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昨年よりも大幅に減った甲状腺がん診断…本当に過剰だったのか?

医師連帯「甲状腺がん手術の減少は、異常だったことが正常に戻ってきているもの」 

  • 昨年よりも大幅に減った甲状腺がん診断…本当に過剰だったのか?
  • < 昨年よりも大幅に減った甲状腺施術 * 資料=健康保険審査評価院 >

年ごとに増加傾向を見せていた甲状腺がんの手術件数が、今年4月を起点に約30%急減したことが分かった。この減少は去る3月19日、「医師連帯」(甲状腺がん過剰診断阻止のための医師連帯)が「症状のない成人を対象に実施する甲状腺がん検診は、過剰検診する必要はない」と明らかにした時点からだ。保健福祉部と国立がんセンターの「甲状腺がんガイドライン」草案も影響を与えたと思われる。

20日、健康保険審査評価院によると、甲状腺の施術は今年に入って1~2月に4000件以上行われたが、3月には3814件で4月は3101件、5月には2647件で6月は2734件と、昨年の同じ期間に比べて約30%減少した。今年の上半期全体では、前年より12%減少した。このような傾向が続けば、毎年急峻な上昇の勢いを見せていた甲状腺手術は、今年は4年ぶりに年間4万件以下になる可能性が高い。

医療機関が健康保険審査評価院に、健康保険療養給与費用として請求した甲状腺手術の現状を見ると、2011年は4万5427件で2012年は5万870件、2013年は4万8272件で、月平均3700件以上の甲状腺手術が行われた。

このような減少傾向は、まもなく発表される予定の米国の甲状腺がんのガイドラインに沿って、さらに減少するものと見られる。わが国の甲状腺がんのガイドラインの草案は、1センチになるまで観察することを勧告しているのに対し、米国は「甲状腺がんの大きさが1センチ未満の場合は検査すらしてはいけない」という草案を準備して、現在は専門家の意見を取り入れている。

これと関連し、医師連帯のソ・ホングァン博士(国立がんセンター家庭医学科)は最近、メディカルタイムズとのインタビューで「甲状腺がん手術の減少は、異常だったことが正常に戻ってきているもの」とし、「正常の範疇となるには、手術件数をもっと減らさなければ」と強調した。ソ博士は甲状腺内分泌外科学会など外科系の反論に対して、「誰の主張が正しいのか、誰が虚偽事実を語っているのかを明らかにしよう」と公開討論を提案したりした。

  • 昨年よりも大幅に減った甲状腺がん診断…本当に過剰だったのか?
韓国の甲状腺がんの発生患者は1999年の2866人から2013年の5万3737人に、約19倍に急増した。これは世界的にも類例のない増加傾向だ。人口10万人当たり96.8人(2011年時点)で、米国の20.0人や日本の6.5人よりも5~15倍多い。

一方、甲状腺がんの死亡率は人口10万人当たり1999年0.6人、2002年0.7人、2008年0.8人、2010年0.7人と、大きな変化がない。このためアン・ヒョンシク高麗大安岩病院教授が最近、英の「NEJM(New England Journal of Medicine)」に発表した「韓国の甲状腺がんが15倍以上増加した理由は早期検診」という内容の論文は、世界各国の医学界とマスコミから「甲状腺がんの過剰検診を警戒せよ」という事例として言及されている。

しかし施術の減少にもかかわらず、いくつかのケースでは依然として手術が推奨されていることも事実だ。甲状腺内分泌外科学会の医師らは、「0.5センチ以上の甲状腺がんの場合には手術しなければならない」とし、「0.5センチ以下でも場所に応じて、予後が悪くなる可能性が高い患者は手術しなければならない」と主張する。

蔚山医大のチョン・ギウク教授は、「米・英・仏など世界のどの国でも、0.5センチ以上の甲状腺がん患者に対する手術を行わなくてもよいという論文はなかった」とし、「日本のガイドラインだけが唯一、観察できると明示しているが論文の根拠が弱く、医学的に受け入れることは難しい」と語った。チョン教授は「甲状腺がんは大きさも重要だが、医師の判断に応じて、高リスク群患者に対しては積極的に手術しなければならない」と強調した。
  • 毎日経済_イ・ビョンムン医療専門記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-20 17:06:46




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