クリスマスに合わせてPSY（サイ）がソウルのオリンピック公園にある体操競技場でコンサートを開催するそうです。コンサートのタイトルが何か知っていますか。「公演のゴッドサイ」です。

ゴッドサイ（God Psy）なんて、行き過ぎた表現ですよね。ポスターを見ると、まるで死神のようです。ドラマやバラエティに出てくる死神の衣装そのままで、サングラスをかけて、韓服の色が黒ではなく白という点だけが違います。死神も神だから、自分が公演では神界に属するという誇りを持っているようです。

実際に、サイは『江南スタイル』でワールドスターになる前、舞台の掌握力では自他が公認する歌手でした。高齢の人たちにはちょっと聞き慣れない名前ではありますが、大学祭では雰囲気を盛り上げる歌手としては最高とされていました。

アイドル歌手はもちろん、人気のある歌手を招待すると、せいぜい3曲ほどを歌って舞台から降りて行くのですが、サイは一度舞台にあがると観衆を確実に掌握し、リハーサルもなしに1時間で7~8曲を熱唱したことから、大学街では厚いファン層を確保した歌手でした。

舞台では派手なパフォーマンスを見せてはくれていましたが、2012年に『江南スタイル』が収録された6番目のアルバムを出すまで、サイの歌手人生はあまり派手な方ではありませんでした。

サイ、パク・ジェサン（朴載相、1977.12.31）は、留学派の歌手です。ボストン大学に通っていたのですが名前だけ籍に入れておいて退学をした後、バークレー音大に通いましたが、卒業どころか2年生への進級もできないまま辞めました。そのおかげで留学派歌手の隊列に並ぶこともできましたし、英語の勉強をしたので、ワールドスターとして海外公演をするのにも役立ちました。

芸名であるPSYはサイコ（싸이코）と本名であるジェサンイ（재상이）を周囲の人がジェサイ（재싸이）と呼んだところから取ってきたそうです。かつては、あまりにも事件・事故に巻き込まれることが多く、名前のとおりだという良くない話も聞きました。

2001年に正式デビューした後、地上波で1位になりました。彼がデビューした頃は、チョ・ソンモ、ソテジ、SES、ピンクル、GODなど90年代から2000年代にかけて大活躍していた歌手が大挙してカムバックして接戦を繰り広げるときだったため、サイが入り込むのは容易ではない状態でした。しかも外見もご覧のとおりのため、ほとんど芸能人扱いを受けなかったそうです。

さらに、その年の終わりに大麻喫煙の疑いで警察に呼び出され、最終的には罰金500万ウォンを宣告されました。そのせいで有力視されていた、その年の新人歌手賞も高校の後輩であるソン・シギョンに譲った格好になってしまいました。2002年のワールドカップ期間中、路上応援に参加しながら、放送禁止が解除されたものの、ややもすると事がうまく運んでいなかったら、除隊するまで放送とは永遠に縁を結ぶことができなかったことでしょう。

2003年に2番目のアルバムを出した後、コンピュータソフトウェア開発分野の兵役特例要員として兵役を履修しましたが、服務を適切に行わなかったという事実が明らかになり、現役の再入隊判定を受けました。不服だと訴訟を起こしましたが、裁判でも負けたため、最終的には通信兵として再び軍に入営しました。産業特例要員を務めた期間まで合わせると、軍生活で過ごした期間がなんと4年にもなります。

2012年『江南スタイル』で人気だった頃、歌手のキャリアがすでに12年にもなっていたのですが、軍生活と自粛期間を除けば、本当に歌手活動をした期間は3年程度でした。通信兵として入り、現役兵として服務する間には芸能兵士のように公演をしながら過ごしたそうですから、舞台練習だけはしっかりとしたわけです。

軍服務が終わった後、YGエンターテイメントに移籍して、放送番組の客席に入ったり、MCの座を占めながら、コンサートをする姿を見せていました。特に2010年に出した5番目のアルバムの収録曲のうち『サグン』という歌の歌詞には「予備役の通知書と入営通知書を同じ日に受け取った奴がいるか」という内容が含まれており、多くの人のファンの歓呼を受けました。

2011年、『無限に挑戦』の西海岸高速道路歌謡祭ではノ・ホンチョルとパートナーになって参加したのですが、サイの脇の汗がギャグの素材として活用され、キョタム（脇汗）というイメージとキョサ（脇+サイ）というニックネームも得ました。今でもキョタムと検索すると、関連検索語にサイが出てきます。

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