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LGイノテック、希土類を使わない「希土類フリーDCTモーター」開発

世界中のDCT用モーターの需要は2016年には1440万台に 

2年前、中国で希土類の輸出規制政策を行ったことから希土類の価格が上がり、車両用のデュアルクラッチトランスミッション(DCT)のモーター価格が3倍ほどにも上がったことがあった。さらには希土類の供給が減り、自動車用部品の生産が遅れるケースもあった。

しかし今後はこのような価格・供給不安を減らすことができるようになった。LGイノテックが希土類を使わないDCTモータを開発したからだ。

DCTモータは、デュアルクラッチ・オートマチックトランスミッションが車両の走行状況に応じて迅速かつスムーズにギアを変更できるように、2つのクラッチをすばやく正確に動かす重要な駆動部品だ。既存の自動変速機に比べて10%以上燃費を低減できるため、ドイツのフォルクスワーゲンなど、欧州の自動車業界で多く使われている。

このモーターに磁性物質のネオジムやジスプロシウムなどの希土類が使用されるが、問題はこの鉱物の供給が安定しないということだ。これらの希土類は埋蔵量が少なく、中国が世界の供給量の90%以上を占め、資源武器化の憂慮が大きい。2008年、中国の輸出制限措置で希土類の価格が7倍以上に急騰したことがある。このため、業界では希土類の代わりになる素材を開発するための研究が活発に行われたが、性能の低下や製品サイズ・重量増加で困難を経験してきた。

LGイノテックは今回、独自のモータ構造の設計技術をもとに、希土類を使用しなくても要求される性能を満たしつつ、サイズの変更なしに重量は4%減らした「希土類フリーDCTモーター」を開発することに成功した。

開発だけで2年以上所要した。現在、13件の関連技術に対する国内外の特許出願がなされた状態だ。LGイノテックは、来年初めにメキシコ工場で製品を量産する計画だと明らかにした。

グローバル市場調査会社のIHSオートモーティブによると、DCTは毎年20%以上成長すると予想される。特にDCT1基に2つの駆動モータが装着されることを勘案すれば、世界中のDCT用モーターの需要は2016年には1440万台に達する。
  • 毎日経済_ハン・エギョン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-08-28 17:23:04




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