Q.韓国にはなぜ地域別の伝統のお酒がないんですか?日本のせいなの?

답변게시판
A.
韓国のお酒は、韓国人と同じくらい悲しい歴史を持っています。ディオニューソスの分身はずいぶん昔に朝鮮半島にも生まれていました。高句麗と新羅の酒は、東アジア全域に名声を上げ、百済は日本列島に酒造りの法を伝授したそうです。

日本の人がどう受け止めるかわからないですが、「さけ」という言葉自体が「サクヒダ」という韓国語に由来しているといいます。サクヒダ→サガ→サカ→サケに変わったという説明ですね。

朝鮮時代には、360種以上のお酒があったと伝えられています。昔から韓国では家庭で酒を造って飲み、祭酒として使っていたのですが、地方や家によってさまざまな方法と技術を発揮した家釀酒がありました。士大夫と富裕層などの名家には、必ず美味しいお酒があって、「名家銘酒」ともいう言葉もありました。権力者の家には客が出入りするもので、良い酒を催すことが礼とされており、それぞれ美酒を造っていたのです。

このような家醸酒文化は、悲しいことに日帝の朝鮮半島強占期と軍事独裁時代を経て、ほぼ全滅してしまいました。現在は韓国の伝統酒がかろうじて命脈を維持している状態です。

朝鮮時代にも禁酒令がなかったわけではありません。お酒は米で作るものなので、凶作の年には食べ物がなくなり、飢えて死ぬ人が増えてしまうのに、酒を楽しんで飲むわけにはいきません。国が酒造りを禁じました。朝鮮の歴史を見ると、禁酒令が頻繁に下ったことを知ることができます。しかし、あくまでも一時的な措置でした。

しかし、朝鮮総督府が許可した人だけがお酒を造れるようにし、軍事政権が政権を握った1960年代以降には米で酒を作ることを根本的に禁止してしまいました。庶民が飲む代表的な濁酒であるマッコリは、当時、小麦粉をこねて造ったのですが、味も味ですがマッコリメーカー(製造業者)が安く作るためにカーバイドまで混合したせいで「カーバイト酒」と呼ばれることすらありました。このような理由から、希釈式の燒酒が韓国酒の主流になってしまいました。希釈焼酎は95%のアルコール(酒精)を水で割って作っているので低価格です。「チャミスル」や「チョウムチョロム」が、世界で最も売れているお酒として名前を轟かせた背景には、このような貧困の歴史が隠れています。

韓国の伝統酒が再び姿を現したのは20年前ほどです。朴正煕政権時代には、国を代表する伝統酒が一つもないということが問題として登場し「クムボクジュ(金福酒)」という会社で作る「慶州法酒」がやっと認可を受けました。しかし、慶州法酒を作る方法を伝授してくれた慶州の家ではまだお酒を造ることができませんでした。

以来、1988年のソウルソウルオリンピックの時に伝統酒の必要性が浮き彫りになり、密造酒の形で続けてきた地酒のうち8つを選んで販売を許可しました。いわゆる「国家指定8大民俗酒」というものです。販売をしない場合に限ってお酒を作ることが可能になったのは、1995年です。以降の追加指定作業を経て、現在は37種の民族酒が認定を受けています。

家で代々伝えられてきた酒造りの方法が、長い年月止まっていたのですから、方法はおろか当時の味を知ることも難しいものです。伝統酒を仕込む人が無形文化財で指定されるほどであることからも、伝統酒がかろうじて命脈をつないでいることを知ることができます。

韓国の伝統酒は濾す方法に応じて、濁酒と醸酒、焼酎に分類されます。濁酒の代表的なお酒はマッコリでしょう。日本でもブームになったマッコリは「ざっと、濾した(マッ、コルロッタ)」という意味を持っています。

淸酒は、発酵が終わった酒母のかすをこし抽出した透明なお酒です。日本酒との作成方法の基本的な違いはないですが、発酵させる酵母に根本的な違いがあります。日本は米に麹菌を培養しますが、韓国の清酒は全粒で造り、麹菌だけでなく、いろいろな発酵菌が混在しています。なので、お酒を完璧に造ることは難しいですが、しっかりと造れば、それだけ味と香りが豊かになります。

現在の店舗や居酒屋で売っている韓国産清酒としてはクッスン堂の「イェダム」と「チュダム」、「ペクセジュ(百歳酒)」、クムボクジュの「チョンス」、「慶州法酒」、「ファラン(花郎)」テギョンT&Gの「千年の約束」、ロッテの「チョンハ」、「ペックヮスボク」、「クッヒャン」、「ソルファ」などがあります。このうちの相当数が韓国の伝統的な酵母を使用せずに日本式の酵母を使うため日本酒と似ています。伝統酵母でのみ発酵させた酒は「ペクセジュ」と「ファラン」と「チュダム」程度です。

米で作った酒母を蒸留して作る伝統的な燒酒は、さらに貴重です。焼酎は高麗時代にモンゴルを経て伝わったといいます。高麗がモンゴル帝国の直轄領になり、モンゴル軍が駐留していた地域で発展しました。当時モンゴル軍司令部があった開城ではムンベ酒、兵站基地であった​​安東には安東焼酎、前哨基地があった珍島と済州にはそれぞれ「ホンジュ(紅酒)」と「コソリ焼酎」へと発展しました。このうちムンベ酒は2000年の南北首脳会談の晩餐に使われ、有名になりました。

現在、韓国で市販されている蒸留式焼酎は真露の「イルプムジンロ(一品眞露)」と安東焼酎の「イルプム(一品)」、広州窯「ファヨ(火尭)」、ロッテ七星「チョンニンジオ」、「ムンベ酒」、「クムボクジュ」、「イガンジュ(梨薑酒)」などがあります。

蒸留式焼酎は非常に貴重なお酒です。米1㎏でマッコリ6リットル、清酒3リットルが出てくるのに対し、焼酎はわずか1リットルしか取ることができません。文人である崔南善は、「朝鮮常識問答」という本で、平壌の「カムホンロ(甘紅露)」、全州の「イガンコ(梨薑膏)」、井邑の「チュクリョクゴ(竹瀝膏)」を朝鮮の3大銘酒として挙げています。竹の香りが染み込んでいる竹瀝膏はあまりに手間がかかるため造る方法を教えてあげてもお酒造りが困難です。

韓国で最も古い酒とされている韓山素穀酒は百済の流民たちが国を失った悲しみを忘れるために飲んだという意味で「百済の涙」という別名があります。味と香りが優れており、一度飲んだら席を離れることができない知られており、別名「下半身麻痺酒」と呼ばれます。先祖の製造秘法を伝授された方が死去した後、お嫁さんが代を継いでお酒を醸しているそうです。
  • Lim, Chul/写真=毎日経済
  • 入力 2014-09-19 13:15:00

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