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経済成長のピークが過ぎ、大韓民国の「家族解体」が速くなっている


  • 経済成長のピークが過ぎ、大韓民国の「家族解体」が速くなっている
去る22日、ソウルのアパートで二人きりで仲睦まじく暮らしていたAさん(70)が最愛の妻を首を締めて殺し、自殺を試みた事件が起きた。満ち足りた家庭を作ってきた老夫婦の幸せな生活は、妻が脳梗塞で倒れて終わった。植物人間状態の妻を手厚く世話をしてきた夫は、最終的に極端な選択を行ってしまった。

今年、新年早々から名門私立大学出身のカン某氏(48)が、自分の妻と二人の娘を殺害する事件が起きて衝撃を与えたことに続き、母親を殺害したり夫が妻を殺す事件が相次いで発生している。

家族間の殺人が発生する現象は、私たちの社会がすでに来るところまで来た危機状態だという事実を裏付けていると、専門家らは口をそろえる。実際に、韓国の家族解体は深刻な水準だ。警察庁によると、尊属を対象とする暴行・脅迫・殺害・傷害罪は2010年の958件から2013年には1142件に、19%も増加した。

家庭が崩壊している理由を、経済的な部分に見出す見方がある。イ・ミョンジン高麗大社会学科教授は、「韓国の家族解体が他の国よりも急速に進んでいる」とし、「成長だけを繰り返してきた経済がピークに達した後、人々は未来に挫折するようだ」と分析した。

現代社会でうつ病などの精神疾患が増えることも、家族犯罪の原因として指摘される。また、私たちの社会の高齢化が急速に進むにつれ、経済的・社会的に孤立したお年寄りの夫婦が極端な選択を行う可能性も高まっていると思われる。

イ・ミョンジン教授は、「50代の男性が競争で失敗すると社会から孤立する」とし、「彼らが感じる危機感は非常に高い水準なので管理が必要だ」と診断した。

不安要因は大きくなるが、私たちの社会にセーフティネットがただしく準備されていないためだという分析も出てきた。パク・クニョン参与連帯協同事務局長は、「昔は村の共同体というものが作動して、助け合いながら生きることができたが、いまはそのような共同体が崩壊した」とし、「社会的に老人扶養、患者ケアサービスなどを担当する機能がまだ定着しておらず、個人や家族にすべての責任がかかって、極端な選択につながるのだろう」と残念がった。

社会文化的な視点から、最近の現象を分析する意見もあった。イ・ミョンジン教授は「わが国に強い家族主義が依然としてありながらも、家族解体が他の国よりも速いが、その症状が尊属殺人」だと分析した。イ教授は続けて、「わが国は家庭に危機が訪れると男が家を出て家族が解体されるが、南ヨーロッパでは、外に出ていた失業状態の中高年が家族に戻ってくる場合が多いが、これは家族が慰安を得る避難所であり、解決の糸口として機能するという点を物語っている」と説明した。
  • 毎日経済_チェ・ヒソク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-29 17:31:46




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