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ポステック、チタンを超える「鉄鋼新素材」開発…自動車燃費を画期的に改善

車の重さを15%減らし、燃費を画期的に改善する…ポスコが今年試験生産に突入 

  • ポステック、チタンを超える「鉄鋼新素材」開発…自動車燃費を画期的に改善
  • < 新素材(左)がチタンよりも軽いことを確認することができる。[写真提供=ポステック] >

自動車の重量を15%以上減らして、燃費を大幅に向上させることができる「鉄鋼新素材」が韓国の研究チームによって開発された。アイアンマンのスーツを作る時に使われるというチタンよりも2倍以上堅いが、価格は10分の1に過ぎず、今後、自動車や鉄鋼産業などに有効に活用される見通しだ。

ポステック鉄鋼大学院のキム・ハンス教授、キム・ナクジュン教授と同大学のキム・サンホン研究員などの共同研究チームは、既存の合金よりも強いながらも重量がはるかに軽い環境にやさしい素材を開発したと明らかにした。

鉄は強度が優れていて価格が安いため、産業全般に広く使われている。ただ、密度が大きく体積に比べて重量が重いため、相対的に軽いアルミニウムを混ぜて合金を作って使用する。問題は、この過程で作られた化合物が合金の内部にまばらに生成され、強度が鉄鋼よりも弱くなるということだ。

  • ポステック、チタンを超える「鉄鋼新素材」開発…自動車燃費を画期的に改善
  • (左から)キム・ハンス教授、キム・ナクジュン教授、キム・サンホン研究員

研究チームはこの問題を解決するために、鉄とアルミニウムを混合するときに生成される化合物を小さくして、これを合金内部に均一に分布させる方案を見つけた。

この方案によると、鉄とアルミニウムを混合した後にニッケルを入れて800~900度の高温熱処理を経ると、化合物が合金の内部に均等に広がるようになる。小さな化合物が合金の内部に均等に広がっていれば、力を加えたときに発生する「微細亀裂」が内部で進行する途中で止まり、強度は堅くなって変形は少なくなる。

このようにして作った鉄鋼合金は、チタンよりも2倍硬く、2倍以上よく伸び、割れない特性を示した。キム・ハンス教授は「他の鋼材よりも強度が50%以上優れている」とし「特に価格がチタンの10分の1であるという点で、経済性も備えている」と説明した。

研究チームは、このように生産された鉄鋼素材を自動車のフレームに活用する場合、重量を約15%削減できると期待した。一般的に自動車の重量を1%減らすと燃費は0.5%高くなることが知られているだけに、燃費向上に画期的な転機が訪れたと期待されている。環境にやさしい素材に集中している自動車業界に、この素材が活用されれば軽量化を通じた低燃費の実現により、排気ガス量を少なくすることができる。

ポスコは今回の研究成果を活用して、早ければ今年から試験生産に乗り出す計画だ。研究室の研究は数十キログラム規模で行われるため、数トンを作らなければならない試験生産ではどんな問題点が見つかるかはまだ分からない。キム教授は「保守的に考えて、2020年ごろ産業に活用することができるだろう」と見込んだ。

国内研究チームの今回の成果は、海外でも大きく注目されると期待される。基礎科学研究の成果が掲載されるネイチャーに金属材料関連の研究が掲載されるのは異例なことで、ネイチャーはオンラインを介して今回の論文を最初に公開した。また、韓国の研究グループが開発した鉄鋼素材の研究成果がネイチャーに掲載されるのも今回が初めてだ。

研究結果は、世界的科学学術誌「ネイチャー」の5日付に掲載された。
  • 毎日経済 イ・ヨンウク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-02-05 03:01:01




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