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[SNSの世界] SNS請願運動の波「私は健二だ」


  • [SNSの世界] SNS請願運動の波「私は健二だ」
ソーシャルネットワークサービス(SNS)も今では力が強い。ある意味では、巨大なグローバル市民力だ。国境に関係なく、人々の心を動かして実行させるからだ。人間として享受すべき自由、逃げ出したい痛みに対して、共感を越えて行動を引き出す。

ツイッター創業者ジャック・ドーシーも、このような点をSNSの魅力として強調する人物だ。彼は昨年11月に韓国を訪問し、国民にはツイッターの利用を防ぎ、本人は毎日ツイッターのアカウントに接続するイランの大統領ハサン・ロウハーニーに向かって「疎通する自由と権利を侵害するもの」と批判したことがある。

イスラム急進武装勢力「イスラム国(IS)」が日本人の人質2人のうち1人を殺害した後、残りの人質(後藤健二)の釈放を求める請願運動がSNSを介して世界中に広がった。

SNS利用者は、フェイスブックのページに「私は健二だ(I AM KENJI)」と書いた紙を持って撮影した写真をアップロードし始めた。世界に向けた救命運動はフェイスブックだけでなく、様々なSNSに乗ってすぐに広がる傾向だ。この運動は米国ニューヨークで映像プロデューサーとして活躍している日本人の西前拓さんが去る21日、「私は健二だ」と書いた紙を持って写真を撮ったことから始まった。西前拓さんは抑留された後藤健二さんの友人だ。

彼はフェイスブックで「罪のない市民を殺害することは公正ではない、すべての国を敵に回すことは意味のないことだと言ってくれ」と世界の人々に訴えた。以来、インターネットユーザー数万人が彼の提案に応答している。

日本人の人質事件により、イスラム極端主義者の残忍性がもう一度注目され、フランスのマスコミ「シャルリー・エブド」(Charlie Hebdo)への銃撃テロ事件以降に広がっていった「私はシャルリだ」というスローガンもSNS上で再度話題になる傾向だ。「私はシャルリだ」は、フランスのパリで行われたテロの犠牲者が持っていたプラカードにフランス語で書かれた言葉だった。テロ被害者と連帯して暴力に抵抗する意味で書かれたこの言葉は、SNSを介して一瞬のうちに広がり、世界各地で実際のムーブメントを呼び起こした。ベルギーブリュッセルの欧州議会の建物の前には1000人が集まり、米国サンフランシスコのフランス領事館の前でも数百人が集結した。

今もSNSユーザーは、プロフィール写真を「私はシャルリだ」スローガンに変えたり、これと関連したハッシュタグ(#)を付けてシャルリー・エブド銃撃テロ事件を簡単に検索できるようにするなど、さまざまな方法で事件による悲しみを分かち合いている。

昨年、行政長官選挙の完全な自由直選制を要求する香港市民も、フェイスブックやツイッターを介して積極的にデモに参加した。最初は20歳前後のある若い大学生たちがデモを行ったが、彼らが投稿したSNSのコメントが職場に留まっていた人にまで伝わり、夜からは「ネクタイ部隊」までデモに積極的に参加した。

SNSは政治的関与を引き出すことにとどまらない。あまり変わりそうにない社会も変化させる。昨年、米国ではインターネットとSNSを活用した各種キャンペーンにより、キャンパスの性暴力防止法などの意味のある成果を収めた。ビヨンセなど有名人の支持発言と性暴力被害者のためのSNS請願運動は昨年、米国のSNS上で扱われた重要なテーマのうちの一つだ。

「私は健二だ」という世界の叫びが後藤さんを人質としてつかまえているIS団員にも通じるだろうか。彼らが通知した最後の時間は過ぎたが、まだ後藤さんの行方は不明だ。無事帰還し、家族のもとに戻ることを祈願する。
  • 毎日経済モバイル部_イ・ギョンジン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-01-30 16:07:08




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