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不況で質屋が復活…最近では自動車やスマートフォンも担保に

年30%の高利にも生計型需要が列をなす 

  • 不況で質屋が復活…最近では自動車やスマートフォンも担保に
ソウルの地下鉄2号線の九老デジタル団地駅から100メートルほど路地を登ると、4階建ての建物に「まじめなチョンダンポ(典當舖=質屋)」という看板が目を引く。ここを訪れる人々は主に生活資金を調達しようとする40代のおばさんが多いが、最近では若い会社員もよく訪れるとする。

この質屋の店主のキム・ウォンジュン代表は、「景気が良くないことから、仕事をしてもお金を受けとれなかった人々や、生活苦で急にお金が必要な人が主に訪れて来る」とし、「高価な品が入ってくる場合もあるが、携帯電話やノート型パソコンなどの生活に必要なものを持って融資を依頼するケースが多い」と語る。自営業を営む「社長」らも、質屋を頻繁に訪れる顧客層だ。最近の不況で売り上げが急減するやいなや、人件費と材料費を調達するために、会社で使う高価な装備を預けるケースも多いという。キム代表は、「卸売業者をしているある社長は、冷凍倉庫に保管された時価5000万ウォン相当の冷凍肉を担保に金を借りにきた」とし、「事業資金が必要で貯蓄銀行を訪ねたが、承認が遅れて藁にもすがる思いで質屋に来る」とした。

思い出の中に消えたと思った質屋が復活した。景気後退と最悪の就職難で、金を得ることが難しくなった会社員や学生が質屋を訪ねて需要が大きくなったからだ。

韓国貸付金融協会(CLFA)によると、商号に「チョンダン」「チョンダンポ」を入れて営業している会社は1090社あまりに達した。 2010年まで減っていた質屋は、2013年以来は目に見えて増えたが、昨年には新規登録(更新を含む)企業が514社に達した。今年も6月現在で128社がオープンした。全国で営業している質屋のうち、60%が昨年以降にオープンした。ソウル市は昨年から最近までに新しくできた質屋は137ヶ所で、主に江南一帯と鍾路と永登浦に多く生じた。

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  • < ここ2~3年で急増している質屋 >

韓国貸付金融協会の関係者は、「商号にチョンダンポ(質屋)という名前を入れずに営業する所を含めると、実際に営業している業者はさらに多いだろう」と説明した。質屋も昔の薄暗いオフィスから抜け出し、明るく華やかになった。

去る11日、ソウル市江南区のとある質屋。質屋内部の保管物管理室は、さながら電子製品売り場をほうふつとさせた。棚には最新型のノートパソコンとスマートフォン、DSLRカメラなどのさまざまな電子製品があった。ダイヤモンドのネックレスと指輪も真空包装されて並んでいた。ここに置かれた製品は心配そうに主人を待っているが、一部はついに主人が現れずに中古市場に売られていくこともある。

この質屋の店主は、「最近は子供の留学費用や授業料を用意するために、結婚の祝いなどの貴重品を持ってここを訪れる親のお客さんが多いが、大部分は1~2ヶ月のうちに品物を取りに来る」とし、「5人に1人の割合で持ち出せないようだ」と伝えた。

既存の質屋では鑑定の容易な貴金属やブランド品などを扱うが、最近では自動車や自転車、カメラ、冷蔵庫、テレビ、ゴルフクラブなどが担保として入ってくる。最近ではスマートフォンやラップトップコンピュータなど、高価な情報通信製品を専門に扱う「IT質屋」も多数オープンした。とは言え、品を預ける人々は質屋で金を借りたという事実が、金融機関などの外部に知られることを非常に嫌うという。

通常、質屋に物を預ければ月2~3%の利子で一ヶ月のあいだ金を借りる。このように高い金利にもかかわらず、質屋を訪ねる人の中には20・30代の若い層が多いという。このうちの多数は信用格付けが低く、制度圏の金融機関の敷居を越えられない人々だ。

弘大の近くで質屋を運営するキム・ジョンホさん(48歳・仮名)は、「生活費が不足している学生や会社員が、カード残金や家賃をねん出するために時計や財布、スマートフォンを預け、30万~40万ウォンほどの少額を借りていくケースが多い」と説明した。
  • 毎日経済_ソ・テウク記者/アン・ガプソン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-06-12 15:53:52




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