トップ > コリアナウ > 政治 > 北朝鮮のインターネットが一時麻痺…米国の逆襲か、韓国は無防備
23日、北韓の主要なウェブサイトが約10時間の間「接続不能」に陥ったことから、米国政府がソニー・ピクチャーズに対するハッキングの背後として名指しした北朝鮮へのサイバー報復に出た可能性が提起されている。北・米間のサイバーテロ戦の兆しに韓半島（朝鮮半島）の緊張が高まるなか、すでに数回、北朝鮮のしわざと推定されるサイバー攻撃を受けた韓国側は、まだサイバーテロ防御のための制度的装置が設けられておらず、穴があいているという指摘が出ている。
◆ 北朝鮮のインターネット不通
この日、午前1時頃から北朝鮮の公式ドメイン「.kp」を使用している労働新聞・朝鮮中央通信など、北朝鮮のウェブサイトは一斉に不通になったが、約10時間後の午前11時頃に回復した。バラク・オバマ米大統領は19日、北朝鮮を相手に「比例的な対応」に乗り出すと明らかにした直後に異常が生じたわけだ。日本のNHKは22~23日、北朝鮮のインターネット網に障害が発生したときに、平壌駐在の外国大使館でもインターネット接続が遮断されたことが確認されたと報じた。
中国の新華社通信の平壌駐在特派員も、23日未明から平壌支局のオフィスのインターネットや携帯電話の3G網が完全に不通になったが、午前11時頃に接続が再開されたと伝えた。今回の事態は北朝鮮のインターネット網の関門を管理する中国に、サイバーセキュリティと関連した協力を要請した時点とも合致する。一部では、今後北朝鮮が「反撃」に出て、北・米間のサイバー戦が起こりうるという懸念さえ出ている。
いまのところ、23日午後まで北朝鮮のインターネットが不通になった正確な理由は確認されていない。北朝鮮も今回の事態に対しては何らの言及を行っていない。米国が北朝鮮に対するサイバー攻撃を実行したのでなければ、北朝鮮が米国側の報復可能性を意識して、先制的にインターネット接続を切断し、対応策を用意した可能性も排除できない。
米国政府は、「確認も否定もしない（NCND）」という立場だ。マリー・ハーフ国務省副報道官はこの日の定例ブリーフィングで、「オバマ大統領が言及したように、米国政府は広範な対応策を検討中」だとし、「可能な対応策に関連する作戦上の細部を、公開の場で取り上げることはないだろう」と述べた。しかし、ハーフ報道官は「米国政府が目に見えることもあり、目に見えないこともある対応策を実施していることだけは言える」と付け加えた。積極的な否定を行わないことで、目に見えない「サイバー報復」が対応策に含まれることを示唆したものと解釈される。
米国政府のサイバー攻撃能力は世界最高水準であり、イランなどを相手に実行に移したこともあると伝えられた。北朝鮮は世界3位レベルの高いサイバー遂行能力を備えているとされる。韓・米の情報当局は、北朝鮮が3000人以上のサイバー部隊を運用し、関連人材を小学校時代から選抜して、金日成総合大学と金策工科大などで体系的に養成するものと論じている。
◆ サイバー対応のコントロールタワーが急がれる
国際的なサイバー戦の兆しが起きているなか、韓国は金融会社と報道機関に対するハッキングを受けても、サイバー対応を統括するコントロールタワーが無いとの批判が出ている。イム・ジョンイン高麗大情報保護大学院長は、「政府は金融部門に事故が起きた後にセキュリティ担当役員を指定するように言いつつ、いざ政府内には総括する部署がない」とし、「青瓦台に担当行政官が一人いるだけだ」と指摘した。イム教授は引き続き、「青瓦台の国家安保室に補佐官を置いて、このような状況が発生した場合に関係部処を招集して、先制的で迅速な措置をとることができるシステムを作らなければならない」と語った。
与党はサイバー危機に効率的に管理・対応するために、コントロールタワーを国家情報院に置かなければならないという立場だ。
現在、公共分野のサイバーテロは国家情報院が、民間分野は未来創造科学部が担当している。セヌリ党のイ・グンヒョン事務総長はこの日、国会で「韓国水力原子力機密資料の流出は、単純なハッキングを超えて国民の安全と国家安全保障に重大な脅威を与える事案」だとし、「金正恩（キム・ジョンウン）体制以降深刻化している北朝鮮のサイバー攻撃にどのように備えているのか、総体的点検が必要」だと語った。一方、野党では国家情報院に過剰な権限が付与され、プライバシー侵害の危険があるという点で法案制定に反対している。
北朝鮮のインターネットが一時麻痺…米国の逆襲か、韓国は無防備
< 韓国・北朝鮮・アメリカのサイバー戦略を比較 >
◆ 北朝鮮のインターネット不通
この日、午前1時頃から北朝鮮の公式ドメイン「.kp」を使用している労働新聞・朝鮮中央通信など、北朝鮮のウェブサイトは一斉に不通になったが、約10時間後の午前11時頃に回復した。バラク・オバマ米大統領は19日、北朝鮮を相手に「比例的な対応」に乗り出すと明らかにした直後に異常が生じたわけだ。日本のNHKは22~23日、北朝鮮のインターネット網に障害が発生したときに、平壌駐在の外国大使館でもインターネット接続が遮断されたことが確認されたと報じた。
中国の新華社通信の平壌駐在特派員も、23日未明から平壌支局のオフィスのインターネットや携帯電話の3G網が完全に不通になったが、午前11時頃に接続が再開されたと伝えた。今回の事態は北朝鮮のインターネット網の関門を管理する中国に、サイバーセキュリティと関連した協力を要請した時点とも合致する。一部では、今後北朝鮮が「反撃」に出て、北・米間のサイバー戦が起こりうるという懸念さえ出ている。
いまのところ、23日午後まで北朝鮮のインターネットが不通になった正確な理由は確認されていない。北朝鮮も今回の事態に対しては何らの言及を行っていない。米国が北朝鮮に対するサイバー攻撃を実行したのでなければ、北朝鮮が米国側の報復可能性を意識して、先制的にインターネット接続を切断し、対応策を用意した可能性も排除できない。
米国政府は、「確認も否定もしない（NCND）」という立場だ。マリー・ハーフ国務省副報道官はこの日の定例ブリーフィングで、「オバマ大統領が言及したように、米国政府は広範な対応策を検討中」だとし、「可能な対応策に関連する作戦上の細部を、公開の場で取り上げることはないだろう」と述べた。しかし、ハーフ報道官は「米国政府が目に見えることもあり、目に見えないこともある対応策を実施していることだけは言える」と付け加えた。積極的な否定を行わないことで、目に見えない「サイバー報復」が対応策に含まれることを示唆したものと解釈される。
米国政府のサイバー攻撃能力は世界最高水準であり、イランなどを相手に実行に移したこともあると伝えられた。北朝鮮は世界3位レベルの高いサイバー遂行能力を備えているとされる。韓・米の情報当局は、北朝鮮が3000人以上のサイバー部隊を運用し、関連人材を小学校時代から選抜して、金日成総合大学と金策工科大などで体系的に養成するものと論じている。
◆ サイバー対応のコントロールタワーが急がれる
国際的なサイバー戦の兆しが起きているなか、韓国は金融会社と報道機関に対するハッキングを受けても、サイバー対応を統括するコントロールタワーが無いとの批判が出ている。イム・ジョンイン高麗大情報保護大学院長は、「政府は金融部門に事故が起きた後にセキュリティ担当役員を指定するように言いつつ、いざ政府内には総括する部署がない」とし、「青瓦台に担当行政官が一人いるだけだ」と指摘した。イム教授は引き続き、「青瓦台の国家安保室に補佐官を置いて、このような状況が発生した場合に関係部処を招集して、先制的で迅速な措置をとることができるシステムを作らなければならない」と語った。
与党はサイバー危機に効率的に管理・対応するために、コントロールタワーを国家情報院に置かなければならないという立場だ。
現在、公共分野のサイバーテロは国家情報院が、民間分野は未来創造科学部が担当している。セヌリ党のイ・グンヒョン事務総長はこの日、国会で「韓国水力原子力機密資料の流出は、単純なハッキングを超えて国民の安全と国家安全保障に重大な脅威を与える事案」だとし、「金正恩（キム・ジョンウン）体制以降深刻化している北朝鮮のサイバー攻撃にどのように備えているのか、総体的点検が必要」だと語った。一方、野党では国家情報院に過剰な権限が付与され、プライバシー侵害の危険があるという点で法案制定に反対している。
- 毎日経済 アン・ドウォン記者／キム・ソンフン記者／チョ・ヒヨン記者 | (C) mk.co.kr
- 入力 2014-12-23 17:27:03
