トップ > コリアナウ > 政治 > 「ムスダン」400キロ飛行…金正恩、ミサイルに執着

「ムスダン」400キロ飛行…金正恩、ミサイルに執着


  • 「ムスダン」400キロ飛行…金正恩、ミサイルに執着
  • < 国連決議2270号採択後の北のミサイル発射日誌 >

北韓(北朝鮮)が22日午前、江原道・元山一帯の東海岸から発射したムスダン(BM-25)中距離弾道ミサイル(IRBM)2発のうち1発は約400キロメートルを飛行した。韓国と米国をはじめとする国際社会は、これを国連決議違反として規定し強力に反発した。

この日、合同参謀本部は「北韓で午前8時5分頃、追加発射したムスダンとされるミサイルは約400キロメートルを飛んだ」とし、「韓・米はさらに精密に分析中」だと明らかにした。これは北側がこれまで実施した6回めのムスダン発射実験の中で最も長い飛行距離に相当する。

合同参謀によると、北韓は午前5時58分にもムスダンと推定されるミサイル1発を発射した。しかし、このミサイルはわずか150キロメートルほどを飛んで失敗したと推定された。しかし約2時間後に行われた第六回目の発射では進展した結果が出た。

北側のムスダンミサイル発射のニュースが伝えられると、青瓦台はすぐさま金寛鎮(キム・グァンジン)国家安全保障室長の主宰で国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、対策を議論した。常任委員会は北韓の追加挑発が、弾道ミサイルの実験を禁止した国連安全保障理事会決議を正面から違反した行為であることを明らかにし、国際協調など、今後の対応策を議論した。特に今回発射されたミサイルの飛行距離が、これまでよりも一歩進んだ400キロメートルに達したという点から、北韓のミサイル技術の進展状況などについても意見交換が行われた。

軍の消息筋によると、北韓は今回の実験ではムスダンミサイルの発射角度を高め、人為的に飛行距離を調整したと伝えられた。また、金正恩(キム・ジョンウン)北韓労働党委員長はこの日、打ち上げ現場を見学したことも伝えられた。韓・米は北韓が今回発射したムスダンに、小型化した核弾頭を搭載したのかについても神経を尖らせている。

このことから、相次ぐムスダンの発射失敗で体面を傷つけられた北韓が韓国と日本はもちろん、グアムの米軍基地に対する現実的脅威の能力を備えることになったのではないかという懸念も出されている。

北韓が今年3月の国連決議2270号の採択後にムスダンの発射実験に執着することも、太平洋上の米軍基地への打撃能力を証明するためという側面が大きい。金正恩委員長が昨年3月、「早期に核弾頭装着が可能な弾道ロケットの試験発射を断行せよ」と指示したことも、ムスダンを対米圧迫カードとして活用するという意図であるわけだ。

しかし軍当局と専門家らは、いったんムスダンの試験発射の成功可否に対しては判断を留保した。成否を判断できる情報がまだ不足しているからだ。ただし飛行距離が400キロメートルまで伸びたことをめぐり、北側は先の5回の試験発射で提起された問題点を相当部分改善したという分析も出ている。もと国策研究機関のミサイル分野の専門家は、「ふつう射程距離が3000キロメートルの弾道ミサイルは、目標物の照準打撃能力を試験するために、最小でも500キロメートル以上は飛んで行かなければならない」とし、「400キロメートルほどの射程距離では(成功するかどうかを)判断することは難しいが、きちんとした発射実験ではないと思われる」と語った。

この専門家は、「よしんば今回の実験を成功と規定したとしても、6回のうち一回成功したことをもって(ミサイルを)完成させたと見ることはできないので、北韓側は今後も発射実験を継続するだろう」と予想した。

ミサイル専門家である科学技術政策研究院のイ・チュングン専任研究委員も、現在の状況では北側のミサイル実験の成否を判断することは難しいとの見方を明らかにした。イ・チュングン研究委員は「北韓が咸鏡道の北、ロシア国境に向かってミサイルを撃ち、その地域に測定する船や設備が待機していたなら今回の発射実験の目的に合致した、一種の成功として見ることもできるだろう」としながらも、「北韓がミサイルを日本側に撃ったが、400キロメートルも飛んで行ったなら依然として問題が多い」と語った。

韓・米・日はムスダン弾道ミサイルの発射を強行した北韓を糾弾し、強度の高い対応を警告した。

趙俊赫(チョ・ジュニョク)外交部広報官はこの日の午後に発表した声明で、「北韓の今回のミサイル発射は、弾道ミサイル技術を利用したいかなる発射も禁止している国連安保理決議に対する明白な違反であり、韓半島と国際社会の平和と安全に対する重大な脅威だ」と批判した。

チョ。ジュニョク広報官は、「政府はこれを強く糾弾し、北韓はわが国と国際社会のより強力な制裁と圧迫に直面することになるだろう」と警告した。

一方、一部では北韓が金正恩委員長の直接指示で、海外の北韓食堂の従業員の集団脱北に対する報復次元で、韓国人に対するテロを計画しているという主張も提起された。一部の消息筋は、北韓側が韓国人を拉致して、集団脱北したレストランの従業員と対等交換する工作を進めているという話も出ている。これに対して情報当局の関係者は、「関連情報に鋭意注視している」と語った。
  • 毎日経済_キム・ソンフン記者/パク・ウイミョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-06-23 00:18:45




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア