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Kフードの成功記…八道「トシラク」はロシアへ、ピングレ「メロナ」はブラジルへ

凍土を溶かした「トシラク」、サンバが惹かれた「メロナ」 

「シベリア横断列車の中で食べる韓国のカップラーメン、ブラジル・リオデジャネイロのビーチで味わう韓国のアイスクリーム…」

発売されてから20年を越えた韓国の長寿食品ブランドが韓国ではなく、意外な国で大ヒットしている。国内の消費者にはよく知られすぎていて、多少見飽きた感じもするが、海外市場ではその国の「国民食」として称賛を受け大盛況だ。

八道カップラーメン「トシラク(弁当)」とピングレのアイスクリーム「メロナ」が代表的だ。米国、中国などの大型市場の代わりに「全く受け入れられなそうな」新市場を攻略して見事に成功した。「Kフードの隠れたチャンピオン」は、逆転の発想戦略を介して深刻な内需市場不況を打開し、韓国の食品の優れた味も海外に知らせた。

市場が呼ぶところに行け
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  • < カップラーメン「トシラク」ロシア年度別売上高 >

韓国カップラーメンの中で、海外市場で最も売れた製品は、長方形の「八道トシラク」だ。ロシアで現在までに36億個が売れた。横16㎝の長さの「トシラク」36億を一列に並べると、地球(周囲4万120㎞)を14周しても足りない。累積販売量12億ドル(約1兆3300億ウォン)でロシア・カップラーメン市場1位だ。八道がロシアに「トシラク」を初めて輸出したのは1991年。初期の反応は芳しくなかった。ところが、意外なところで大ヒットが起こった。釜山港とウラジオストクを行き来したロシアの船員と風呂敷商人たちが意外な親孝行者だった。丸みを帯びた形状ではなく、低い長方形で蓋まである「トシラク」のデザインは、屋外飲食を楽しみ列車に頻繁に乗るロシア人が携帯して食べるのに最適だった。寒さから辛くてぴりぴりして熱いスープの味もしっかりと受け入れられた。

ソーシャルネットワークサービス(SNS)もなかった時代に「口コミ」ひとつで人気になった。キム・ヨンチョル八道ロシア法人長は、「既存のカップラーメンの容器は、外部からの衝撃で中身がこぼれたりしたが、トシラクは正方形の形で、長距離列車の旅が生活化しているロシア人たちに便利で、おいしい一食の食事として急速に広まった」と説明した。

八道は偶然訪れたチャンスを逃さなかった。韓国で売っている牛肉の味から脱皮し、ロシアの人々が好きなスパイシーなチキン、キノコ、エビなどを多様に発売した。「トシラク」の中にフォークを入れてロシア人が好きなマヨネーズソースを投入する「ディテールの力」も見せた。シベリア横断列車の中に製品を入れ、熱湯を注いであげるアイデアも出した。八道は1998年のロシアのモラトリアム宣言にもロシアに残った。

キム法人長は、「大多数の韓国企業がロシアから撤退したが、八道はむしろ積極的なマーケティングを広げた」とし、「これがロシア人に『八道は義理の企業』という印象を与えて、今も大きな力となっている」と述べた。

「トシラク」は、昨年、ロシアで1900億ウォン分が売れた。売上高成長率は1997年に600%を記録した後、これまでにも、毎年10%ずつ達成している。八道は現地に8つの生産ラインも備えている。

四六時中、製品の売り方を考えろ
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  • < アイスクリーム「メロナ」ブラジル累積売上高 >

1992年、メロン味のアイスクリームの「メロナ」を発売して旋風的な人気を集めたピングレにとって、オフシーズンである冬場の売上高達成はいつも宿題だった。製品の特性上、夏には売上高が高いが、冬はそうもいかず「冬の商売」をどのようにするかがカギだった。だからピングレは、2007年に南半球へと目を向けた。

韓国の冬は南半球の夏だから、韓国のオフシーズン時にこの市場を攻略すれば四六時中いつもよく売れるアイスクリームにすることができる。その中でもブラジルを選んだ。ブラジルは、トロピカルフルーツが豊富で果汁飲料とこれを凍らせて作った「シャリシャリ」としたアイスクリームが主流だ。ピングレはこの点を狙った。ソフト練乳(牛乳)を混ぜた「メロナ」は香り高いトロピカルフルーツ(メロン)味でありながらも、もちっとした質感を出す。カリカリして硬いアイスクリームに慣れているブラジルの人々には「デザート革命」だった。

結果は大ヒット。進出初年度の2007年に韓国同胞を中心に3億ウォンが売れたのが、現地で口コミが広がり、2008年に9億7000万ウォン、2010年に12億6000万ウォンを経て、2012年には23億3000万ウォン分も売れた。過去7年間、ブラジルで「メロナ」累積売上高は90億ウォンを超える。ピングレ南北アメリカ事業部のイ・ジュヨン次長は「酪農国で牛乳の生産が多くいオーストラリアではすでに牛乳を混ぜた柔らかいアイスクリームが主流だ」とし、「特に大都市の人口密度がオーストラリアよりブラジルが高く、成長の可能性もブラジルの方が大きいと判断した」と述べた。

「メロナ」は、ブラジルで約2500ウォンの価格で販売され高価な製品だが、輸入氷菓のうちでは断然1位だ。イ次長は「ブラジルの輸入氷菓市場は、ネスレとユニリーバが二分しているが、彼らは地元企業を買収する形で進出しているので、純粋な外国ブランドとしてはメロナが最高の人気製品」と伝えた。

ピングレはブラジル進出7年目の今年6月、現地法人を設立した。この法人を中心に、ブラジルだけでなく、アルゼンチン、チリ、パラグアイなど他の中南米の国でも「メロナ」輸出を拡大している。
  • 毎日経済 ソ・ジヌ記者 / パク・インヘ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-12-07 17:17:16




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