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メジャーリーガー黄載鈞の逆転人生ホームラン


29日(韓国時間)、米カリフォルニムン州サンフランシスコのAT&Tパークで行われたサンフランシスコ・ジャイムンンツとコロラド・ロッキーズの米国プロ野球メジャーリーグ(MLB)の試合。両チームが3対3で鋭く向き合った6回裏に登場した東洋人の打者は、コロラドの先発投手カイル・フリーランドのボールを迷わず受けた。 127メートルを飛んで左フェンスを越えたボールは、そのまま決勝本塁打になった。黄載鈞(ファン・ヂェギュン、30才、サンフランシスコ・ジャイムンンツ)が誰よりも華やかに大リーグにデビューした瞬間だった。

長い道のりをたどってきただけに、いっそう爽快な逆転ドラマだ。

2015年、KBOプロ野球シーズンを終えた黄載鈞はMLB挑戦を宣言したが、冷たい反応に俯かざるを得なかった。果敢にポスティング(プライベート競争入札)を行ったが、彼に応札したMLB球団は一つもなかった。ホームランを打った後に華やかにバットフリップ(バット投げ)をする彼の姿は米国でもしばらく話題になったが、実力までは認められなかった。姜正浩(カンヂョンホ、30才、ピッツバーグ・パイレーツ)や朴炳鎬(パク・ピョンホ、31才、ミネソタ・ツインズ)のようにKBOリーグを支配できなかった状態だったので、「なにがメジャーだ、気は確かか」という野球ファンの嘲笑にまで耐えなければならなかった。

しかし黄載鈞はあきらめなかった。まもなく迎えた2016シーズンには三振率を20.5%から11.8%にまで減らし、27本塁打・25盗塁記録を立てて「好打駿足」を示し、自由契約選手(FA)として受けることのできる巨額の年俸をものともせず、米国に飛んでショーケースまで行ったあげく、ようやくサンフランシスコ・ジャイムンンツのユニフォームを着ることができた。シーズンごとに打撃姿勢を修正して努力し、いつ進出するか分からないMLBのために英語の勉強までしておいた末に成し遂げた成果だった。

もちろん米国の舞台に進出したことで、黄載鈞の挑戦が終わったのではなかった。同僚たちの選ぶ「今年のスプリングキャンプ新人選手賞」を受けても、3ヶ月のあいだサクラメント・リバーキャッツ(サンフランシスコ・ジャイアンツ傘下のトリプルAチーム)でマイナーリーガーとして送らねばならなかった黄載鈞は、オプトアウト(契約を破棄してFA宣言)を控えてようやくレギュラー選手らの負傷に乗じてビッグリーグに参加することができた。

それほどきわどく得た機会だが、黄載鈞はその機会を素晴らしい結果に変えた。毎打席ごとに良くなる姿が目立った。 2回で迎えたデビュー初打席で3塁ゴロに退いた黄載鈞は、4回に再びゴロを打ったが、3塁走者が得点したおかげで初打点を挙げた。そして迎えた6回、この日の試合で最も素晴らしい場面が現出した。 2死走者のない状況で登場した黄載鈞は、自分のビッグリーグ初安打をすっきりとした決勝本塁打で飾った。

ながいあいだボールを見守った黄載鈞は、ようやくダイヤモンドを回った。 MLBの雰囲気に合わせて、バットフリップは自制したままだった。ふつうMLBでは、新人選手たちの初ホームランは知らふりをしておいて祝ってくれる習慣があるが、決勝本塁打だっただけに全ての選手が黄載鈞を祝ってくれた。不振だったサンフランシスコの今季初のスイープ(3連戦戦勝)をプレゼントした黄載鈞が、試合の最優秀選手(MVP)に選ばれたのは当然のことだった。歴代の韓国打者を調べてもデビューホームランは初であり、最小打数(3打数)本塁打記録も黄載鈞の分け前になった。

試合を終えた後、球団から自分のホームランボールをプレゼントされた黄載鈞は、「本当に一試合でもメジャーリーグでプレーしたくて、金と家族と経歴のすべてを捨てて米国に来た」とし、「今日はその試合だったが、決勝本塁打まで打って信じられず夢のようだ」と感激を隠せなかった。

MLBの公式ホームページMLBドットコムは、「黄載鈞はデビュー戦で本塁打を放ったサンフランシスコの歴代17番目の打者になった」と報道したし、地域メディアのマーキュリーニュースも「黄載鈞は野球でどのように衝撃を与えるか知っている選手」だと絶賛した。

いま黄載鈞はデビュー成果をそのまま継続する目標が残った。ブルース・ボウチー サンフランシスコ監督は「レギュラー三塁手のエドワルド・ヌニェスが怪我から戻ってくれば左翼手として出し、黄載鈞が先発3塁手でいくだろう」とチャンスを与えることを約束した。

一方、この日シーズン4勝に挑戦した柳 賢振(リュ・ヒョンヂン、30歳、LAドジャース)は、地元のライバルLAエンジェルスと行った試合で5と3分の2イニング2失点だけを許す好投を見せたが、チーム打線が振るわず勝利投手になるところに失敗したし、ドジャースも9回に決勝点を奪われて2対3で敗れた。
  • 毎日経済 イ・ヨンイク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-06-29 19:13:07




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