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不況とIT機器の普及で紙のカレンダー注文量が減る 忠武路の印刷路地は寒い

「受注が90%以上減少、スマートフォンがあるのに誰が紙のカレンダーを買うのか」 

  • 不況とIT機器の普及で紙のカレンダー注文量が減る 忠武路の印刷路地は寒い
△写真=不況とスマートフォン使用者の増加で、企業のカレンダー注文量が減少し、印刷所が不況の寒波に苦しんでいる。例年であればカレンダーの印刷に奔走しなければならないソウル忠武路の印刷路地には19日、空っぽのリヤカーだけが置かれている。[キム・ホヨン記者]

「今年のカレンダーの実績はほぼあきらめた状態です」

忠武路駅近くのチニャン商店街の建物の裏側。迷路のように絡まった路地に入っると、古い印刷所の看板一つが目に入る。自ら忠武路印刷路地の「生きている歴史」と称するイ某氏(68)。 1965年から50余年、16平方メートル(約5坪)の小さな印刷所を運営している彼は、忠武路印刷路地の番人だ。熱心に商売をして息子2人を立派に育てて、結婚もさせた。

そのような彼も年を重ねるごとに積もる心配にため息が出る。「もっとも繁盛していた時よりも、カレンダーの注文件数が90%以上減った。盛況だった時は1件当たり1000部以上を刷った。今年はようやく入って来た注文の件数も100前後だ。まさに最悪だ」。イ氏は、カレンダー産業が斜陽の道に入っている昨今の状況を「仕方のない現実」と、比較的淡々と述べた。「最近、誰が紙のカレンダーをあえてお金を払って買うだろうか。必要ないということだろう。みんな手にスマートフォン握って暮らしているのに…」。寂しい空気が5坪ほどの印刷所を包み込んだ。四方の狭い壁に掲げられたカレンダーが寂しく見えた。イ氏によると、今年はカレンダーだけでなく、名刺、年賀状、賞牌の注文も30%以上減少した。

年末になると必ず登場した紙のカレンダーが消えていっている。毎日経済新聞の取材チームが忠武路の印刷路地を歩き回って、印刷所の事業主の声を聞いてみると「紙のカレンダー絶滅」は間近に見えた。韓国製紙工業連合会によると、年度別の印刷用紙の第4四半期内需量推移は、明確な減少傾向を示していた。斜陽の道をたどる紙のカレンダーの厳しい現実を如実に表わした。

2011年には55万4159トンに達した第4四半期の印刷用紙内需量は、翌年49万7985トンへと大幅に減少した。2013年には47万101トンと3万トン近く減少し、今年も間違いなく減少すると予想される。これに対して韓国製紙工業連合会の関係者は、「紙のカレンダーのような製紙業界は、景気に非常に敏感なだけでなく、スマートフォンなどのIT機器の普及で需要の減少は避けられない」と述べた。

カレンダー製作でかろうじて生計を継続してきた印刷路地の事業主の表情は一様に泣き顔だ。忠武路の印刷路地に位置するA印刷業者のパク某氏(62)は、「年を重ねるごとに少量注文の形態に移っているが、景気が良くないため、これも減っている」と述べた。彼は「この地域を去る店が目に見えて増えてきた」とし「セウォル号惨事の後、企業がイベントを自制する雰囲気が醸成され、注文がさらに入ってこない」と打ち明けた。 B印刷業者のキム某氏(50)の事情もあまり変わらなかった。彼は「一昨年はカレンダーだけで月に100万ウォンが純粋に入っていたとしたら、昨年は80万ウォン程度と20%ほど収入が減った」とした。 「今年は、その昨年より30~40%ほど注文が落ちた状態」と錯雑な心境を隠せなかった。

忠武路の印刷路地最大の会社を運営しているというチ某氏の状況も同様だった。チ氏は「カレンダーの受注が昨年より10分の1程度急激に減った」と俯いた。彼は、「コストはそのままなのに印刷物の単価は下落し続けている。率直に言って、この仕事は仕方なくしているものだ」と述べた。
  • 毎日経済 キム・シギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-12-20 03:00:08




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