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がん細胞を探し出す錠剤は出るだろうか?

Google Xプロジェクト稼働…磁性を帯びたナノ粒子が癌の位置を確認 

キム・ナノ氏は3ヶ月ごとに飲む錠剤のおかげで大きな節目をこえた。錠剤を飲んで磁気共鳴画像(MRI)撮影を行った結果、膵臓から小さな癌細胞が発見されたためだ。膵臓癌の初期診断を受けたキム氏は、簡単な手術で癌細胞を除去することができる。

近い将来にこのようなことが現実になるかもしれない。錠剤を飲むと癌だけでなく、多くの病気を診断できる技術の開発にGoogleが飛び込んだからだ。Googleの尖端技術開発部門「Google X」は、病気を早期に診断できる錠剤を開発していると語った。

Googleが開発している錠剤の粒子の大きさは、数ナノメートル(nm/1nmは10億分の1メートル)に過ぎない。この粒子は癌細胞に出会うとくっつく「抗体(体内に侵入した異物に付着して破壊するタンパク質)」がコーティングされている。粒子数十億個を錠剤にして飲み込むと、ナノ粒子が血管に乗って移動する。自由に移動していた粒子が、体内に隠れている癌細胞と出会うとくっつく。

韓国科学技術研究院(KIST)のイ・グァンヒ生体材料研究グループ主任研究員は、「粒子は磁性を帯びているため、MRI検査を行えば体内のどこに存在するかを簡単に見つけることができる」とし、「ナノ粒子の表面に、特定の癌細胞をコーティングする技術も既に開発されただけに、でたらめな話ではない」と説明した。

関連技術はすでに実験を通じて可能性が立証された。基礎科学研究院(IBS)のヒョン・テクファン ナノ粒子研究団長(ソウル大化学生物工学部教授)の研究陣は4月、腫瘍を見つけると反応する粒子を開発した。研究陣は癌細胞を破壊できる活性酸素を、小さな粒子の中に入れた。この粒子をマウスに投入したところ、血管に沿って移動し、癌細胞を検出すると破裂して活性酸素を排出した。

Googleの究極的目標はこのように単純な方法を使用して、個人が自らの病気を予測・管理する未来を作ることだ。すでにGoogleは涙に含まれる微量の「糖」を分析して、糖尿病を診断することができるコンタクトレンズを開発したりもした。

専門家らは、人々が病院を訪れることなく、自分の病気を自分で診断できるようになるほどまでに関連技術が商用化される場合、既存の診断システムのパラダイムが変わることを期待している。しかし、まだ越えなければなら技術的な限界がある。

服用した薬が患部に直接伝達される割合は約5%に過ぎない。残りの95%は人体を巡って副作用を引き起こすこともありうる。Googleもこれを認識したように、「Googleのプロダクトを使用できる許可を出すには、少なくとも5~7年の時間が必要だ」と説明した。

イ・グァンヒ先任研究員は、「ナノ粒子が磁性を帯びるようにすると、生物体内で毒性を引き起こす可能性がある」とし、「癌細胞にくっついた粒子以外の物質が、体内でどのような副作用を引き起こすかについての研究が先行しなければならない」と語った。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-10 17:07:47




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