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中国人投資家が済州島や釜山から仁川・ソウルに移動中

北上するチャイナマネー 

  • 中国人投資家が済州島や釜山から仁川・ソウルに移動中
  • < ソウル土地取得国家別件数と麻浦区中国人土地取得現況 >

「江南の中型マンションを最近一軒購入した。中国のアパートは70年の賃借権のみ保証されるが、韓国は永久所有権が保障されるでしょう。北京と上海の高級アパートメントは一坪当たり5000万ウォンをこえる状況で、江南のマンションは安くて賃貸需要も安定しています」(ソウル在住の50代の中国人ビジネスマン)。

「中国は環境汚染が深刻だが韓国は快適で、教育施設も気に入っています。松島投資移民の制限の7億ウォンをカバーするには何軒か購入しなければならないので、一軒は私が住んで残りは賃貸に使用しようと、アパートの購入を積極的に検討しています」(自由貿易業従事の40代の中国人女性)。

首都圏の不動産市場に「チャイナマネー」が押し寄せている。北京や上海など、中国の大都市の新築住宅価格が6カ月連続で下落して、中国の不動産価格の高騰が止まった状態にあり、ソウルと仁川地域の不動産買取に乗り出す中国人はむしろ増えている。ソウルの都心ビルはもちろん、中・小ビルから高級マンション、オフィスビルやホテルに分譲投資に至るまで、需要も多様だ。

週末の去る15日午後、ソウル市中区明洞のホテルで開かれた「中国人不動産投資移民説明会」は、ビジネスマンはもちろん、子供を連れた家族、中年の男性、老夫婦に至るまで、さまざまな身なりの中国人ですきまなくうまった。ソウルの不動産市場にも中国の富豪のいわゆる「ワンソバン」と、購買力のある中産階級の女性「タマ(大母)」が本格的に登場しているわけだ。香港のコンサルティング会社に通っている上海出身の50代の中国人男性は19日、記者と会って「中国の不動産は上がるだけ上がり下がることだけが残ったが、韓国はその反対」とし、「これまでは済州島の別荘、釜山海雲台(ヘウンデ)のアパートに関心を持って買い入れたが、今はむしろ仁川の永宗島商業施設の収益率が高く思え、追加投資する計画だ」と明らかにした。

ソウルの森近くの「トリマージュ」「ガレリアフォーレ」、盤浦洞の「大林アクロリバーパーク」など、国内最高を誇る高級住宅団地のモデルハウスや近隣の仲介業者は、最近は中国人の出現が頻繁だ。ガレリアフォーレは5~6軒がすでに中国人の所有だ。

上海に住んでいる中国人Cさん(45)は最近、ソウル麻浦区に漢江眺望権を備えた専有面積121平方メートルの新築アパート1軒を買った。Cさんは古くから貿易ビジネスをともにしてきた韓国の知人に、麻浦で家を調べてくれと頼んでいた。上海とソウルを行き来しながら暮らすCさんの妻が、買い物に便利だという理由で、明洞と弘大が近い麻浦を「チェック」したからだ。Cさんは「余裕のある中国人は、北京から近いソウルの不動産に関心が高い」とし、「来年は仁川のアパートを購入し、永住権も取得する計画」と語った。

ソウル市の外国人土地取得の現状によると、過去3四半期に中国人が取得した土地件数は1993件で、昨年全体の取得件数1537件をすでに30%以上上回った状況だ。特に中国観光客が集まる麻浦区に中国人が購入した土地は、2012年の557平方メートルから昨年は3584平方メートルに跳ね上がった。今年は第3四半期の時点ですでに2519平方メートルを購入した。このため「ソウルのチャイナタウン」と呼ばれる延南洞一帯の一戸建ての価格は3.3平方メートル当たり4000万~5000万ウォンで、2~3年前に比べて約2倍に跳ね上がった。

実際、ヨウカーの必須観光コースである麻浦区には、最近2~3年のあいだに西橋(ソギョ)や合井(ハプチョン)・東橋(トンギョ)・延南(ヨンナム)一帯を中心に、中国人が建物を買い取って改装した免税店やショッピングセンター、ゲストハウスが雨後の筍のようにできた。当地のA不動産の関係者は、「中国人は観光バスを駐車ができる330平方メートル(100坪)以上の土地や建物を探す」とし、「売り物が恐ろしく売れると思ったら、遠く望遠(マンウォン)や城山洞(ソンサンドン)まで魚信をみるほど」だと語る。永登浦区の大林洞(テリムドン)一帯のアタリの良い商店街を先取りしたり、賃貸目的で九老区(クログ)一帯のオフィステルをあたる中国人も登場した。

中国人の国内不動産投資が始まった2010年代初頭には、永住権の取得と投資規制のために、済州島や釜山などの地方に集まったが、いまやソウルと仁川(インチョン)に目を向けるケースが大幅に増えた。

この16日には、仁川経済自由区域に不動産投資移民制が導入されてから3年めで、初めて中国の投資家が永宗ハルラヴィヴァルディの売れ残り2軒を3億5000万ウォンずつで買い取った。不動産投資仲介業を営んでいる30代の華僑男性は、「済州島はすでに上がるところまで値上がりした上に、中国人への反感も大きくなって、投資の黄金期は過ぎたようだ」とし、「仁川とソウルはあちこちにチャイナタウンが形成され、中国人に対する反感も小さいうえに、特に永宗島は開発中のために関心が高い」と語った。

済州島と釜山に中国人投資家が押し寄せて、「まともな出物は買うのが難しい」という認識が広がったし、ソウルが中国からより近くてインフラが整っており、投資魅力が高いと判断する中国人が増えたことももう一つの理由だ。
  • 毎日経済_イム・ヨンシン記者/キム・イノ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-19 17:25:43




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