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【韓国コラム】ウィズコロナ時代の火葬大乱


3月17日、韓国の新型コロナウイルスの新規感染者数は62万1328人。累積感染者数では米国を追い抜くことはできないが、同日の新規感染者だけで見ると断然世界最多だ。

幸いなことに死亡率が0.1%のため新型コロナウイルスに感染しても死ぬ人は少ないということだ。それでも新型コロナウイルスで1日400人が亡くなっているのでパンデミックが起きる前とは比べものにならない。

このような状況なので韓国全域の火葬場が大騒ぎになっている。どこでも火葬を待つ遺体が飽和状態なのだ。

弔問まで終えて安置室に故人を預け順番を待つ遺族も多いと言われている。前は火葬の待機者として予約すれば5日ほど待つと席が空いたが、最近は1週間待つのが基本だそうだ。

だからといって埋葬するわけにもいかない。感染症予防の心得に従って遺体は必ず火葬しなければならないからだ。関係当局が急いで火葬能力を1.5倍増やすと発表したが、火葬大乱は当分続きそうだ。

儒教の影響で伝統的に埋葬を好んだ韓国人だが、事故死や自殺などの悪葬(若くして亡くなった人) は火葬するのが慣習となった。新型コロナウイルスに感染して死亡したことも悪葬に分類されるだろう。

いや、厳密に言うと火葬は今は韓国の葬礼の大半を占めている。

約20年前の1994年には20.5%に過ぎなかった火葬率は2016年には82.7%に跳ね上がった。墓地を探すのも大変で管理も大変である上、政府の広報活動*が受け入れられ火葬率も急激に高くなった。

*葬儀などに関する法律は墳墓設置期間を30年と定めて以降1回に限って30年延長できるようにした。どうせ60年が過ぎたら墓地を撤去して火葬しなければならない。

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  • 韓国の年度別火葬率

火葬が大人気だが、お金持ちは相変らず墳墓を好む。金持ち=埋葬、貧乏=火葬という等式が暗に成立したことになる。そうしてSKグループのチェ・ジョンヒョン会長、LGグループのク・ジャギョン名誉会長とク・ボンム会長が「火葬してほしい」という遺言を残し、この等式が次第に破壊される様相を呈している。

韓国の火葬率が高まったことについて韓国社会ではキリスト教の発言力が弱くなったためだという見方もある。

カトリック、プロテスタント、正教会、聖公会などの教派を問わず、キリスト教会界では火葬を嫌っている。火葬をタブー視するわけではないが、死者の体を土に埋める敬虔な慣習が保存されることを望むというのが教会の勧めだ。

キリスト教とカトリックを合わせてキリスト教を信じる韓国人が1300万人を超えているにもかかわらず、火葬率90%に迫るという点は教会の勧告が十分に受け入れられていないという証拠だろう。
  • Lim, Chul
  • 入力 2022-03-19 00:00:00