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病気になった遺伝子を切り取り、遺伝子ハサミ技術

臨床段階...疾病の治療・予防 

  • 病気になった遺伝子を切り取り、遺伝子ハサミ技術
子を遅く授かった会社員キム・ユヂョンさんは子供のDNAを分析した結果、後日癌に育ちうる突然変異DNAを発見した。この遺伝子をそのまま放っておけば、成人になった時に癌にかかる確率が70%に達すると分析された。キムさんはすぐに病院を探し、突然変異遺伝子を除去する施術を行った。この遺伝子は除去され、子供は癌にかかる確率が著しく低下した。

空想科学(SF)映画の中の話ではない。いまや数年後に迫った現実だ。進化を遂げている「遺伝子ハサミ」技術のおかげだ。

最近、国内の研究グループが第3世代の遺伝子ハサミ技術と呼ばれる「クリスパー技法」の欠点を解決する技術を開発し、話題になっている。学界では、目的の遺伝子を切って疾病の原因を遮断する、新たな疾病治療の時代を前倒ししたという評価が出ている。

遺伝子ハサミとは、生命体の特定DNAの塩基配列を切り取る技術をいう。特定のDNA配列に結合するように作られたタンパク質で、数十億のペアで構成された遺伝体の塩基配列の中から、希望する場所の塩基配列にくっつけてDNAを切り取ることができる。DNAを成している塩基のアデニン(A)・シトシン(C)・グアニン(G)・チミン(T)が配列されると、これは生命体を構成する様々なタンパク質に変化する。もし人間の病気を引き起こすウイルスと結合する蛋白質を、遺伝子ハサミを用いて除去することができれば、人間はウイルスを恐れていなくても良くなるだろう。

実際に2010年1月、ソウル大学のキム・ヂンス化学部教授の研究陣は遺伝子ハサミの技術を用いて、エイズウイルスと結合するタンパク質である「CCR5」遺伝子を除去することに成功した。

1990年代末から研究成果が出始めた遺伝子ハサミは、遺伝子を切ったりくっつけることに活用された既存の「遺伝子組換え技術」の欠点だった精度と成功率を高め、学界で注目を集め始めた。

遺伝子ハサミの技術は、わずか10余年めに1~3世代を経て進化してきた。漢陽大学バイオテクノロジー専門大学院のキム・ヒョンボム教授は、「第3世代の技術であるクリスパー技法は、特定の塩基配列を探していくバクテリアRNAを利用した技術」とし、「1・2世代の技術よりも簡便で安価なので、関連研究も爆発的に進行している」と説明した。

わが国は第3世代の遺伝子ハサミの技術を米国と同時に開発して発表し、関連分野を率いる主要な研究先進国に属する。最近、キム・ヂンス教授とキム・ヒョンボム教授は第3世代技術の欠点を解決した論文二編を、「ゲノムリサーチ」1日付けに同時に発表した。遺伝子ハサミは、遺伝子を矯正するために使用できるが、ヒト細胞内に伝達するためのプラスミド(DNAフラグメント)を用いて細胞に伝えてきた。しかし、プラスミド自体が細胞の遺伝体に挿入され、望まない突然変異を生成する問題があった。

研究陣はプラスミドを使用せず、タンパク質とRNAの形態になった遺伝子ハサミを作成し、安全に細胞膜を浸透して入ることができる技術を開発した。

キム・ヂンス教授は、「もしRNA遺伝子ハサミが意図しないDNA塩基配列を切ることになると、細胞毒性を引き起こしたり、望まない染色体変化を引き起こす可能性がある」とし、「RNA遺伝子ハサミの正確性は、遺伝性疾患の治療のための重要な課題」だと語った。

遺伝子ハサミの技術は現在、臨床適用のための秒読み段階に入った。キム・ヒョンボム教授は、「遺伝子ハサミの伝達を安全かつ容易にすることで、今後1~2年以内に臨床応用が可能だろうと考えている」とし、「遺伝子ハサミを用いた遺伝子治療剤の開発、植物の遺伝子組換えなどに活用できる基盤が用意された」と付け加えた。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-06-02 17:03:15