A. | 私募ファンドが何かをご存知ですか。複数の人が投資したお金で不堅実だったり低評価された会社、またはやむを得ず売却する境遇に置かれた会社を買収した後、価値を高めて転売して差益を残すファンドです。 そのため、ファンド運用者は買い入れた会社の市場価値を短時間内に高めようと必死になります。たまに高い不動産を売って片付けたり、労働者を追い出す構造調整を断行する消極的(?)な方法も使いますが、最初から複数の会社を買収して規模を育てる攻撃的な経営もします。 SKグループからのロエン(LOEN)エンターテイメントを買収した私募ファンド、AEPの経営戦略は非常に積極的でした。AEPがロエンの株式85%を買収したのが2013年7月だったのですが、その年が暮れる前に4人組ガールズグループSISTARが属しているスターシップエンターテイメントの株式70%を買収しました。 そして2年後の2015年5月にはスターシップを通じて、俳優ユ・ヨンソク、イ・グァンスらがいるキングコングエンターテイメントを買い入れました。1カ月後にはCNBLUE、AOAらが籍を置くFNCエンターテイメントの株式5.14%も取得しました。その年の11月には126億ウォンをかけて、ホガク、Apinkらを保有するA CUBEエンターテイメントの株式70%を買い入れました。 攻撃的な買収合併が効果を出しました。2010年に1株当たり5000ウォンにもならなかった株式の価格が、2015年7月末に9万500ウォンまで高騰しました。時価総額はなんと2兆2383億ウォンに膨れあがりました。ロエンの代表の顔であるI.Uがスキャンダルに巻き込まれ、一時、株価が急落したりもしましたが、いつの間にか価格は回復し、最終的にカカオに株式76.4%を1兆8000億ウォンで売却したのです。 スター歌手や俳優を育てるには時間がかかるため、むしろ中小の企画会社を買収する方向で私募ファンドが方針を固めたため、キングコングもロエンの垣根に入ることになりました。 キングコングは2010年4月に設立されました。設立当時を共にした俳優は、キム・ボム、イ・チョンア、イ・グァンス、ユ・ヨンソクなどでした。続いて、ソン・ユリとイ・ジン、キム・ソナ、イ・ドンウク、キム・ジウォン、パク・フィスンらを迎え入れ、新人演技者も発掘しました。 所属俳優たちの活動も目覚ましかったです。ロエンと合併する2年前の2013年、キングコングの看板女優であるキム・ソナは映画『ザ・ファイブ』の主役を務めて新たに変身し、ソン・ユリはSBS『ヒーリングキャンプ』のMCとしてFin.K.L(ピンクル)の全盛期時代を思い出させました。
キングコングという会社名は、サイダスHQでマネージャーとして働き、独立したイ・ジンソン代表のニックネームでもあります(現在は共同代表)。男性俳優とは義理の兄弟、女優には少しずつ近づいていく努力で固い関係を結んでいるという彼は、スターシップの戦略的パートナーになる1カ月前の芸能雑誌とのインタビューで、「少しずつ成長しても長く共にできる会社を作りたい」と話しました。 買収合併については、「キングコング程度の規模では、長く持ちこたえるのが難しい。良い状況で良いパートナーと一緒にするのであれば検討してみる価値はある」と話しました。買収が発表される1カ月前だからインタビューした時にはすでに話が行き来していたのかもしれないですね。 とにかく、彼の望みどおり買収合併後もキングコングは、経営陣の変更なしに独立的な経営をしています。株式を売ったお金は金庫の中に入れておき、代表の肩書きはそのまま持っているのですから悪いことはそんなにありません。株式が1株もないのに心配にならないのかなと思っている方もいるかもしれませんが、株式会社の株式なんてものは49.9%を持っていても何の役にも立ちませんから、最初からない方が内心楽かもしれません。大株主が威勢を落とせば、それしきの俳優たちを連れ出して他の会社を作ればいいのですから。 ところで、俳優たちがついて来るでしょうか。キングコングの俳優の面貌を見ると、ヒントが生まれるかもしれませんね。 キングコングエンターテイメントのホームページに掲載された所属アーティストのリストです。 |