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危機に陥った韓国製薬産業、 M&A・新薬開発で世界レベルに移行を

製薬、L・P・Gリスクに落ちた 

  • 危機に陥った韓国製薬産業、 M&A・新薬開発で世界レベルに移行を
伝統的に冬は医薬品の販売が増える。気候が寒いと心理的に病院をより頻繁に訪ねるからだ。

ところが今年の冬はそうではない。厳しい。リベートに対する政府の強力な取り締まりで、営業は大きく萎縮した。国内最古の製薬会社である同和薬品(DONGWHA PHARM)の50億ウォン台リベート摘発、国内最大の医薬品販売代理店であるジオヨン(GEO-YOUNG)の家宅捜索などの困難に見舞われた。

特許期限が終了したら名前だけを変え、同じ成分のジェネリック(後発医薬品)の販売で売上げを上げる国内の製薬業界の現実が、このようなリベート慣行を作った。

▶ LPGリスクに陥った製薬業界

危機は「L・P・Gリスク」にまとめられる。「ロビー(Lobby)・特許(Patent)・ジェネリック(Generic)」リスクだ。違法リベートに対する双罰制、リベートツーアウト制などの強力な処罰にも、国内製薬会社の営業形態は依然として旧態にとどまっている。「Lリスク」だ。ゴルフや学会などに参加する医者のために運転手の役割を果たしたり、各種消耗品を供給することは基本だ。S社のある営業担当者は、「某病院長が街中では入手が難しいというハニーバターチップを持って来いというので、会社の全社員が近くのコンビニとスーパーマーケットをくまなく探し回った」と語った。

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  • < 溢れだす後発医薬品 >

来る3月からは「Pリスク」が生じる。韓・米自由貿易協定(FTA)の下で実施される「医薬品の許可・特許連携制度」だ。この制度によって、多国籍製薬会社は国内製薬会社のジェネリック開発情報を事前に把握し、特許侵害訴訟を提起できるようになる。国内メーカーのジェネリック開発が萎縮して、オリジナル薬剤のパテント期限が相対的に長くなりうるという話だ。製薬協会の関係者は、「ジェネリックの出荷が遅れると、その分より高価な薬価を負担しなければならない」とし、「健康保険の財務上の損失は、今後5年間に8000億ウォン規模に達するだろう」と憂慮した。

危機の根源は「Gリスク」だ。食品医薬品安全処によると、1種類のオリジナル薬に対して、多くは170種あまりのジェネリック薬が降り注ぐ。「アトルバスタチン」という高脂血症治療剤がそのケースだ。

高血圧症の治療薬「アムロジン」は100種以上、勃起不全治療剤であるファイザーのバイアグラのような成分のシルデナフィル成分薬も61種にのぼる。製薬会社の関係者は、「成分が同じジェネリックが横行するのに、医師にわが社の薬を売ろうとするならリベートの他にどんな方法があるというのか」と語った。

▶ M&A、新薬開発が解法

昨年、国内の中堅製薬会社は中国の上位圏の製薬会社から買収提案を受けた。この会社の技術力を高く評価した提案だった。しかし、オーナーが最終的な決定を延ばして、交渉は遅々として進まない状態だ。国内の製薬業界の買収・合併はほとんど行われていない。2007年以来、最近までに30件程度に過ぎない。米国系多国籍製薬会社であるアルボジェンのドリームファーマ(Dream Pharmar)合併と、ハンドク薬品(HANDOK)の太平洋製薬の製薬事業部門買収がそれなりに大型取引に分類される。しかし、目をグローバルに向けると完全に異なってくる。最近7年間で1300件以上の買収・合併が行われた。

保健産業振興院のユン・ゴノ本部長は、「新薬開発に3000億から5000億ウォンを投資する多国籍製薬会社と競争するには、規模の経済が必須」だとし、「国内メーカーも活発なM&Aで規模を育てなければならない」と語った。

もう一つは新薬開発だ。最近、国内メーカーも新薬開発に積極的に乗り出しているが、まだブロックバスター級はない。

製薬会社は独自の研究開発投資を拡大する一方で、成長可能性の大きいベンチャーに対する投資に突破口を探している。

ハンドクはバイオベンチャーのジェネクシン(Genexine)の株式19%を買収しており、関節炎鎮痛消炎剤の新薬許可を控えているクリスタルゲノミクス(CrystalGenomics)にも投資した。緑十字は幹細胞企業のイノセルを買収し、ユハン洋行は改良新薬と誘電体の分析などで競争力のあるハナルバイオファーマ(HANALL BIOPHARMA)、テラジェンテクス(THERAGENETEX)などに投資した。

チョ・スンテ製薬協会理事長は、「国内の製薬産業が下方平準化から抜け出して世界レベルに移行する、骨を削る努力と変化が要求される」とし、「これ以上退くことはできない状況だ」と語った。
  • 毎日経済_イ・ドンイン記者/キム・ミヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-15 04:01:04




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