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「従来の治療薬は忘れろ」 韓国の製薬会社が糖尿病新薬の発売競争


韓国の糖尿病治療剤市場で製薬・バイオ企業が既存の薬物より優れた新薬・複合剤の発売競争を繰り広げている。約1兆ウォン規模の韓国の糖尿病治療剤市場を獲得するためだ。

LG化学は最近、2型糖尿病の新薬候補物質「LC542019」について米国で第1相臨床試験を進めている。先月末、最初の患者が募集された。糖尿病患者の90%が該当する2型糖尿病はインスリンが分泌されるもののインスリン抵抗性により細胞がインスリンにきちんと反応できない疾患だ。この候補物質は、インスリンの敏感度を調節するタンパク質であるGPR120作用を活性化させてインスリン抵抗性を改善し血糖値を下げる。LG化学の関係者は「従来の糖尿病の治療剤がインスリン分泌を増やして細胞に受け入れさせる方式だったとすれば、この薬物は壊れた鍵穴、つまり抵抗性を直すことになる」と説明した。

韓国の糖尿病治療剤市場の規模は1兆ウォン、世界市場は140兆ウォンと推定される。LG化学は国産19号新薬としてインスリン分泌のホルモン分解酵素(DPP-4)阻害薬の「ジェミグロ(Zemiglo)」を10年前に発売したことがある。韓国市場ではジェミグロをはじめDPP-4阻害薬が過半数を占めている。ジェミグロの昨年の売上高は約1300億ウォンに達した。ただ新薬が登場しDPP-4阻害薬の処方比重は減っている。これによりLG化学はジェミグロとSGLT2阻害薬を合わせた複合剤を2023年までに発売する計画だ。

最近、処方が増えているナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT-2)阻害薬も注目される。SGLT-2阻害薬は、腎臓にてブドウ糖が再吸収されるのを阻害し尿に排出されるようにする薬だ。大熊製藥は糖尿病の新薬として開発中のイナボグリフロジン(Enavogliflozin)の単独・併用療法第3相試験で有意義な結果を導き出したと発表したが、この薬もSGLT-2を阻害する方式だ。大熊製薬は今月1日、イナボグリフロジンの国内品目許可を申請し下半期の許可を予想している。来年の上半期の発売が目標だ。

東亜エスティはDPP-4阻害薬であるシュガノン(Suganon)と異なるメカニズムの新薬DA-1241に対し米国第2相臨床試験を準備している。この薬物は膵臓のβ細胞にある受容体であるGPR119を活性化しインスリン分泌を増加させる。イルドン製薬もインスリン分泌を誘導し血糖値を調節する新薬候補物質IDG16177の新規物質特許を米国で取得した。これも従来の糖尿病治療剤の分類から外れている薬物だ。

糖尿病は新型コロナウイルスとも関連して注目を集めた。糖尿病患者は新型コロナウイルスの重症化の危険性が高いためだ。
  • 毎日経済 | チョン・スルギ記者
  • 入力 2022-04-05 17:16:22




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