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もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • Q.
    脳の半分だけ寝ることもできますか?
  • A.
    ずいぶん前に読んだ成功学の書籍の一節が改めて思い出されます。本の正確なタイトルも思い浮かばず、著者の名前も曖昧ですが、紹介する内容ははっきりと覚えています。

    赤手空拳で世に出た著者は、本を離さず4~5種類の職について昼夜を問わず働いたそうです。

    いつ寝るのでしょう?
    この問いに対する答えが著者の成功の秘訣です。

    彼は成功家の道に進入する前は横になって寝た記憶があまりないそうです。少しの間、両目を閉じることはありますが、主に脳の半分、つまり左脳と右脳のうち片方だけが眠ったと言います。左脳が寝る時は左目を閉じて、右脳が寝る時は右目を閉じたそうです。

    片目を開いているから、細心の注意が必要なことはできなくても、建物の警備は問題なかったでしょう。

    いや、そんなことが可能なんですか?
    そうなんですよ。
    本を読んだ後、私もできるかなと思って片目を閉じて脳の半分だけ眠ることを願いましたが、無駄だった記憶が改めて思い出されます。

    本の著者は何か特別な秘法があるか、生まれつき才能があったのでしょう。
    だから成功したのでしょう。

    人間には脳の半分しか寝る才能がないですが、動物のうち水中哺乳類や鳥、そしていくつかの爬虫類は生まれつきこのような才能を持っています。

    脳の片方だけ寝ることを知識的な言葉で表現すると単一半球睡眠と言いますが、こうして眠る理由があります。

    鰓がなくて肺で呼吸をする鯨が眠ると溺死し、飛行をする鳥が眠りにつくと墜落してしまうからです。

    水中哺乳類と鳥は生存のため脳の片方だけ寝る才能を育て、これを遺伝子に記録しました。

    鯨や鳥も脳の片方だけが眠る時は成功学の著者のように片目を閉じます。
    イルカが寝ている姿を見ると、まるでウィンクしているようです。
    5~10分周期で脳の片側を交互に寝ていたら、左目を開けたり右目を開けたりするので、そのように見えますね。 ウィンクする間隔がかなり長いです。

    イルカの開いた目はたいてい群れを見ています。群れから離れないためです。
    ややもすると、よそ見をして群れから離れてしまうと生死のかかった問題です。

    鯨とは違って鳥は外側に向いています。鳥の群れの中で外側の鳥たちが目を閉じて休息を取りますが、眠った後は仲間たちと任務を交代します。

    半分の脳だけ寝るのは疲れて大変なことです。
    水族館で生活しているイルカは、海とは違って両目を閉じたまま触ってもびくともせず、ぐっすり眠りに落ちるそうです。 寝ている間にも尾びれは無意識に動いており、息を水の外に出すのです。 野生のイルカが非常に短い時間、おおよそ4~60秒ほど両目を閉じて深い眠りに入るという研究結果もあります。

    ここで単一半球睡眠が体質化された理由は、ただ呼吸のためだけではなく群れから離れずサメの襲撃に備えるためだということが分かります。

    クジラや鳥の単一半球睡眠とは少し違いますが、猫の眠りも独特です。
    猫は左脳と右脳でそれぞれ違う眠りの形をとることができます。 一方の脳がREM睡眠*をしている間、もう一方の脳は非REM睡眠をする様子が観察されたりもしました。1つの半球が非REM睡眠中に、もう1つの目が覚めている状態も見えました。興味深いことに、1つの半球が目覚めた状態で他の半球がREMをする場合は見つかりませんでした。REM睡眠は起きていたも同然なので、そこまでする必要はなかったかもしれません。

    * Rapid Eye Movement Sleep。睡眠の段階のうち数回眼球が急速に動くのが観察される段階の睡眠。確かに眠っているのに脳波の所見が覚めている時と同じです。人は寝ている間に普通5~7回のREM睡眠を経験しますが、REM睡眠中の人を起こせば大抵夢を見ていたといいます。