Q.韓国では専門職についている人も税金をきちんと払っていますか？
| A. | 韓国に歯医者さんの知り合いがいなくても、韓国でインプラントの手術を安く受ける方法があります。 簡単です。 現金で支払えばいいのです。歯医者に行って相談を受けて見積もりを出してもらった後に「現金で出せば、どれくらい安くなりますか」と尋ねればいいのです。もし割引してくれないなら、他の所に行くまでです。ソウルに溢れているのが歯医者ですし、インプラント手術が特に大それた技術を必要とするわけでもありません。 10％は普通で、15％まで割り引きしてくるところもあるでしょう。現金で支払う患者に割引を提供する理由はひとつです。収入を隠すことができるからです。税務当局はもちろん、家族にも内緒で「自分の金庫」に貯めることができるからです。 歯医者だけでしょうか。整形外科はさらにひどいものです。整形手術をしていない人を見つけることが難しいほどですが、堂々と手術を受けたと告白する人が多くないことから、整形外科医と患者の間で黙契が成立する場合、病院は所得を隠すことができ、患者は整形手術を受けた痕跡を消すことができます。 噂では外国人の患者を紹介するエージェントがお金を受け取り、別途他人名義の通帳に入金してあげる場合もあるそうですが、まだ捜査当局が発表した事例はありません。 整形外科と歯医者で現金取引が優遇され、脱税が頻発する理由は、医療保険が適用されないからです。医療保険が適用される場合には、医療機関が過剰診療しているかまで確認するため、抜け穴があまりありません。 現金取引が威力を発揮するのは病院だけではありません。まれに、デパートでも通じます。デパートの売場はテナント料を出して商売しているところと、売上の一定部分を手数料として出して営業する店に分かれるのですが、まれに現金割引が通じる手数料店があるそうです。 顧客は商品を安く買い、店主は税金はもちろん、デパートに払う手数料まで節約することができます。 整形外科や歯医者、デパートは原材料をどこから買って来るのでしょうか。インプラントに入る各種歯科補助材や整形に必要な材料、店頭で売ってるものを卸す場所まで関わることになりますから、脱税は鎖のようにつながります。脱税ではない場合は横領、窃盗、背任などの他の罪とつながるでしょう。 もちろん、時には税務当局に摘発されることもあります。去る2012年、ある歯科医師が患者から現金で受け取った手術費を従業員名義の通帳に入れておく方法で所得と隠していたのですが、税務調査で発覚し、なんと追徴金を20億ウォンも払うことになりました。どうしてばれたのでしょうか。名前を貸してあげていた従業員が申告したからです。 通帳に入っているお金が少ないときは、ただ利便性を提供して、雇用が保障されていることに満足していましたが、通帳のお金が多くなると、欲が出たのです。 おそらく名義を貸した見返りを要求してイザコザに発展し、そうするうちに従業員が申告して歯医者は税務調査を受け、従業員は申告褒賞金を受けとった、とこのような流れだったことでしょう。脱税犯を告発すれば最高30億ウォンまで褒賞金を受け取ることができます。 褒賞金は支給基準が国税庁訓令に記載されていますが、脱税額が20億ウォンを超える場合には報奨金が8000万ウォン+ 20億ウォンを超過する金額の2％です。 医師や弁護士、会計士、税理士などの高所得専門職種の脱税は、昨日今日の話ではありません。彼らが稼いだ分だけ税金をきちんと払っていると信じている韓国人はほとんどいません。昨年9月にある国会議員が国税庁から受け取ったデータを公開しましたが、脱税の疑いで税務調査を受けた高所得自営業者270人の隠された所得が平均して10億ウォンほどにもなったそうです。 高所得自営業者の所得摘出率は減少する兆しを見せていません。所得摘出率とは、全体の収入に占める「隠された所得」の割合のことです。（1000万ウォンを稼い670万ウォンだけを申告して、330万ウォンは隠した場合、所得摘出率は33％） 2010年に28.1％だった所得摘出率は、2013年に32.8％、2014年には32.9％と、30％以上を維持しています。昨年、医師、弁護士らが現金で支払った人に領収書を発行せずに過怠料をだしたケースも4903件と、2010年に比べて13倍も増えました。 現金領収書を発行してもらえなかったと申告した人に与えられる報奨金のために申告した人が増えたせいもあるでしょうが、医師、弁護士はまだ脱税の誘惑から抜け出せずにいるという証拠にもなります。 所得摘出率の調査は税務調査を受けた人を対象とした統計です。医師、弁護士などのすべてを対象に税務調査を実施したことがないので、それよりも良心的な医療関係者や弁護士は多いことでしょう。税務調査を受けていない専門家が税金をきちんと出す、尊敬される指導層であることを望むばかりです。 |
- Lim, Chul
- 入力 2016-03-23 00:00:00
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