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  • Q.
    韓国で歴代最高の視聴率を記録したドラマは何ですか?(中)
  • A.
    (※この記事は「韓国の歴代最高の視聴率を記録したドラマは何ですか?(上)」の続きです。)

    韓国ドラマ2本を本当に純粋な任意で選んで紹介します。それなりに選定基準がないわけではありませんが、同意しない人が多いに決まっているため、基準は思い切って(?)省略します。『宮廷女官チャングムの誓い』が抜けていて残念な方もいらっしゃるかもしれませんが、反対に幸いだと考える方も少しはいるのではないかと思われることが選定の弁です。

    ▶ 『初恋』(KBS週末ドラマ、1996年6月~1997年4月)

    韓国ドラマには「初恋」というタイトルのドラマが3本ある。1986年のMBC水木ドラマと1996年のKBS2、2003年のSBS週末特別企画。このうち韓国歴代最高の視聴率を誇る初恋は1996年のKBS作品だ。

    ストーリーは、韓国版ロミオとジュリエットだ。貧しいソン・チャンヒョク(チェ・スジョン)と地方劇場社長の娘イ・ヒョギョン(イ・スンヨン)のかなわない恋と両家の対立を描いたドラマだ。ヒョギョンの父イ・ジェハ(チョ・ギョンファン)は、娘が貧しい画家志望と一緒にならないように、チャンヒョクの家を廃墟にし、チャンヒョクを強制的に入隊させる。

    ドラマ後半で家の敵であるイ・ジェハに復讐をして、事実上の主役を演じたペ・ヨンジュン(チャンヒョクの弟チャヌ役)は、このドラマを通じて一気にスターになる。財閥の娘として出てくるチェ・ジウ(カン・ソクヒ役)も、このドラマでペ・ヨンジュンと縁を結ぶ。デビュー当時のチェ・ジウの固い演技を見ることのできる作品でもある。

    ▶ 『砂時計』(SBS平日ドラマ、1995年1月10日~1995年2月16日)

    開局の草創期に認知度のなかったSBSが社運をかけて制作した作品。当時、ドラマ王国として君臨していたMBCで『黎明の瞳』を演出したキム・ジョンハクPDと作家ソン・ジナを獲得し、チェ・ミンス、パク・サンウォンなどのMBC看板スターたちもスカウトして作った作品だ。

    全斗煥政権が退いた後、5.18光州民主化運動、三清教育隊、10.26民主抗争の口火となったYH女工ストライキ事態など、実際の事件と登場人物を絶妙に調和させたストーリーで大韓民国の近現代史を描いた。月曜日から木曜日までの週4回放映されており、週末には再放送が編成された。『砂時計』のせいでMBCの創社特集企画ドラマは2.4%という屈辱的な視聴率を記録する。MBCはドラマ『息子の女』に出演したチェ・シラにナイトクラブのダンサーまでさせたが、『砂時計』の独走を防げなかった。

    ドラマをあまり見ない20~30代の男性が『砂時計』を見るために急いで家に帰ったため、興行ドラマを意味する「帰宅時計」という表現が登場した。

    『砂時計』を見るためにテレビの販売量が急増したという噂もあり、夜の繁華街では商売がうまくいかず、大型テレビを持ってきておいて、ドアの前に「砂時計放送中」とフレーズを書くところが多くあった。バーのオーナーも『砂時計』を見ていただろうから、言い訳ついでにテレビを新調したのかもしれない。

    喜んだSBSはソウル市内に記者を送り、人気のない街並みを映しては「『砂時計』を見るために、みんなの家に帰ったため、ソウル市内が静かだ」というレポートを出した。

    『砂時計』のおかげで、人気のなかった江原道正東津駅に観光客が集まって、正東津にカフェが登場し、正東津周辺の地価を上げてくれた。パク・サンウォンが演じたカン・ウソク検事のモデルとして知られているホン・ジュンピョは、このドラマの後光により政界に進出しており、パク・サンウォンも政界進出の噂が絶えず続いた。

    ▶ 『パリの恋人』(SBS週末ドラマ 2004年6月12~8月15日)

    貧困と不幸に苦しみながらも明るく懸命に生きる主人公のカン・テヨン(キム・ジョンウン)と冷たく合理的な財閥家の人間ハン・ギジュ(パク・シニャン)がパリで偶然知り合って愛する仲に発展する話。女性をとても愛しているのに、不釣り合いな幼稚な言葉をためらわずに発する、彼女を保護するために自分の身を投じるカッチルナムは女性視聴者の心をとらえた。

    テヨンに片思いをしていたユン・スヒョク(イ・ドンゴン)の「イ アネ ノ イッタ(이 안에 너 있다、この中にお前がいる)」、ハン・ギジュの「エギヤ カジャ~(애기야, 가자~、ベイビー行こう~)」というセリフは、限りなくパロディされた。「その人が私の男だと、なぜ言葉で言えない」と言った後に出てくるキスシーンは巷で話題になった。

    財閥2世のハン・ギジュが出生の秘密が明らかになって家から追い出され、またはパリに滞在していたときに運命のように、カン・テヨンと再会して、甘く愛する日々を送ることになる。

    ドラマの結末は、制作陣が当初計画していたものとは異なる形で、締めくくられた。当初、制作陣が考えていた結末はこうだった。在野の小説家キム・ジョンウンは「パク・シニャンとキム・ジョンウンが結婚したという新聞記事を見て、誰かは知らないけどいいな~」と思っている。後に道路で人形を売りながら延命していたキム・ジョンウンが人形を受け取った財閥2世のパク・シニャンに会って愛が続くという意外性を入れる予定だったが、通俗的なストーリーに飼いならされたドラマの熱心なファンが「これが全て小説だったか!」と言って反発し、典型的なシンデレラストーリーに帰着した。

    パリで既に最終回を撮影していたため、強引に組み立てられた感じを払しょくできず、残念だ。

    ▶ 『母さんの海』(MBC週末ドラマ、1993年5月~1993年12月)

    事業の失敗により夫のキム・デボン(パク・グニョン)が突然死に、傾いた家を立て直すためにお母さん(キム・ヘジャ)が苦労する過程を描いたドラマだ。世間の事情に疎い奥様は近所のピザ屋を買収したが、大規模なピザ屋が出店してきったため店をたたみ、後に料理の腕を生かして韓国式食堂に変えて家が安定する。

    長女のヨンソ(コ・ヒョンジョン)とトンジェ(チェ・ミンス)、チェ・スンジュ所長(トッコ・ヨンジェ)の三角関係と、直接的で虚栄心の多い次女のキョンソ(コ・ソヨン)が金持ちの息子ユン・サンギュ(イ・チャンフン)と結婚する話が添えれる。

    家が傾いた後、家族は叔母の家に頼って暮らすようになるのだが、穏やかな雰囲気に視聴者が共感できるストーリーが展開され、好評を博した。ドラマに出てきたイム・ジュリの歌『リップスティック濃く塗って』が絶大な人気を集めた。

    一晩でどん底人生に墜落したキム・ヘジャの姿から、ベトナム戦争が終わった後のハノイのすべてを奪われた境遇を連想したのか、南ベトナム住民が最も好きなドラマだという。

    ▶ 『製パン王キム・タック』(KBS2水木ドラマ、2010年6月9日~2010年9月16日)

    お金をあまりかけないマクチャンドラマでもヒットすることを示した作品だ。巨星食品のク・イルジュン会長(チョン・グァンリョル)の不倫により生まれたキム・タック(ユン・シユン)が主人公だ。会長の息子で後継者としての授業を受けていたク・マジュン(チュウォン)は母親のソ・インスク(チョン・インファ)の不倫によりできた子供だ。

    このような複雑な家系図をもとに、キム・タックがあらゆる逆境を乗り越えてパンで成功する過程を描く。

    企画スタッフの面々や製作費が2流の安価ドラマとして編成され、一度、製作が延期されていた。タイトルが知られてからはKBSが水木ドラマ1位の座を放棄しただとか、ジャンルが子供の漫画なのかなどの多くの悪評を聞いた。同じ時間帯に放送された競争番組は莫大な製作費が投入された作品だったなか、このドラマは公式ホームページすら放映直前にオープンされるほどだった。

    このため、ドラマの初期には不倫、請負殺人などの最大限刺激的な素材がすべて動員された。このため、マクチャンドラマの代表格である『妻の誘惑』も避けて通った「19才以上観覧可」の判定を受けた。

    初回に15.7%の視聴率でスタートしたこのドラマは、競争作であるSBSの『悪い男』が2週連続で放送休止をするなどの対外的な要素と刺激的な素材、スピード感のあるストーリー展開により視聴率が日増しに高くなり、最終的には50 %の視聴率を記録する気炎を吐いた。

    パリクロワッサンのサクセス・ストーリーを脚色したという説が提起されたが、制作陣は「シナリオ初期にはパンではなく、造船業を対象に脚本が書かれていたが、資本不足などの理由で作家のカン・ウンギョンが好きなパンをテーマに変更した」と明らかにした。作家のカン・ウンギョンは脚本の作成中に受けたストレスにより、これ以上パンを食べていないと言われている。