Q.外国人に読んでほしい韓国の小説(下):黄順元、金裕貞、李孝石

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A. 韓国語を勉強するために軽く読むことができる作品としては黄順元(ファン・スンウォン)と金裕貞(キム・ユジョン)、李孝石(イ・ヒョソク)の短編が似合いそうです。

異性に目覚めたばかりの少年の純粋な愛を描いた黄順元の『ソナギ(夕立)』は早くから外国語に翻訳された小説でもあります。

『ソバの花咲く頃』を書いた李孝石は初期には民衆の悲惨な現実を扱っていましたが、その後、郷土色の濃い叙情的な作品へと転じました。『ソバの花咲く頃』は、このような探求が絶頂に到った時期に書かれた小説で、韓国小説の白眉として評価を受けています。

29歳の時に肺結核で亡くなった金裕貞の作品は、韓国短編文学の結晶といわれる秀作です。風刺と皮肉で綴られた彼の小説は言いたいことは全て書きながらも、思想検閲を避けただけでなく、左翼系小説では味わうことが難しい楽しみも提供してくれます。

1930年代の農村の姿を滑稽に描いた『マンムバン(器量のない人)』と無邪気な青年を婿養子にすると約束した後、仕事だけをさせる光景を描いた『春・春』は、慢性的な胸膜炎や痔、結核と闘いながら書いた作品です。金裕貞は20歳の時に明月館の妓生に惚れ込み、ラブレターを書いて振られた痛い傷も抱えていました。

金裕貞は本格的な文学活動をしながら、難解な文章を書くことで有名な李箱と会って親しくなりましたが、恵まれない天才2人は先を争うようにこの世を去ってしまいました。

機会主義者の生活を送った医師を介して激動期の韓半島(朝鮮半島)の裏面を見せる全光鏞(チョン・グァンヨン)の『カピタン・リ』もお勧めしたい小説のひとつです。この小説の主人公である医師イ・イングクは、植民地治下でも、ソ連軍が占領していた北朝鮮や、ベトナムで対面した米軍政下でも成功を重ねる自分自身に非常に意気揚々とします。

韓国経済が飛躍的に発展した裏面を垣間見ることができる小説としては趙世熙(チョ・セヒ)の『小人が打ち上げた小さなボール』、尹興吉(ユン・フンギル)の『9足の靴で残った男』も読みがいがあります。

国語の先生が推薦する本の中には教科書に収録された作品が多くありますが、実際にはあまりお勧めできません。国語の教科書は韓国語に精通している学生を対象に選定されているうえ、単に文学としてだけでなく支配層のイデオロギーに大きく反しない作品を中心に構成するからです。

韓国語を学ぶ日本人にお勧めしたいの小説としては、李泰俊(イ・テジュン)の『解放前後』が欠かせません。日本を見つめるこの時代の韓国人の見方も価値観によっては非常に異なって現れますが、理念葛藤が深刻だった当時の生活を『解放前後』が示しているからです。

このほか、康信哉(カン・シンジェ)の『若いけやき』と李文求(イ・ムング)の『俞子小傳』、申京淑(シン・ギョンスク)の『母をお願い』もおすすめの作品です。

『若いけやき』は親の再婚により出会った腹違いの兄妹の愛の物語ですが、1960年代の韓国の都市と田舎の生活に触れることができます。『俞子小傳』は韓国戦争以降、経済が発展し、物質万能主義に変わっていく人生の軌跡を眺めることができます。ただし方言と卑俗語が多く、外国人が読むには少し難しいという点を事前に明らかにしておきます。

ソウル駅で夫の手を離してしまい失踪した母を捜す家族の話である『母をお願い』は、世界22か国で出版されたベストセラーです。この小説の作家申京淑は田舎から上京して工場で働き、学校に通っていましたが、そのような経験を淡々と書いた『離れ部屋』も読むに値します。

このほか、鋭いユーモアが光る筆致を見せてくれる作家、殷熙耕(ウン・ヒギョン)の『私が住んでいた家』、18歳にデビューした作家、崔仁浩(チェ・インホ)の『他人の部屋』、都市の中産階級を風刺する能力に秀でた作家 朴婉緖(パク・ワンソ)の『母の杭』も韓国文学史に足跡を残すほどの小説です。

  • < 作家キム・ユジョンが生まれた村に造成された空間 >

  • Lim, Chul
  • 入力 2015-02-10 00:00:00

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