A. | 囲碁や将棋などの娯楽とも塀を作って暮らしていた。ただ本だけを読んでいた。人々が悪口をいってもものともせず、賞賛をしても、片耳で聞き流した。ひたすら本を友として空腹も忘れて暮らしていた。 幼い頃から一日も欠かさずに古書を読んでいたが、新しい本に接したときにのみ嬉しくて笑った。深い意味を悟っては非常に喜んで、部屋の中をうろうろとした。本を読んでいる途中、ふと音もなく目を丸くして穴が開くほど見たり、夢を見たようにひとりでぶつぶつとしゃべるため、人々は本だけを読む馬鹿の看書痴(カンソチ)と呼んだ。彼はこのような冗談も喜んで受け入れた。 彼の伝記を書いてくれる人が誰もいないから、自分自身に関する文を書き『看書痴伝(カンソチジョン)』を出した。しかし、自分の姓と名は記録しなかった。 朝鮮後期の実学者であるイ・ドクム(李德懋)が書いた『青荘館全書』に紹介されたの看書痴のエピソードだ。 ウェブドラマ間の看書痴列伝では、看書痴が世間とは関係なく、本にはまって生きる「本の虫」という意味で、主人公のニックネームとして使われる。韓国の国立国語院では2004年に「過度に本を読むことだけに夢中になって世の中について疎い人を比喩的に言う言葉」という意味で登載された。 看書痴列伝には本と関連して、本を一度だけ見れば覚える「本の豚」ソドン(書豚)、貴重な本を一人で独占するために、盗みはもちろんのこと、殺人さえ辞さない「本のオオカミ」ソラン(書狼)が登場する。しかし、ソランとソドンは韓国語の辞書にはない言葉だ。 |