Q.韓国では「遺影写真を生前に撮ると長生きする」と言われるらしいですが本当ですか？
| A. | 西山大師という朝鮮時代にかなり有名な高僧がいました。術数に長けていた四溟堂（サミョンダン）惟政（ユジョン）僧侶の師匠です。 この高僧が臨終直前に、遺影を取り出して裏面に文字を書いたのですが、跏趺坐をしたまま入寂したそうです。その際、85歳でしたから、当時としてはかなり長寿な方に属しますね。早目に遺影を準備して置いたおかげでしょうか。 ところで、僧侶が遺影の背面になんと書いたのか気になりませんか。 八十年前渠*是我 八十年後我是渠 （八十年前にはそれが私だったが、八十年後には私がそれなのだな） 大僧侶が残す言葉らしいです。短いこの言葉について噛みしめてみると、人によって感じるものが少しずつ異なることでしょう。筆者はキム・チュンス詩人の花という詩が浮かびます。 私がその名を呼ぶまでは それはちょうど 一つの仕草に過ぎなかった。 私が名前を呼んだとき それは私のところにきて 花になった。 誰かが覚えてくれていなかったら、存在する意味がなくなるでしょう。いや、存在自体が否定さかもしれません。子孫は、生前に見ることもできなかった祖父や祖母を遺影を介して接します。 まあ、それはそれとして、再び遺影の話に戻りますが、夢の話をいくつかしますね。おそらく望んでいる答えを夢占いを介して聞くことができるでしょう。 夢の内容（1）：家族が死ぬ夢を見たのですが、葬儀場で泣いていました。ところが、遺影の写真が私の妹と母の写真でした。夢の中でどれほど泣いたのか、目が腫れて開くことができないほどでした。 夢占い師の答え：縁起の良い夢です。元々、遺影を撮影すると、長生きすると言うではないですか。夢の中で、すでに遺影を撮っておいたのですから、お金もかけずに厄払いをしたようなもので、ものすごく縁起の良い夢です。ところが、夢を見た本人と父親の遺影はないようなので、一方では少し後味が悪いですね。 夢の内容（2）：知り合いの夢の話なのですが、私の葬儀に来て遺影写真を見てずいぶんと泣いたそうです。その後、彼は私に本当に良い夢だから買ったらどうかと言うのですが、どうすればよいでしょうか。（韓国では縁起の良い夢を他人からお金を払って買う風習があります。） 夢占い師の答え：知っている人があなたの葬儀で遺影を見て嗚咽をした場合、あなたの運命は徐々に窮地に追い込まれる可能性があります。おそらく夢を見た人があなたの運命を変えるオーラを持った人である可能性があります。機会があれば夢を見た人に助けを求めてください。 夢占いも状況に応じて変化することを知ることができます。 遺影写真を撮ることも同じです。自治体や公共団体、そして篤志家が田舎のおじいちゃん、おばあちゃんを対象にボランティアで生前の遺影写真を撮ってあげることがよくあります。子供がいても、実際にお葬式で使うとなると、写真がなくて非常に若いときの写真を使用したり、住民登録証の写真を使う場合が珍しくありません。 たまに不吉だとか縁起が悪いからと写真を撮ることを拒否する高齢者もいます。その際に常套手段として並べる文句が「遺影を撮影すると、長生きするそうですよ。これは長寿写真です。長寿写真」です。そして、シャッターを押します。 ところが、同じ遺影でも、このような場合もあります。天安艦沈没後、戦争に備えていた軍が兵士たちに念のために遺影写真を撮っておけとの指示を出します。おそらくすごく怖いことでしょう。戦争になるかはともかく、写真を撮るという行為自体に激しい拒否感も感じるようになるでしょう。 自分で遺影写真を撮って、死に装束を準備することはこの世から旅立つことへの準備です。一生を終える準備をしながら、過ちを悔いて残りの人生だけでも価値のある、充実した人生を送ることを決意することでしょう。 このような心構えが人生を豊かにして、人情を施し、一日一日を大切に思うようにしてくれることでしょう。毎朝自分の遺影を見ながら生きるのであれば、おまけで生きている一日という考えもするだろうし、本当に嬉しい気持ちで、感謝の気持ちで太陽を見つめることでしょう。だから、寿命が伸びるのではないでしょうか。 * 「渠」は小川という意味もありますが、3人称の「彼」、「それ」という意味もあります。3人称を意味する漢字には、この他にも「彼」、「之」、「其」、「那」などがありますが、「此岸」と「彼岸」を分ける小川を渡るという意味が含まれている渠を選んだことに、妙味が伺えます。 |
- Lim, Chul
- 入力 2015-07-31 00:00:00
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