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脳卒中後、筋肉硬直の治療法「ボツリヌストキシン」

薬物投入で特定筋肉にのみ影響、効果的な治療法として評価 

世界的に一年に1700万人(2011年基準)が心・脳血管疾患で亡くなる。全世界の死亡者10人のうち3人ずつだ。心・脳血管疾患のうち約620万人は脳卒中で死亡する。

韓国も状況は同じだ。心・脳血管疾患はがんに続いて死亡原因2位に上がっており、社会経済的費用は年間12兆8300億ウォンを上回ると推算される。心・脳血管疾患に先行する疾病である高血圧や糖尿病の有病率と診療費が増加しており、今後も社会経済的負担は続けて増えるものとみられる。

脳卒中による社会的費用が大きい理由は何だろうか?合併症のせいだ。おおむね脳卒中は最低1種類以上の合併症が発生する。とくに脳卒中後、筋肉硬直は脳の運動中枢損傷による後遺症としてよくあらわれる。筋肉硬直はひどいと患者の日常生活だけでなく、リハビリ治療にも深刻な障害要因として作用したりもする。このため、脳卒中予防に劣らず脳卒中以降、機宜の治療と管理がとても重要だ。

まず、筋肉硬直があらわれると動きが不便になる。アキレス腱など主要部位の筋肉硬直により痛みを訴える患者は独立的な生活が容易でなく、周辺の人に助けを受けなければならないため、保護者が正常な生活をするのにも問題が生じることがある。患者と保護者の人生の質を考慮した時、患者が手足などの機能を回復し、独立的な生活ができるよう助けることは重要だ。そして、機能が損失される前、早い時間内に治療してこそ効果が良く、他の合併症もともに予防することができる。

筋肉硬直の治療法には薬物服用・手術をはじめとした様々な方法があるが、最近ではボツリヌストキシンを利用する事例が増えている。

ボツリヌストキシン治療は、経口用薬や手術と比較した時、薬物が投入された特定筋肉にのみ影響をおよぼすため、より安全で効果的であると評価されている。症状の程度により電気治療・運動治療など既存の治療とボツリヌストキシン治療を並行するのも治療効果を高められる方法だ。最近では国産のメディトキシン製品が市販されながら、初期より患者の費用負担を減らして選択の幅も広がった。

最近になり「健康寿命」が話題として浮かび上がっている。これは単純に生命を維持する寿命ではなく、疾病なしに健康に行きていく期間を意味する。脳卒中予防は、普段の本人の健康管理から始まり、発病以降の根気良いリハビリと治療は質の高い健康寿命のための基盤になるだろう。誰でも疾病に例外はない。発病以降には現実を認定して積極的なリハビリ治療を受けることが、日常に早く復帰するよう助ける近道だ。
  • クンナム病院リハビリ医学科ソン・ナムソク院長
  • 入力 2014-06-09 15:15:02




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