

博物館側は、「経函は高麗後期に大量に製作されたが、湿度と乾燥した天候にさらされて、そのほとんどが破損した」とし、「高麗螺鈿経函の多くは日本に伝わり、このうちのごく一部が後代に、複数回の保守を経て今までもよく保存されている」とし、「米国とヨーロッパのものもすべて19世紀の日本から渡ったもの」だと語った。

国内では、高麗螺鈿漆器は国立中央博物館の特別展「千年を続いてきた光、螺鈿漆器」(2006)と、ホアム・アートギャラリー特別展「大高麗国宝展」(1995)でのみ限定的に公開され、一般の人がこれをきちんと鑑賞する機会は少なかった。

博物館側は、「国外に所在するわれわれの文化財の還収に対する関心が高まり、最近は国宝級の高麗時代の文化財が永久に国内に戻ってきて、国民に展示を通じて公開できるという点でも非常に重要な意義を持つ」と語った。
  • 毎日経済_ペ・ハンチョル記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-07-15 17:16:46




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