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部品・素材の貿易黒字1079億ドル、生産設備の海外移転が影響

喜べない部品・素材、初の1000億ドル黒字 

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韓国の部品・素材産業の貿易黒字額は史上初めて1000億ドルを超えた。製造業の基本となる部品・素材産業が量的・質的に成長したという意味は明らかだが、一方では韓国の国内製造業の基盤の海外流出も、素材・部品の輸出増加に大きな影響を及ぼしたとみられている。

産業通商資源部は7日、昨年の韓国の部品・素材の輸出は2760億ドルで輸入が1681億ドルに、貿易黒字は1079億ドルに達して史上初めて1000億ドルを超えたと明らかにした。

これをもって、韓国の部品・素材産業は1997年に初めて黒字に転じたことに続き、17年めで貿易黒字1000億ドルを達成した。部品・素材産業の黒字規模は、昨年の韓国全体の貿易収支の規模(474億ドル)の2.3倍に相当するものだ。

昨年、部品の輸出は主要先進国の需要産業の景気回復などに支えられ、1年前に比べて5.9%増の1880億ドルに達した。素材の輸出は非金属鉱物と1次金属製品の需要が回復し、2013年よりも3.0%増加した881億ドルと集計された。

部品・素材産業の貿易黒字のうち、部品が855億ドルで79%を占めており、素材は225億ドルで21%と部品産業が貿易黒字の拡大を主導した。

部品・素材産業の飛躍的な成長には、国内産業の体質改善という意味が込められている。

ナ・ギヨン産業部素材部品政策課長は、「産業化の初期、わが国の業界は海外から部品・素材を取り寄せて、これを単純に組み立てて再輸出するレベルだったが、部品・素材の国産化段階を越えて世界的な競争力を確保した」と語った。

とは言え、企業が国内にあった生産設備を中国や東南アジアに移したことが、部品・素材の輸出増加の重要な原因だということも否めない。

ナ課長は、「単純に通関基準に輸出と輸入の規模を集計するために、輸出された素材・部品がどこで使用されるかは明確に区別できない」とし、「海外の韓国企業の生産設備へ行くケースも多いだろう」と語った。

これは、輸出地域や品目を見ても推論が可能だ。部品・素材の貿易黒字を地域別にみると、中国に対する貿易黒字が469億ドルで最も大きく、続いてアセアン(216億ドル)、中南米(128億ドル)などの地域の黒字も着実に増加した。韓国の新たな生産基地として浮上したベトナムとの貿易でおさめた部品・素材の貿易黒字が107億ドルで、全体の10%を占めている。

品目別では電子部品の貿易黒字が448億ドルで最も多く、輸送機械部品が231億ドル、化学素材は169億ドル、電気機械部品が95億ドルだった。

貿易協会の関係者は、「サムスン電子や現代自動車などの大手企業が海外に工場を移転し、韓国から部品を持って行って使う構造が定着した」とし、「史上最大とひたすら喜ぶことではない」と語った。

日本に対する部品・素材産業の貿易赤字は円安の影響などで昨年は163億ドルで、2013年の205億ドルよりも減少しており、対日輸入依存度も過去最低の18.1%水準に下落した。
  • 毎日経済_キム・ギチョル記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-07 17:11:37




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