疾走する「Kゾンビ映画」…『半島』『キングダム』



  • 映画『半島(Peninsula)』韓国版ポスター [写真提供= NEW]


「ゾンビが出てくる『怒りの疾走』」「第1編が『釜山行き』なら第2編は『武漢発』」。

去る2日、YouTubeに公開された映画『半島(Peninsula)』の予告編に世界の映画ファンが歓呼している。 9日の時点で照会数190万回に迫る映像には、5万の「いいね」がつけられて、約3200のコメントが添えられた。配給会社のNEWによると『半島』のトレーラーで出てきたすべてのビデオ再生回数を合わせると1000万回を超える。

『半島』は「ゾンビ映画」の『釜山行き(邦題は『新感染』)』の4年後、廃墟となった韓半島を背景にした作品だ。カン・ドンウォンやイ・ジョンヒョンが車に乗って走りながら、ゾンビと死闘を繰り広げる。先だって『釜山行き』は韓国で1156万人の観客を動員した後、世界で1億4000万ドルの興行成績を収め、「Kムービー」の代表作として選ばれる。米国芸能メディアのインディーワイヤーは、『半島』を今年の仏カンヌ映画祭招待作として予想した。

■ 人気をよぶ「韓国ゾンビ映画」

「韓国ゾンビ映画」の疾走が激しい。 2016年の『釜山行き』がヒットしたことに続き、『キングダム』はシーズン1・2がネットフリックスを強打し、今年の夏に封切りする『半島』はトレーラーがオープンされると同時に最高の話題作に上がった。

ゾンビはブードゥー教の伝説に出てくる動く死体だ。主にウイルス感染によって作られ、他の人を噛んでゾンビに変わるようにする。大抵の攻撃では死なず、頭を破壊してこそ退治できる場合がほとんどだ。小説『アイ・アム・レジェンド』(1954)、映画『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968)などを筆頭に、いくつもの話に登場してきた。米ドラマ『The Walking Dead(ウォーキングデッド)』は現在もシーズン10が人気をよんでいる。

■ ウェブトゥーンの影響

映画界でも『クェシ(怪屍)』(1980)や『隣のゾンビ』(2009)などのゾンビ映画がたまに登場したが、主流にはなれなかった。投資家の立場からすると、損益分岐点を予測するだけの判断指標が不足していたことがひとつの理由としてあげられる。大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は「ゾンビものには、興行が成り立つか判断基準になるような作品がなかった」とし、「海外にすでに有名なゾンビ映画がたくさんあったので、観客の期待を満足させることができるかも不確実だった」と説明した。

ゾンビ映画の世界観を韓国映画に自然に溶かしこむことが難しかったという影響もある。映画評論家のキム・ヒョジョン氏は、「韓国でホラー物は基本的に幽霊の話なので、100%の西洋存在であるゾンビの話に接続点を作ることは難しかった」とし、「国産のSF映画がそれほど人気をよばなかった市場の特性のせいもある」と語った。

このような状況の中で、ウェブトゥーンが韓国的ゾンビを描く場になった。比較的低コストで製作可能なウェブトゥーンを通じて、韓半島のゾンビが多彩な想像力で実現したわけだ。『死んだ者を相手にする方法』『デッドデイズ』『1号線』『アンデッド』などの漫画が人気を集めた。ネットフリックスの『キングダム』も、2014年に発表された『神の国』を原作とする。一連のウェブトゥーンと小説を通じてコンテンツ消費者に、韓半島を基盤にする「ゾンビもの」は以前よりも親しみをもって受け入れられるようになった。これ続き、韓国で最もユニークなジャンルものを作ってきたヨン・サンホ監督、キム・ウニ作家がそれぞれ『釜山行き』と『キングダム』を製作し、「Kゾンビ映画」の新しい時代を開くことになった。

■ 韓国ゾンビものの魅力は?

世界のファンを魅了した韓国ゾンビ映画だけの魅力は何だろうか。

まず、西洋ゾンビのジャンルに比べてドラマが浮き彫りにされることをあげることができる。キム・ヒョジョン評論家は、「ブラッド・ピットが出演した『ワールドウォーZ』(2013)が世界的にヒットしたのはアクションの快感よりも家族の話に焦点を合わせたため」だとし、「同じように『釜山行き』は家族のストーリーであり、『キングダム』もまた権力闘争の要素を交えながら、海外で韓国作品に期待する細かいドラマ性を披露した」と評価した。

ゾンビを殺す前にためらう瞬間が長いことも、韓国ゾンビ映画の特徴の一つだ。『釜山行き』では列車に現れたゾンビを初めて見た後、どうしていいかのか分から主人公たちの姿が描かれて、『キングダム』では儒教思想に忠実な両班たちがゾンビになった家族を火葬にできずに事態を大きくする。キム・ホンシク評論家は「西洋のゾンビ映画は素材と形式で限界に直面した」とし、「ゾンビというおなじみのキャラクターに、韓国という風変わりな空間の設定を適用して興味を刺激した」とした。

■ 「コロナ」に勝つ?

映画界では『半島』が「コロナ19」で低迷している劇場の反騰のきっかけになるかに注目している。

他の大作がまだ封切りスケジュールに悩んでいる中で、『半島』は早々にこの夏の登板を予告した。また、コロナ19の回復が韓国より遅い米国とヨーロッパでも、ニッチな市場を狙えるだろうという分析だ。配給会社であるNEWの関係者は「『半島』は今年の夏、韓国と主要な外国で、同時期に公開される予定だ」と明らかにした。
  • 毎日経済_パク・チャンヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-04-09 19:16:49