A. | カラスを捕まえてお金を稼ぐことはできました。しかし、捕まえた後に売る場所を見つけるのは大変だったことでしょう。噂は広まりましたが一般人は簡単に売ることはできませんでした。 かつて、1988年のソウル五輪を控えカラスが不吉だからと報奨金まで出して捕まえようと大騒ぎになったという不確かな噂が飛び交ったことがあります。もちろんデマです。最近ではまれに国立墓地や北漢山の近くのアパートでもカラスが目撃されていますが、10年余り前まではソウルでは目を皿のようにしてみても、カラスを見かけることはできませんでした。 報奨金をもらおうとカラスを捕まえることより、ゴミを拾うことのほうがはるかに所得が高かったのでしょう。オリンピックを前後してお金を稼ぐためにカラスを捕まえていた人びともいるにはいました。このカラス狩りの話が誤って伝わったのではないでしょうか。よく考えてみたら、カラス狩りの話は他の国の人にはあまり教えたくないものです。 ソウル五輪が開催される頃には韓国人のポケットも分厚くなり、大学街で「独裁政権打倒」というスローガンも消え、退廃と享楽の波がうねっていました。韓国の男性の病弊の一つに、精力がつくと聞けば犬、ヘビ、スッポン、モグラ、カエルはもちろん、ネズミやミミズまで食べることです。 1990年を前後して、カラスが非常に強力な精力剤として浮上しました。 精力剤に固執する男たちに売るために当時としてはカラスが比較的多かった江原道の山間地方にハンターが集まったと聞きます。大都市から遠征に来たハンターは、山をさ迷ってゴミの山をあさって残飯を探しているカラスを発見したそうです。棚ぼたに出会ったハンターは、空気銃を乱射しました。おかげで、江原道の山間地方でもカラスが姿を消したそうです。 カラスが捕れなくなるとハンターは、住民が捕まえたカラスを1羽当たり5万ウォンで買って精力剤を好むお金持ちに10万~20万ウォンで売ったといわれています。カラス狩りが難しくなると品薄状態のためか、 90年代末には1羽30万ウォンまで値が上がったといいます。 2000年代以降は、精力剤としてカラスを探す人が少なくなりましたが、カラスを捕ることが難しくなったためなのか、カラスの効能が思ったより振るわなかったからなのか、バイアグラなどの勃起不全治療剤が溢れ出てきたせいか、その理由は明確ではありません。バイアグラのおかげであれば、バイアグラがカラスを生かしたわけですね。 カラスの肉が本当に精力増強に良いのかについては、また別の話です。答えを知りたい場合は、次回掲載予定の「カラスの肉を食べると頭が悪くなるという話は、本当ですか? 」を参照してください。 |