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韓国が作れない領域をにぎる日本...韓国が作るものはすべて作る中国

「新ナットクラッカー」にはさまれた韓国 

  • 韓国が作れない領域をにぎる日本...韓国が作るものはすべて作る中国
経常収支の悪化や企業の連鎖倒産を引き起こし、通貨危機を招いた1997年の「ナットクラッカー」状況は、日本の源泉技術力と高効率の産業構図、中国の低コスト競争力に押されて、韓国企業のグローバル競争力が墜落する現象を警告したものだ。これに比べて最近、東北アジア3カ国の経済の新しいパラダイムとして定着した「新ナットクラッカー」は、円安(アベノミクス)と先制的な構造調整で競争力を回復した日本企業と、技術力・購買力を前面に出した中国企業の挟み撃ちに直面した状況を指す。特に低価格商品を前面に立ててグローバル市場に参入した中国企業が、最近では政府の支援を背に受けて、高付加・先端研究開発(R&D)投資を大幅に増やし、技術力の面でも韓国企業にぴたりと接近しており、あるいはいくつかの品目では比較優位を見せ始めた。ボルボ自動車の株式を買収し、大株主として登板した中国の吉利自動車は、2020年までに中国の自動車市場を席巻するという野心を隠すことなくほのめかしているほどだ。

グローバルな経済トレンドの変化と東北アジア3カ国の産業構造調整のなか、韓国企業が中国と日本企業に挟まれて、競争力と生産性が墜落する新しいタイプのナットクラッカー状況に直面し、韓国経済の低成長の固定化、さらには先進国への進入失敗という最大のリスク要因として浮上した。

韓・中・日の3ヶ国における企業の核心競争力の変数は、過去のナットクラッカー時代は価格・品質・源泉技術だったことに比べて、最近の新ナットクラッカー状況では、為替レート・R&D投資・非関税障壁などがより大きな変数となっている。財界団体が「中国や日本に比べ、自国産業の育成と競争力回復のための政府の支援と配慮が相対的に不足している」と主張していることも、このような状況を考慮した要求だ。特に中国の場合、非関税障壁・固定課徴金の賦課・環境規制などを通じて他の国の輸出・投資企業を圧迫する、新しいタイプのパラダイムも広がっている。

わが国の企業や政府がうぬぼれている中で、新ナットクラッカー状況を触発したとの指摘も出ている。

ナットクラッカー状況の中に通貨危機を迎えた韓国は、2000年代以降に情報技術(IT)の分野で急速な発展を遂げ、半導体・携帯電話・自動車・部品など、世界最高のIT国家として成長し、再跳躍の足場を構築した。「価格は日本よりも低く、技術は中国よりも上回っている」は、いわゆる「逆ナットクラッカー」現象を通じて2008年の世界的な危機を克服し、先進国の水準にぴたりと近接するきっかけを作った。

しかし、韓国企業が先制的構造調整を先送りして油断する間に、円安攻勢を前面に出し、大規模のM&Aを通じて基礎体力を回復した日本企業と、先端技術への投資と政府支援を背にした中国企業がグローバル市場への攻勢を強化して、輸出韓国の立地はますます狭くなる、新しいタイプの挟み撃ち状況に直面したわけだ。

実際に、アベノミクスが本格化した後の最近2年間、日本企業は毎月10%以上ずつグローバルな輸出を増やしつつ、営業利益を増やしている。韓国企業にとってより大きな脅威は、日本の主要な輸出企業が円安を商品の値下げに結びつけることよりも、利益を高めてR&D投資と大胆なM&Aを通じて、基礎体力をさらに育ててきたという点だ。

現代経済研究院のイ・ヂュンヒョプ研究委員は、「円安で利益を増やし、日本企業が研究開発投資に本格的に乗り出すことで、日・韓間の技術格差がさらに広がる可能性がある点に注目しなければならない」と警告した。

日本の強固な核心部品と素材の技術力に、わが国の企業がたやすく追いつけない状況で、中国の技術力もすでにわが国のあごの下まで迫ってきた。実際、わが国の部品素材分野における中国の輸入依存度は、2012年の25.6%から今年の上半期末現在で28.4%に急増した。

一方、日本の場合は中国の輸入依存度が2012年の23%から、今年の上半期は18%に落ちた状態だ。産業通商資源部の関係者は、「日本はわれわれが作ることができない、代替不可能な領域をまだ手に握っており、中国はわれわれが作るかなりの部分を既に作っているという意味」だと説明した。日本の資本と技術、中国の安い労働力との間に挟まれていた過去のナットクラッカーの時代よりも、円安攻勢を前にうち出して基礎体力を回復した日本、先端技術力で武装して輸出市場を蚕食している中国企業が、韓国企業の世界的な競争力と業績回復に大きな脅威として登場したわけだ。
  • 毎日経済_チェ・スファン記者/チョン・ボムヂュ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-11-24 17:39:38




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