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4年間進展なし、パク大統領の三顧の礼外交にわずか3ヶ月で契約書にハンコ

現代エンジニアリング、3兆ウォンプロジェクト受注の裏話 

  • 4年間進展なし、パク大統領の三顧の礼外交にわずか3ヶ月で契約書にハンコ
△写真=パク・クネ大統領が中央アジア3カ国歴訪時に、ウズベキスタンのイスラム・カリモフ大統領とサマルカンドのレギスタン広場で話を交わしている。 [毎経DB]

韓国の建設会社が海外建設工事の受注に困難を経験している中で、現代エンジニアリングは4年間の悪戦苦闘の末に、ウズベキスタンで26億6000万ドル(2兆9000億ウォン)に達する大規模なガスプラント工事を受注して関心を集めている。今回受注したプラントは、ウズベキスタンの首都タシケントから南西に約520キロメートル離れたカンディムのガス田地域の、年間約81億立方メートルの天然ガスを処理する施設で、2018年下半期に完成する予定だ。

現代エンジニアリングがカンディム・ガス処理施設のプロジェクト契約を締結したのは11日だ。ウズベキスタンでは現地の国営放送が直接、生中継する中で契約が行われた。工事の基本設計の役務を担当した後、本工事の受注に踏み出して4年めだ。現代エンジニアリングとしては、中東地域での建設会社間の低価格出血競争が激しくなって、「未開拓地」の中央アジアに目を向けたが、5年めでおさめた結果だ。何よりも、発注先の要求に応じて100回をこえて投資提案書を書き換えて、設計図をやぶっては書き直した大韓民国建設エリートたちの粘り強い闘魂がもたらした成果だ。

プロジェクトを導いたイ・スンチョル化工プラント海外営業担当常務をはじめとする受注チームは、受注のために足がすり減るほど現地を訪れた。それでも最終的な受注は、ウズベキスタンの最高権力の許可という、最後の障害物を越えられずに4年を引きずった。その間に受注チームの心は暗たんとしてしまった。

現代エンジニアリングが、カンディム・ガス田プラントの受注競争に本格的に参入したのは2011年にさかのぼる。ロシア国営企業ルクオイル(LUKOIL)からの資金を充てて開発する、カンディム・ガス田工事の基本的なマスタープランを組む設計役務を2億3000万ドルで受注したことがきっかけだった。基本設計役務を獲得した時は、現代エンジニアリングは祝いの雰囲気だった。業界では基本設計を受注した業者が、本工事まで受注するのが慣行だったからだ。しかし、本工事関連の交渉過程は試練の連続だった。ウズベキスタン政府から継続して難題をかけて来たからだ。「工事金額を20%以上、無条件に下げてほしい」という要求から始まり、これもしてくれ、それもしてほしいという追加の要求が続いた。国際競争入札にするという「脅迫」も出てきた。

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  • < 現代エンジニアリング カンディムガス田 / ウズベキスタン カンディムガス田プロジェクトの概要 >

イ・スンチョル常務が率いる受注チームは、施工会社の露ルクオイル側との密接な協力の中で、発注書の要求が変わるたびに投資提案書を新たに書いて設計図を変えた。唇がかさかさにかわいていく中で、受注チームはウズベキスタン行きの飛行機に乗っただけでも50回を超える。

これだけ神経を使ったが、最終的な承認段階ではウズベキスタンのイスラム・カリモフ大統領のOKサインが落ちなかった。中央アジアの主導権を巡って、ロシアと旧ソ連邦ウズベキスタンとの間の微妙な競争心理が一役買った。

ここで決定的な支えになったのは、朴槿惠 (パク・クネ)の「三顧の礼」外交だった。最高権力者が背を向けて交渉決裂段階まで行ったカンディム・ガス田事業は、昨年6月にパク大統領の中央アジア歴訪で決定的な転機を迎える。

パク大統領はカンディム・ガス田プロジェクトを、カリモフ大統領との首脳会談の議題として上程した。公式会談では結論が下されなかったため、パク大統領はカリモフ大統領と食事の席をはじめ、非公式の席上でもさらに2度も話を持ち出した。カリモフ大統領はようやく「ああ、ロシアのプーチン大統領が話していたその契約の件ですね。それなら再検討してみましょう」と答えた。ロシア側でもこのプロジェクトの成功に力を入れていたからだ。それ以来、中断していた交渉は急流に乗った。パク大統領とロシアのプーチン大統領の間の、意図しなかった共調作業が光を放ったわけだ。

これだけ気をもませたウズベキスタン政府の最終承認が、昨年11月に出るやいなや、通常のプラント契約手続きより速い3ヶ月めの最終契約締結まで、速戦即決で進められた。カリモフ大統領が「年内に解決せよ」という指示を下し、ウズベキスタン側でさらに急いだおかげだ。

ウズベキスタン現地では、資金はロシアが充当して工事は韓国の専門施工業者が引き受ける大規模な外資誘致プロジェクトが軌道に乗ると、浮き立った雰囲気だ。

このプロジェクトでウズベキスタンと韓国・ロシア間の関係も大きく好転している。現代エンジニアリングは今回の契約締結により、中央アジアプラント市場での地位をさらに強固に固めることになった。

ソン・サンノク現代エンジニアリング担当副社長は、「中央アジア地域もいまや中東のように競争が激化する状況だが、認知度が高くなっただけに、政府の積極的な支援に成功的な事業遂行で報いる」と語った。
  • 毎日経済_イ・グヌ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-02-13 15:45:58




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