Q.韓国のカトリック信者の数はどれくらいいますか？影響力は大きいですか？ローマ法王（教皇）が韓国を訪問するというので気になりました。
| A. | 2005年に実施した総人口調査で示されたカトリック信者は514万6147人。ここにプロテスタントを信じる人861万人を合わせると、全キリスト教信者は仏教の信者1072万人よりも多くなります。プロテスタントは長老派、メソジストなど数多くの宗派がありますのでキリスト教の中の宗派でいうとカトリックが最も多い信者を抱えていると見ることもできます。 法王庁が発表した2012年末現在、韓国で洗礼を受けたカトリック信者は531万人で、緩やかな増加傾向を見せています。全世界で47番目、アジアで5番目に多い数字です。 韓国のカトリックは、カトリックの世界でもいくつかのまれな歴史を持っています。西洋の宣教師ではなく、韓国人自らが学問として学び信仰を持つようになったという事実です。 もう少し歴史的に見ると、壬辰の乱の時に朝鮮人の捕虜がカトリックに帰依した記録があります。当時、武将だった小西行長が篤いカトリック教徒でした。 18世紀後半にマテオ・リッチが書いた天主実義に触れた実学者が集まり、西洋学問的に研究しました。この研究会を明礼坊共同体と呼ぶのですが、訳官キム・ボムオが自分の家を集まり場所として提供しました。カトリック教会が、この家の跡地を買い取り立てた建物が現在の明洞聖堂です。 カトリックの歴史の中でほぼ唯一、宣教師ではなく自らカトリックを受け入れたという事実に誇りを持っています。 カトリック信者数は三番目ですが、韓国社会に及ぼす影響をみると、最も大きいと見ることができます。軍事独裁時代の1971年に故キム・スファン枢機卿がミサ説教の途中で朴正煕政権の長期政権を正面から批判しており、多くの神父が苦しい獄中生活を経験しました。 1987年、6・10民主抗争が絶頂に駆け上がりデモを主導していた学生と労働者が避難していた明洞聖堂に公権力が投入されようとしたところ、キム・スファン枢機卿は「大聖堂に警察が入ってきたら、一番前に私がいるだろう、その後に神父たち、修道女がいるだろう。私たちをみな倒した後にはじめて学生たちがいるだろう」と一喝しました。 社会全体が軍事政権下で息を殺していた頃、勇気のある司祭たちが民主化闘争の前面に出たのは、プロテスタントや仏教と対比される点です。 それだけでなく、カトリックは自主的に聖職者と修道者たちが税金を納める宗教です。最近、聖職者の税金について問題視されているだけに、神父たちに好意的な目がいくのは当然のことです。 このほか、教義の問題や他の宗教に対する姿勢もカトリックはプロテスタントよりもはるかに寛大な方です。一般的なカトリックは保守的であるといいう先入観とは反対です。一例を挙げると、ダン・ブラウンの小説「ダ・ヴィンチ・コード」が映画化され上映された時、プロテスタント側はかなりの反発を見せましたが、カトリックではフィクションと規定するだけであまり気を使わなかったといいます。 光州の某高校では、哲学の科目を修道会所属の修道士が講義しているのですが、プロテスタントはもちろん、イスラム教、仏教、儒教についてもバランスの取れた内容を含んでいるといいます。このほか、祭事（韓国での法事に当たる）や飲酒・舞踊、大衆文化、さらに進化論などの科学的な問題にもプロテスタントに比べてはるか寛大な方です。 このような理由から、カトリックは韓国社会で最も信頼される宗教の一つとなっています。キリスト教倫理実践運動が昨年調査した信頼度調査で、カトリックが回答者29.2％の選択を受けて仏教（28％）、キリスト教（21.3％）を上回っています。 ☞ 宗教の中では信者の管理が非常に明確な方だ。国勢調査で集計された信者の数が宗団が独自に調査して発表する信者数よりも多い唯一の宗教だ。 |
- Lim, Chul
- 入力 2014-07-23 10:00:00
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