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[社説] 図書定価制は書籍の値段だけをあげる「第2の端通法」


  • [社説] 図書定価制は書籍の値段だけをあげる「第2の端通法」
来る21日、図書定価制の施行を控えて、出版界と書店のあちこちで破裂音が出ている。

制度導入の趣旨は、無分別な割引競争を防ぎ、出版社と小型書店を保護して、価格ではなく質的な競争を促進するというものだ。しかし、大型・小型の出版社間の、オンライン・オフライン書店間の利害関係が絡んで、誰も満足できずにいる。

消費者の負担だけが大きくなり「第2の端通法(端末機流通構造改善法)」になるという指摘が相次いでいる。補助金の差別を正すために、市場の競争を制限したが、端末機の価格だけ上がった端通法のような副作用を生むという話だ。

図書定価制改正案の核たる内容は、新刊・旧刊の区別なく割引率を15%以内に制限することだ。今は18か月未満の新刊は最大19%まで割引することができるが、旧刊や実用書、参考書などは、出版社や書店が自由に割引販売することができる。18か月が過ぎた旧刊は再度定価をつけることができるようしたが、新刊は値上げが避けられない。

韓国出版文化振興院は、図書定価制以降、本1冊の平均価格は現在(1万4678ウォン)より220ウォン上がると予想した。

しかし、学習参考書の価格が大幅に上がることにより、家計で体感する書籍代の上昇率はさらに大きくなるものと見られる。定価制の施行まで2週間を控えて、書店では爆弾セールが行われており、本の買い占めブームが吹くなど、市場は異常な方向に動いている。

競争がなくなる、反市場的な制度施行に先立って起こらざるを得ない風景だ。消費者は、2週間後に「ホゲンニム(カモになる客)」にならないために買いだめに合流している。

文化体育観光部のキム・ヒボム次官は、図書定価制施行に伴う書籍代の上昇にたいする懸念について「出版社の書籍の値段引き下げを誘導するために力を尽くす」と明らかにした。しかし、書籍代のバブルをなくす政策は含まれていないうえに、出版社は書籍代を値下げする余力がないという立場で、可能かどうかは未知数だ。

破壊された出版業界の生態系を復元させるという趣旨は正しいが、消費者にその負担を転嫁してはいけない。文化体育観光部は、出版社、書店、消費者が共存できるように、世論を収斂して施行令を改正しなければならない。また、出版社は過度の割引がなくなっただけに、先制的に価格を下げる姿を見せなければならない。
  • 毎日経済/写真=MBN | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-06 00:01:01




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