解説 | ハングル:똥덩어리 ハングル発音:トントンオリ 解説:トントンオリ(똥덩어리、大便の塊)とは他人に迷惑をかける人に対する攻撃的な悪口だ。英語やフランス語、ドイツ語圏では一般的な悪口であり、日本でも糞(くそ)という言葉が悪口として使われるが、韓国ではあまりよく使われない。 英語のShitやフランスのmerdeを韓国語に翻訳すると、「チェンジャン(젠장)」に訳されるくらいだ。トン(똥、大便)という言葉は、「こんなケットン(犬の糞)のような日があるのか」というふうに、主に自分が間違って問題が起きたときに自嘲の混じった口調で主に使用する。 トントンオリが人々の口から発せられるようになったのは、2008年に放映されたMBCドラマ『ベートーベン・ウイルス』で指揮者カン・マエが大学で音楽を専攻したチェロ奏者チョン・ヒヨンが満足な実力を見せることができない事をうけ、救いようのない人という意味でこの言葉で彼女を攻撃した。 特に一音節ずつ切断して、「トン、トン、オ、リ」とはっきりと発音して、毒舌の効果を倍増させ、チョン・ヒヨンはついに涙を流して練習場を飛び出していく。 カン・マエを演じたキム・ミョンミンは後に、「トントンオリとう悪口が韓国でよく使われていないため、このセリフをどう演じるべきか悩みが多かった」と明らかにした。 余談だが、カン・マエは、胸に溜まっているものを解消してあげると、コンサート当日に夫に連れてかれてくチョン・ヒヨンを呼んで独奏を任せる。団員たちは最も実力が遅れていたチョン・ヒヨンが独奏することになり不安がったが、チョン・ヒヨンはチェロの旋律に、これまでの悲しみをすべて込めた。悪口として食べた(言われた)トントンオリをすべて排泄したわけだ。 どうやら、キム・ヒヨンが言われた悪口のトントンオリは自分のやりたい音楽をできなかった恨だったのかも知れない。
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