Q.韓国囲碁界レジェントたちの逸話を教えてください。:曺薫鉉と徐奉洙編

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A. 曺薫鉉(チョ・フンヒョン)のエピソードを書いていたら、弟子の李昌鎬(イ・チャンホ)とひとつの家で暮らしていた時代の話が思い浮かびます。

中国では、石仏と呼ばれた李昌鎬に連戦連敗したせいで囲碁ファンの抗議が殺到したところ、中国棋院がこう答えたそうです。

「李昌鎬が韓国で生まれたんだ。どうしろというのか!?」

そんな李昌鎬は、分家するまで師匠の家で暮らしながら、師匠ととタイトル戦を行うことが日常茶飯事でした。曺薫鉉の夫人であるチョン・ミファさんは、夫と息子のような李昌鎬を一緒に車に乗せて対局場に連れて行き、夜にはタイトルを奪われた夫とタイトルを獲得した弟子を一緒に乗せて家に帰ってくることが多かったそうです。

夜遅くに、李昌鎬の部屋から囲碁を打つ音が聞こえると、チョン・ミファさんはどきっとしたそうです。「夫を負かそうと勉強しているのだろうか」こんな考えも頭をよぎったことでしょう。

当時、新聞の風刺画には、曺薫鉉の家の2階に虎が寝ていて、曺薫鉉がそれを複雑で息苦しい表情で見る姿が掲載されたりもしました。

  • 1970~80年代、韓国の囲碁を支配した曺薫鉉(左)と徐奉洙の対局シーン(資料 - 韓国棋院)

弟子にトップの座を譲る前まで、曺薫鉉は韓国囲碁の歴史を新たに書いた人でした。

1989年に台湾の財閥応昌期が主催した世界最高の囲碁大会である応氏杯の囲碁大会で優勝、20世紀の最後に韓国政府が主導したカーパレードを行った人物でもあります。

曺薫鉉は軽い石の形を基盤にしてツバメという異名を持つのですが、囲碁を打つ間「負けた、台無しだ、全部死んだ」など、独り言をつぶやく癖があまりにもひどく、対局の相手をイラつかせます。さらに、つぶやく言葉は韓国語でもなく、韓国語と日本語を混ぜたもので、日本の依田紀基が大きな赤い耳あてをして現れたりもしました。

80年代に韓国の囲碁界を平定した曺薫鉉の大げさな態度はとても有名で、彼が「負けたね、負けた」とつぶやくと、相手は「私が負けたってことなんだな」と思ったりするそうです。これに反感を持つ棋士もたまにいましたが、あまりにも独歩的な第一人者なものだからはっきりと言える人もいなかったそうです。

70~80年代に曺薫鉉の天下で唯一迎え撃った一人は、独学の徐奉洙です。家が貧しかった徐奉洙は賭け碁を生計の手段としながら、その道を介して実力も伸ばしたのですが、「野戦司令官」というニックネームが本当に似合う人です。

曺薫鉉が9歳7カ月という最年少の入団記録を持っているなら、徐奉洙は入団してから1年8カ月にしてタイトルを持つことになった記録の所有者です。2人の記録はまだ破られていない状態です。

韓国の囲碁史で70~80年代を曺徐時代と呼ぶのですが、実際には、2対1程度、格段に曺薫鉉がリードしていました。ただし徐奉洙を除けば、残りの棋士の中で曺薫鉉の対抗相手がいなかったことから、曺徐時代という名称がついたと見ることができます。

とにかく、ほとんどの対戦で徐奉洙が挑戦者に決定されたせいで、不本意ながら徐奉洙は韓国初の1000勝を達成した記録を保有することになりました。当時、囲碁大会は挑戦者を決定した後に、タイトルを持つ人と勝負していたので、タイトルを持つ曺薫鉉は多くの対局をこなす必要がなかったでんです。

徐奉洙の囲碁は凄絶で厳しいことで有名です。絶望的な状況でも、最後のチャンスを逃さずに堪える力はすごいです。1980年7月、彼の象徴とも言えた名人位を曺薫鉉に奪われた後、再び挑戦者として現れた徐奉洙は、世界の囲碁史にて空前絶後のマネ碁を打ち始めます。

マネ碁は日本の 藤沢朋斎が創案したと言われていますが、プロ大会で、しかも七番棋で行われた決勝対局でマネ碁を打った棋士は、徐奉洙が唯一です。とにかく徐奉洙はマネ碁で何百回も勝利を記録し、4対3で王位を獲得します。

田舎者を連想させる徐奉洙は、外見と同じくらい行動や言葉にも格式がありません。高校時代に台湾で東洋3国高校生大会が開かれた時に、大会に参加した3カ国の学生がバス一台を借りての団体観光に行きました。バスの中で、一人ずつ歌を歌うことになったのですが、徐奉洙の順番になると「私は歌えない」と断ったのですが、最終的にマイクを握って「味を見て味を知るX印醤油~」と当時流行していたCMソングを歌ってから席に戻ったそうです。

席に戻ってきた徐奉洙に団長が「歌でもないのに」と叱ると、徐奉洙は顔色一つ変えずに「どうせあの人たちは聞き取れないじゃないですか」と言ったそうです。

このような面は、インタビューにも現れていて「囲碁は何だと思いますか?」という質問を受けると、「私にとっては人生そのもの」などの意味深い答えを待っていた記者に「盤に石を置くゲーム」と話したそうです。
  • Lim, Chul
  • 入力 2016-02-04 00:00:00

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