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韓国だけが知らないK-POPの危機

◆ City Life 第472号…STAR TAP ①/④ 

  • 韓国だけが知らないK-POPの危機
果たして韓流が健在なのだろうか。その評価は極端だ。特に一時全世界を「気絶」させたと伝えられたK-POPに対する評価はさらにそうだ。

外国では今も凄まじいという評価があるかと思えば、すでに冷めているという関係者の言葉もある。全世界的に人気を集めており、その反応も爆発的だというのは事実であるが、韓流によって誘発された経済効果は極めて微々たるもの、もしくはほとんど無いという話も聞こえる。さらにはK-POP韓流ブームが世界市場を網羅した韓国エンターテイメント業界の自発的なイベントに過ぎないという冷たい評価もある。果たしてこのような分析が出た背景は何か?

最近韓国を訪れたグラハム・シェフィールド(Graham Sheffield)ブリティッシュ・カウンシル本部芸術事業総括本部長は、ある新聞とのインタビューにてK-POPの未来に対する多少暗い展望を打ち出していた。韓流がK-POPにだけ重点を置いており、K-POPもやはり『江南スタイル』レベルにのみアピールされており、次第に国際的偏見にぶつかるだろうというもの。これは15年前にイギリスの代表的ガールズグループであるスパイス・ガールズが全世界の音楽界を平定したときと似ている姿だという説明だ。結局は「長くは続かない」という話。彼は「K-POPにだけ執着することは、ひとつのゴルフクラブでゴルフを打つようなもの」だという辛口と共に多様な文化コンテンツを共にした戦略的な接近が必要だというアドバイスをしていた。

韓流を主導しているK-POPの危機はただ昨日今日の話ではない。数年前に世界の音楽市場に僅かに吹き込んだK-POPの虚像を実像化させようという努力もなく、また世界の音楽市場を網羅したK-POPの創造的努力も不足しているということはこれまでも歌謡界の一角ではたびたび提議されてきた指摘だ。

  • 韓国だけが知らないK-POPの危機
加えてK-POPシンドロームの導火線となった日本の音楽市場からK-POPの人気が徐々に衰えているという話も聞こえる。

日本の代表的な大型公演会場である東京ドームを埋め尽くすK-POP歌手はまだ健在してはいるが、アルバム市場を動かすK-POP歌手は大幅に減ったというのが日本現地の音楽関係者たちの話しだ。K-POPを「シンドロームもしくは韓流」と表現した時期とははっきりと違う状況だ。これはK-POPの危機を診断する音楽専門家たちの同じ評価でもある。

そうだとすれば、このようなK-POPの危機はどこから出たものだろうか。K-POPシンドロームを呼び起こしたものは洗練されたダンス音楽で武装したアイドルグループだった。こうしてダンスと歌、スタイルなどで圧倒的なパワーを見せた韓流初期のK-POPが一律的に画一化され、PSYの『江南スタイル』を頂点に一歩も前に進めずにいることに、その原因があると専門家は診断する。そしてそんな現状は国内大衆音楽市場も同じだという話だ。グローバルな人気を牽引するだけの独創的なグループはこれ以上作ることが出来ないでいる代わりに、実力と個性が検証されたまさにアンダーアイドル歌手もしくはシンガーソングライターが主導権を握っているというもの。したがって、世界の音楽ファンたちの音楽的好奇心を増殖させるほどの扇風的なスターを作り出せずにいることがK-POP韓流の危機をもたらした要因だということだ。

ならば今後K-POP韓流の未来はないのだろうか。もちろんそうではない。K-POPがシンドロームを巻き起こし、アジアを経て世界の音楽市場に進出した創造期のコンテンツパワーのように、独創的でありながらも多様な形態の創作物を作り出したならば、第2第3のK-POP韓流ブームも十分に可能だという見通しもある。K-POP韓流の再跳躍は音楽創作者と企画会社、エンターテイメント業界全体の頑張りが必要な時だ
  • Citylife第472号(15.04.07付)
  • 入力 2015-04-01 10:48:41




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