トップ > コラム > オピニオン > [社説] 非正規職労働者の割合24.7％、労働市場の改革が韓国の未来
労働市場の改革を政府が来年の経済政策運用の核心課題として推進している。チェ・ギョンファン経済副総理は、「正規職を過保護しているため企業が怖くて正規職を採らず非正規職だけが量産されている」とし、労働市場の改革の必要性を提起した。
韓国の国家競争力において労働部門が最大の障害であるということは、国際的に公認された事実だ。アジア通貨危機直後、正規職の雇用の柔軟性が少し改善されたが、それ以来は後退が繰り返された。世界経済フォーラム（WEF）国家競争力ランキングで韓国の労働市場の効率性は、2010年78位から今年は86位となった。整理解雇費用も4年前の114位から今年は120位に押し出され、世界最下位のレベルだ。
現代自動車の蔚山工場の賃金が米国アラバマ工場より高く、製造業王国であるドイツの大卒初任給が3500万ウォンの水準であるのに、韓国は4000万~5000万ウォンが溢れている。これで製造業の危機が来ないなら、それはもっとおかしい。
このような事情のため、国内企業は工場を海外に移している。韓国企業が2006年から昨年まで海外に投資した金額は1897億ドルで、海外企業が国内に投資した額より2.4倍多い。競争力を海外で見つけたため、雇用とGDP成長率は、国の外に漏れている。チェ副総理が労働改革、特に正社員過保護の可視化を通じて製造業を生かし非正規職問題を解決しようとしているのは、正しい方向だ。
現在、非正規職労働者の割合は24.7％で、フランス、ドイツ、日本などに比べて格段に高い。また、非正規職の賃金水準は正社員に比べ、2003年の71.6％から2014年に65.5％に悪化した。雇用率70％という政府の政策目標だけでなく、社会統合のためにも、労働市場改革は先送りできない。
ただし、歴代政府がこのような内容を知らず、今まで放置してきたわけではない。労働市場の改革の方向は、すでに長い間、何度も提示されてきた。チェ副総理は、正規職解雇を容易にする方策の代わりに正規職と非正規職の間の賃金格差を減らす方向に賃金体系を変えるなど、いくつかの方法があり得るとした。その言葉通りだ。現在、韓国製造業界の賃金は、1年目の従業員を100においてみたとき、30年目の従業員は、313で3倍以上多い。日本は代表的な年功序列賃金体系を持つ国として知られてきたが、30年目の賃金水準が242で、私たちよりも低い。ドイツ（191）イギリス（157）などはこれよりさらに低いだけでなく、フランス、オランダ、スウェーデンは150以下で、それだけ賃金格差が少ない。
労働市場の改革は、必要性と方向がこのように現れているにもかかわらず、これまで引き延ばされてきた。労働者の反発が避けられないため、政界は票を意識し消極的な態度を示してきた。社会的な共感帯を形成して大妥協をなす険しい過程でリーダーシップが必要だという意味だ。
ドイツのハルツ改革は、その点では良いモデルとしなければならない。ドイツは2003年、経済成長率が-0.4％に墜落して失業率は10％に迫ると、2005年までに景気後退を克服するために、社会改革に乗り出した。 「アジェンダ2010」という名前でシュレーダー政権が推進したこの改革は、労働市場の柔軟化と過度の福祉縮小を根幹とした。労働時間を短縮すると削減される賃金の60％を政府が企業に補助する方式で「ミニジョブ」を作り、短期労働者の雇用を拡大した。失業給付金支給期間は、32か月から12か月に短縮して、長期失業者の再就職も誘導した。
注目すべき点は妥協の姿勢だ。シュレーダー首相は、全党大会で首相職をかけて党員を説得し、野党も大乗的な次元で改革に参加した。労働組合は、生産設備が海外に去ることを防ぐために譲歩した。シーメンスがハンガリーに工場を移転しようとしたところ、労働組合は賃上げなしで週労働時間を35時間から40時間に増やすことに合意し、ダイムラークライスラー、オペルなどのいくつかの企業がその後に続いた。ドイツのほか、オランダ、アイルランドなど、政労使大妥協の事例は、あちこちで見つけることができるが、共通点は「このままではいけない」という危機感である。韓国社会も、通貨危機直後の1998年に政労使大妥協を成し遂げたが、その後には危機意識を見つける道がない。労働市場の規制改革なしには国の未来もないとの認識で改革を急がなければならない。
[社説] 非正規職労働者の割合24.7％、労働市場の改革が韓国の未来
「韓国版ハルツ改革」が必要な時
![[社説] 非正規職労働者の割合24.7％、労働市場の改革が韓国の未来](https://cdn.mottokorea.com/mottokorea/userfiles/2014/11/mk1128_sa.png)
< 国家別 非正規職の比重 >
韓国の国家競争力において労働部門が最大の障害であるということは、国際的に公認された事実だ。アジア通貨危機直後、正規職の雇用の柔軟性が少し改善されたが、それ以来は後退が繰り返された。世界経済フォーラム（WEF）国家競争力ランキングで韓国の労働市場の効率性は、2010年78位から今年は86位となった。整理解雇費用も4年前の114位から今年は120位に押し出され、世界最下位のレベルだ。
現代自動車の蔚山工場の賃金が米国アラバマ工場より高く、製造業王国であるドイツの大卒初任給が3500万ウォンの水準であるのに、韓国は4000万~5000万ウォンが溢れている。これで製造業の危機が来ないなら、それはもっとおかしい。
このような事情のため、国内企業は工場を海外に移している。韓国企業が2006年から昨年まで海外に投資した金額は1897億ドルで、海外企業が国内に投資した額より2.4倍多い。競争力を海外で見つけたため、雇用とGDP成長率は、国の外に漏れている。チェ副総理が労働改革、特に正社員過保護の可視化を通じて製造業を生かし非正規職問題を解決しようとしているのは、正しい方向だ。
現在、非正規職労働者の割合は24.7％で、フランス、ドイツ、日本などに比べて格段に高い。また、非正規職の賃金水準は正社員に比べ、2003年の71.6％から2014年に65.5％に悪化した。雇用率70％という政府の政策目標だけでなく、社会統合のためにも、労働市場改革は先送りできない。
ただし、歴代政府がこのような内容を知らず、今まで放置してきたわけではない。労働市場の改革の方向は、すでに長い間、何度も提示されてきた。チェ副総理は、正規職解雇を容易にする方策の代わりに正規職と非正規職の間の賃金格差を減らす方向に賃金体系を変えるなど、いくつかの方法があり得るとした。その言葉通りだ。現在、韓国製造業界の賃金は、1年目の従業員を100においてみたとき、30年目の従業員は、313で3倍以上多い。日本は代表的な年功序列賃金体系を持つ国として知られてきたが、30年目の賃金水準が242で、私たちよりも低い。ドイツ（191）イギリス（157）などはこれよりさらに低いだけでなく、フランス、オランダ、スウェーデンは150以下で、それだけ賃金格差が少ない。
労働市場の改革は、必要性と方向がこのように現れているにもかかわらず、これまで引き延ばされてきた。労働者の反発が避けられないため、政界は票を意識し消極的な態度を示してきた。社会的な共感帯を形成して大妥協をなす険しい過程でリーダーシップが必要だという意味だ。
ドイツのハルツ改革は、その点では良いモデルとしなければならない。ドイツは2003年、経済成長率が-0.4％に墜落して失業率は10％に迫ると、2005年までに景気後退を克服するために、社会改革に乗り出した。 「アジェンダ2010」という名前でシュレーダー政権が推進したこの改革は、労働市場の柔軟化と過度の福祉縮小を根幹とした。労働時間を短縮すると削減される賃金の60％を政府が企業に補助する方式で「ミニジョブ」を作り、短期労働者の雇用を拡大した。失業給付金支給期間は、32か月から12か月に短縮して、長期失業者の再就職も誘導した。
注目すべき点は妥協の姿勢だ。シュレーダー首相は、全党大会で首相職をかけて党員を説得し、野党も大乗的な次元で改革に参加した。労働組合は、生産設備が海外に去ることを防ぐために譲歩した。シーメンスがハンガリーに工場を移転しようとしたところ、労働組合は賃上げなしで週労働時間を35時間から40時間に増やすことに合意し、ダイムラークライスラー、オペルなどのいくつかの企業がその後に続いた。ドイツのほか、オランダ、アイルランドなど、政労使大妥協の事例は、あちこちで見つけることができるが、共通点は「このままではいけない」という危機感である。韓国社会も、通貨危機直後の1998年に政労使大妥協を成し遂げたが、その後には危機意識を見つける道がない。労働市場の規制改革なしには国の未来もないとの認識で改革を急がなければならない。
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- 入力 2014-11-28 00:02:02
