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サムスン、60代役職が大挙勇退…「60歳ルール」を適用


サムスン物産とサムスン重工業、サムスンバイオロジクスなど、サムスンの非電子系列会社がいっせいに社長団人事を断行した。 60歳以上の最高経営責任者(CEO)らが大挙勇退し、その席に専門知識を持つ50代の人材を配置するなど、世代交代を通じた競争力強化に焦点を当てた人事として評価される。

サムスングループの持株会社格であるサムスン物産は8日、オ・セチョル建設部門副社長(58)を代表取締役社長に、ハン・スンファン サムスン人力開発院副社長(56)をリゾート部門の代表取締役社長兼サムスンウェルストーリー代表取締役に昇進内定する2021年定期社長団人事を発表した。オ・セチョル新任社長はソウル大学建築工学科を卒業したエンジニア出身CEOだ。マレーシア、シンガポール、ドバイなどの世界的な建設現場と、建築・土木・プラント・住宅などの各分野の現場を幅広く経験した「現場の専門家」としてあげられる。

ハン・スンファン新任社長はサムスン戦略企画室の人事支援チーム常務補やサムスンSDS人事チーム長(専務)などを経て、2015年12月からは人材開発院副社長を務めている。ハン社長は人事関連の主要な補職を歴任しただけに人材育成と管理ノウハウで、サービス業であるリゾート部門の成長を率いる適任者だとサムスン物産は説明した。

3人の代表取締役体制のサムスン物産は、この日の人事を通じて商社部門長であるコ・ジョンソク社長を除く代表取締役2名を入れ替えた。建設部門長であるイ・ヨンホ代表取締役社長とリゾート部門長であるチョン・グミョン代表取締役副社長は、来年3月末の任期を終えた後に勇退する。これらの世代交代と後任育成のための人的刷新が必要な時期だと判断し、各部門の発展に寄与できる適任者を会社に推薦したと伝えられた。

先だってサムスン物産ファッション部門のパク・チョルギュ部門長(副社長)が6日に勇退の意思を明らかにし、サムスン物産は部門長4人のうち3人が今回の人事で交代することになる。パク部門長の後継者は10日に予定された役員人事で任命されるものと予想される。

サムスン重工業はこの3年間、サムスン重工業を率いたナム・ジュヌ社長の後任にチョン・ジンテク副社長(59)を代表取締役社長に昇進内定した。チョン・ジンテク新任社長は1984年にサムスン重工業の設計部に入社した後、営業チーム長とリスク管理チーム長や技術開発本部長を経て、造船所長を務めてきた。チョン新任社長は設計・営業・製造・経営支援の分野で幅広い知識と経験を積んできたという評価を受けている。特に造船業況の危機が最高潮に達した2014年にリスク管理チーム長を引き受けて、経営構造の改善作業を陣頭指揮しただけに、サムスン重工業の黒字転換を早めることができるだろうという期待を受けている。

サムスンバイオロジクスはグローバルバイオ製薬の専門家であるチョン・リム副社長(59)を代表取締役社長に内定した。会社が設立された2011年4月からサムスンバイオロジックスを導いてきたキム・テハン社長は経営の一線から退く。同氏は世代交代と後任育成のために代表取締役から退くという。

チョン・リム新任社長は米スタンフォード大学の化学工学修士とノースウェスタン大のMBA出身で、米ロシュと米ジェネンテックなどのグローバル製薬会社で生産・販売・開発総括と最高財務責任者(CFO)などを歴任したグローバルなバイオ製薬の専門家だ。 2018年9月にサムスンバイオロジクスに合流し、現在は第3工場に関連する業務を総括している。

この日に断行されたサムスンの非電子系列会社の社長団人事で最も目立つ点は果敢な世代交代だ。 60歳以上の社長退陣原則である「60歳ルール」を適用して、60歳以上のCEOを大挙交換した。

サムスン物産の場合、勇退したイ・ヨンホ社長とパク・チョルギュ副社長は。それぞれ1959年生まれの61歳と1960年生まれの60歳だ。チョン・グミョン副社長の場合は1962年生まれで58歳だが、2018年1月初めに断行された社長団人事でイ・ヨンホ社長と一緒に代表取締役に任命されてCEOの役割を果たしてきた。ある財界の関係者は、「チョン副社長はこの3年間、ウェルストーリーとリゾート部門の代表取締役を兼任する職務副社長を務めてきた」とし、「コロナ19の影響でリゾート部門の業績が急激に悪化し、組織の雰囲気刷新のために勇退を決めたのだろう」と語った。

3年の任期を終えて去るサムスン重工業のナム・ジュヌ社長と10年近くCEOを務めてきたキム・テハン社長もまた、それぞれ62歳と63歳だ。

当初再任が予想された現職CEOを果敢に交換した点も目を引く。

ある財界関係者は、「コロナ19の拡散と米国の政権交代などで経営環境の不確実性が大きいだけに、会社の変化と発展のためにリーダーシップの交換が急がれるという判断があったのだろう」とし、「大きな枠組みで見ると、サムスン電子が副社長以下の役員を大幅に交換しつつ世代交代に乗り出して、サムスンディスプレイやサムスンSDSなどの電子系列会社が代表取締役を交換しつつ態勢転換に乗り出したことと同じ脈絡で、非電子系列会社の社長団人事が断行されたものと見ることができる」と語った。
  • 毎日経済_ノ・ヒョン記者/パク・ユンギュン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2020-12-08 19:53:57




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