A. | ※この記事は「江南駅通り魔殺人事件が他の事件と違う特別な理由がありますか?(1)」の続きです。 江南通り魔殺人事件を犯した犯人が、単に弱く見える犠牲者を選んだのか、それとも女性を犯行対象に選んだのかは定かでありません。 もちろん、被害者の性別に関係なく、この事件が明確な理由もなく殺人を犯した通り魔殺人事件だという点に変わりはありません。警察は、女性嫌悪とは関係のない通り魔殺人事件と規定しました。ただし、一部の女性の主張の通り、女性を嫌悪して不特定の女性を犯行対象とした事件なのであれば、話は違ってきます。 先立って、インターネットに掲載された新婚主婦の話を紹介しましたが、不特定の女性を狙った犯行であれば、女性が韓国社会で恐れを感じるのは当然のことです。 犯人が女性を狙ったからと、男性全体を非難することはできません。しかし、女性を嫌悪する未知の殺人犯が街のどこかにいるかもしれないという思いが心の弱い女性を恐怖に陥れます。 恐怖に震える女性に「何を怖がっているんだ。ほとんどの男性は、ただ懸命に生きる善良な人だ。正気でない奴が犯した事件であるだけだ」となだめることもできません。非常にごく少数の女性嫌悪者であっても、その人が事件を犯す可能性が残っていることも事実ですから。 通り魔殺人の被害者のうち、女性よりも男性がはるかに多いという事実も慰めになりません。通り魔殺人事件でなくても、韓国の女性は凶悪犯罪の標的になりやすい状態です。薄暗い路地だけでなく、スーパー、デパートの駐車場にも女性を狙う覆面をつけた犯人が隠れています。 検察の分析によると、殺人、強盗、性的暴行、略取・誘引など、4つの凶悪犯罪の被害者のうち、女性の割合は90%にもなります。1995年の72%から2005年には83%、2013年には90.2%へと増える傾向にあります。2013年の基準では、毎日平均68人の女性が凶悪犯の犠牲者になっている状態です。 事件が起きた時間は夜中ではありません。性暴行事件の22.9%が午前9時から午後9時までの間に発生しており、「夜遅くに出歩かない」という程度では、事件を回避することはできません。 このように、女性を対象とした凶悪犯罪が増加している状況で、女性嫌悪を理由に通り魔殺人さえ起こったため、女性の被害意識が大きくなるのは当然のことでしょう。しかし、問題は、これに対する予防手段を探すのが難しいという点です。全国の公共トイレに警察を配置することもできません。女子トイレに男の見張りを立てるというのもまたおかしな話です。 明らかに問題がありますが、対策を立てるのが容易でないというのが問題です。これは、女性嫌悪犯罪だけでなく、通り魔殺人事件が持つ共通の問題でもあります。 だとしても、女性が犯罪の犠牲者になる可能性が高いのは事実でしょう。韓国社会で女性嫌悪が存在することも明らかです。韓国の男性を嫌悪する韓国女性たちももちろん存在します。 地域紛争、世代葛藤、貧富の葛藤、理念葛藤に続き、男女の性別による葛藤が韓国社会の新しい頭痛の種になるかもしれません。江南駅殺人事件が注目を受ける理由は、この事件をきっかけに、男女の葛藤が表面に現れたからです。 追悼現場である江南駅に貼られたメッセージと花輪から、葛藤の姿を見ることができます。
江南駅通り魔殺人事件は、異性の嫌悪感に対する社会的議論を提議しています。女性(男性)嫌悪の原因から丁寧に確認して、嫌悪が韓国の社会構造ゆえに発生したものであるなら、早急に処方箋を作れと要求しています。 なぜ、一部の韓国人男性は、韓国の女性を嫌悪して、女性は韓国男性を虫を見るように接するのか。この話は、次回に代表的は男性・女性嫌悪サイトを中心にお話します。 ※この記事は「江南駅通り魔殺人事件が他の事件と違う特別な理由がありますか?(3)」へ続きます。 |