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米、北のテロ支援国指定で「進退窮まる」


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バラク・オバマ米大統領がソニー・ピクチャーズへのハッキング事件の背後と見られている北韓への報復案として取り上げた「テロ支援国再指定」は、実効性の論議に包まれた。ややもすると「リップサービス」にとどまるかもしれないという分析が、米国政界で説得力を持って提起されている。

来年1月に発足する新しい議会で上院軍事委員長に内定したジョン・マケイン(共和党・アリゾナ州)議員は21日(現地時間)、CNNに出演して北韓のソニーハッキングを「新しい形態の戦争行為」と規定し、即時的で強力な対応を求めた。マケイン議員は、「オバマ大統領は、これが新しい戦争行為の兆候だということを理解できていない」とし、「世界および米国を相手に経済を破壊して検閲に乗り出した場合、これはヴァンンダリズム(vandalism/秩序破壊行為)以上」だと主張した。

同日、オバマ大統領がCNNとのインタビューで「これは戦争行為ではなく、非常に高価な代償を払ったサイバーヴァンダリズム」だと明らかにしたことに反論したものだ。マケイン議員はテロ支援国再指定など、ジョージ・W・ブッシュ政権時代に解除された対北韓制裁をすべて復元しなければならないと声を高めた。

しかし、実際に北韓がテロ支援国に再指定される可能性はあまり高くないことが分かった。

映画『ザ・インタビュー』の上映取り消しをもたらした今回の事態が、北韓のサイバー部隊の仕業だという直接的な証拠がないうえに、主に経済的損失を引き起こすサイバー攻撃を「テロ」のカテゴリーに含めることができるのかも論難になっている。

米の連邦捜査局(FBI)は19日、北韓をハッキングの背後勢力としながら、△ハッキング攻撃に使用された、データを削除するためのマルウェアがこれまで北韓のしわざと疑われたハッキング事件に活用されたものと類似し、△今回の攻撃に使用された悪性コードから、北韓のIPアドレスの痕跡が発見されたという点などを根拠として提示した。しかし、これだけでは攻撃主体を断定することはできないというのが専門家らの分析だ。

北大西洋条約機構(NATO)が用意したサイバー交戦指針の「タリン・マニュアル」によると、サイバー攻撃の責任所在がはっきりと確認されたときに限ってサイバー報復措置が可能だ。それさえも重大な安保利益がかかっていると判断される時、被害の程度に合わせて報復に出ることになる。

法律的な問題もある。現行の米国連邦法によると、テロは「物理的な暴力」と「人命に対する危害」を伴う行為をいう。今回のソニーに対するハッキング事態の場合、映画会社側にかなりの経済的損害を及ぼしたが、物理的な暴力や人身に対する危害はなかった。したがって、北韓をテロ支援国に再指定するには、サイバー攻撃行為をテロとみなす新しい法律的な分析が必要な状況だ。

さらに、北韓は国連と米国連邦政府からの高強度経済制裁を受けているだけに、テロ支援国再指定の実効性も落ちるという指摘だ。政治的象徴性を狙ってテロ支援国に再指定たが、北韓の追加挑発だけを刺激しうるという分析だ。南北対話と6カ国協議にも直接・間接的な影響を与えるものであるだけに、韓国と中国政府などとも事前調整が必要な事案でもある。

しかしオバマ政権の立場からは、ハッキング事件の背後として北韓を公に名指ししたところが、明確な報復案を提示できないことは非常に困惑した状況だ。何らかの代案を提示しなければならない立場だ。 「進退窮まる」状態に陥ったわけだ。

このため、ワシントンDCの外交筋は金融制裁の強化と韓・米軍事訓練を強化し、対北心理戦の強化などが代案として検討されると見ている。オバマ大統領みずからが、中途半端な予断は困難に陥るという姿を明らかにした状態だ。オバマ大統領はこの日、CNNとのインタビューで、「より広範かつ体系的な検討が、一緒に行われるだろう」と一歩引く姿を見せた。
  • 毎日経済_ワシントン=イ・ジンウ特派員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-12-22 17:23:23




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