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サムスン電子「次世代マイクロ発光ダイオード」テレビ公開


  • サムスン電子「次世代マイクロ発光ダイオード」テレビ公開

  • ソウル市江南区のCOEXで10日に開かれた「2020韓国電子展(KES)」で、サムスン電子のブースに展示された「マイクロLEDテレビ」を観覧客が見ている。 [イ・スンファン記者]


サムスン電子は次世代マイクロ発光ダイオード(LED)ディスプレイテレビを10日に初公開し、来年に出荷すると発表した。マイクロLEDテレビは、サムスン電子が量子ドット自発光ダイオード(QD-OLED・QLED)とともに「二大未来テレビ」として集中的に育成している。有機発光ダイオード(OLED)と液晶表示装置(LCD)テレビの代替としてあげられ、長寿命と高解像度そしてありのままに近い色再現性などが長所だ。ただし、まだ生産単価があまりにも高いことが難だ。

サムスン電子はこの日、110インチの4000ピクセル(4K)級超高解像度(UHD)マイクロLEDテレビの新製品をマスコミに公開した。コロナ19事態であることから、公開イベントは双方向ビデオ会議のソリューションである「ウェビナー(Webinar)」方式で行われた。 110インチのマイクロLEDテレビの出庫価格は1億7000万ウォンだ。今月中に国内での予約販売を行って、来年の第1四半期に本格的に出荷する予定だ。

サムスン電子のハン・ジョンヒ消費者家電(CE)部門映像ディスプレイ(VD)事業部長(社長)は、「現存する最高のディスプレイ技術が集約されたマイクロLEDテレビを披露することになってうれしい」とし、「マイクロLEDテレビは従来のテレビとは次元の異なる、革新的な技術を抱みこんだ新しいディスプレイのスタートになるだろう」と述べた。

マイクロLEDはマイクロメートル(㎛/1㎛は100万分の1メートル)単位の超小型LEDチップ(素子)を回路基板にぎっしり埋め込んだディスプレイだ。単純に見るならば野球場で見る電光掲示板と同様の構造だ。マイクロLEDテレビは縦横の長さがそれぞれ100マイクロメートル以下の自発光チップを回路基板に配列する。自ら光と色を出すことから、LCDテレビのように光を放つ背面光(バックライト)は必要ない。 OLEDテレビに使用される偏向層も使わず、理論上はより薄い。 OLEDテレビは赤・緑・青(RGB)色を再現するために有機成分を活用する。一方、マイクロLEDテレビは800万個の無機質RGB素子を使う。無機質素材は有機素材よりも安定しており、寿命は10万時間に達し、画質劣化や画像残像が残る「バーンイン(Burn-in)」現象も心配する必要はないと、業界の専門家らは見ている。

サムスン電子のヨン・ソグVD事業部専務は、「サムスン電子製LEDテレビはどんなディスプレイも真似出来ない、次元の異なる明るさとコントラストを誇る。実際と同じレベルの鮮やかな色表現が可能だ」と強調した。

テレビの画質を決定するコントラスト比は、マイクロLEDとOLEDの双方ともに無限大だ。現存するLCDテレビとは差別化された画質の実現が期待される。また、マイクロLEDテレビは同じ明るさを出すために、OLEDテレビよりも理論上のエネルギー消費は半分に過ぎないことが知られている。

マイクロLEDディスプレイはサムスン電子だけでなく、LG電子と米アップルや日ソニーも次世代ディスプレイとして研究開発(R&D)している。ソニーが最初に商業化に成功し、現在は素子の長さが30マイクロメートルに過ぎない「クレディ」ディスプレイを製作し、デジタル看板をはじめとする商業ディスプレイ市場に進出したが、まだテレビは出荷していない。サムスン電子は2018年に初めてマイクロLEDを採用した商用ディスプレイ「The Wall」を世界市場に投入したことに続き、マイクロLEDテレビの商用化も最初に成功したわけだ。

サムスン電子はマイクロLEDテレビで「テレビ超格差」に始動をいま一度かけたが、しかし課題はまだある。 LED素子を回路基板に載せて組み立てる時間と費用は小さくない。商業用マイクロLEDディスプレイの組み立ては一ヶ月かかるという話が業界で出回り、同じサイズのOLEDテレビと比較して3~4倍のコストがかかるという指摘もある。これに対してサムスン電子のチェ・ヨンフンVD事業部開発チーム長(副社長)は、「今は顧客にどれだけの価値を与えるかが重要だ」とし、「より多くのプレイヤーが参入して市場の生態系が形成されると、価格は劇的に低下するだろう」と語った。
  • 毎日経済_イ・ジョンヒョク記者/パク・チェヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-12-11 07:04:58




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