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米テスラ、サムスンとTSMCに「前払い攻勢」…半導体確保で


米国の電気自動車メーカーTesla(テスラ)社は、不足している車両用半導体を確保するために前金を支払って半導体を買い入れる案を韓国・台湾・米国の半導体メーカーと議論中であることが分かった。

26日(現地時間)、米フィナンシャル・タイムズ(FT)は関係者を引用して、テスラが異例の車両用半導体を前金購入する方案を半導体各企業と協議しており、長期的には半導体製造工場を買い入れることも検討中だと伝えた。特にテスラは自律走行技術である「オートパイロット」に必要な半導体を供給している韓国サムスン電子および台湾TSMCと半導体の前払い議論を本格的に行っていることが伝えられた。

全世界の電気自動車市場をリードするテスラは、これまで半導体を購入するときに「スーパー甲(強者)」の立場だったが、世界的な自動車用半導体不足の影響で、前払い金を支払わなければならない身分になった。現在、車両用半導体」の供給不足に、一部の自動車メーカーは工場の稼動を中断している。信用評価会社のフィッチは、車両用半導体不足で自動車業界の年間車両販売台数が5%ほど減ることもあると予想した。

テスラは半導体先払いを推進しながら、これまで先払い契約を避けてきた半導体ファウンドリ(受託生産)業界のビジネス慣行も変わるものと見られる。ファウンドリ業界は供給量を顧客社の購入代金の規模に応じて、流動的に配置することが収益性がより良いことから先払い契約を嫌ってきた。

TSMCは特定顧客社のためだけに供給物量を割り当てたのは、2014年の米クアルコム社のケースを除いて全くなかった。しかし最近は自動車用半導体の供給不足現象のために、ファウンドリ業界は個別注文を固定された価格で受けつけ、事前に預置金を受け取り始めた。サムスン電子の関係者は、「各顧客社はますます専門化された顧客ごとの個別半導体を要求しており、従来の半導体供給契約方式も変化しなければならないだろう」と語った。

テスラは自律走行車に搭載される半導体を設計するエンジニアリングチームを自主的に保有しており、さらに専門的な半導体の開発のためにサムスン電子と自律走行車専用の5ナノメートル級の車両用半導体を開発中だ。

テスラは半導体製造工場を直接買い入れる案も検討しているが、まだ議論の初期段階であり、莫大な買収費用を考えると買収は実際には実現しにくいだろうと消息筋はFTに伝えた。半導体生産工場を買収するには最大で200億ドル(約22兆ウォン)が必要であり、買収に成功しても半導体生産工場の運営に慣れることは容易ではないからだ。
  • 毎日経済 | キム・ヂェグァン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2021-05-27 17:41:50




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