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コラム > 「北、一線を超える」…韓・米、圧迫の水位を高める
「衛星ではない、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)だ」。
韓・米の軍当局が大統領選直後の11日、北側が主張する偵察衛星発射体に「挑発」の烙印を押した。韓・米は北韓がICBM関連の試験ですでに「線」を超えたと規定し、対北糾弾に乗り出した。
米国は追加の対北制裁を予告した。日本も追加制裁を積極的に検討する方針だ。断固たる対応を強調してきた尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領当選人も、就任前から積極的な北韓叩きに乗り出す見通しだ。北韓はこの日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が衛星開発の本拠地である平安北道鉄山郡東昌里の西海衛星発射場を訪れ、施設拡張と改築を指示した事実を公開して緊張の水位を高めた。
韓・米はこの日、最近になって北韓が2月27日と3月5日に平壌順安飛行場一帯で行った弾道ミサイル試験発射をICBM関連の試験と判断した。北韓が宇宙発射体(SLV)という偽装を施したICBMの最大射程距離の試験発射を控え、性能関連の試験を行ったというのが韓・米軍当局の分析だ。軍は北韓の新型ICBMを、2020年の労働党創建日の閲兵式の際に初めて公開された「火星17型」とにらんだ。このミサイルは長さ約23メートルと見られる。直径も2.3~2.4メートルと推定され、各国が実戦配置したICBMの中で最も大きいという評価が出ている。最大射程距離は1万3千キロに達し、米本土の相当部分が含まれる。
韓・米両国はこのような精密分析の結果を異例的に同時発表し、世界の注意を喚起した。南北和解・協力基調を優先視した文在寅(ムン・ヂェイン)政府では非常に珍しい場面となったわけだ。
国防部の当局者も「韓・米合意で(対北情報の精密分析を)同時発表したのは非常に新しく、ほとんどなかったケース」だと説明した。この日、国防部は韓・米が偵察衛星はもちろん、いくつかの出所を通じて最近の北韓の発射体を新型ICBMと判断したと分析の信憑性に自信を見せた。
米国財務省は直ちに北韓の武器開発関連品目よび技術接近を全面遮断するための追加的な対北制裁作業に乗り出した。ジョー・バイデン政権の上級当局者は、「あらかじめ知らせておけば、潜在的な対象者が備えることができる」とし、具体的な制裁要素については言及を避けた。
外交部は「北韓が韓半島および域内の平和安定に逆行する措置を中断し、国際社会の対話の提議にすみやかに呼応することを再度促す」と明らかにした。
10日(現地時間)、国防総省のジョン・カービィ広報担当者は「北韓はミサイルシステムの情報を発表していないが、米国は戦略的リスク軽減のためにこのような内容を同盟国と共有する」とし、「国際社会が北韓の武器開発に反対する団結の声を出すべきだ」と促した。続いて「北韓のミサイル発射は域内の緊張を高め、安保状況を不安定にする」と批判した。
ただしこの日の韓・米は対話による緊張緩和の意志を再度明らかにし、すみやかに対話に復帰するように北韓に促した。この日、バイデン政権の上級当局者は「米国は外交の扉が開かれている状況で、米本土と同盟の安全を確保するために必要なすべての措置をとるだろう」と強調した。また米国は前提条件なしで北韓と会う準備ができていると再度言及した。特に「バイデン大統領は実務次元の交渉を前提として、キム・ジョンウン北韓国務委員長と会って真摯な協議に乗り出す用意があるとした」と明らかにした。
一方で米国務省はユン当選人との協力分野として、最優先課題として北韓の核開発と弾道ミサイルの脅威をあげた。ネッド・プライス国務省広報担当者は「インド・太平洋に関するリストの一番上には北韓の核兵器と弾道ミサイルプログラムの脅威がある」と説明した。
- 毎日経済 | キム・ソンフン記者/ハン・イェギョン記者/ワシントン=カン・ゲマン特派員
- 入力 2022-03-11 17:48:37