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3L Labsの姿勢を矯正する中敷き、CES 2015で「革新賞」受賞

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  • 3L Labsの姿勢を矯正する中敷き、CES 2015で「革新賞」受賞
椅子に座るやいなや、スマートフォンを顔の前にすっと出す。座ったままでお尻を動かしてみろという。椅子の端に移ったところ姿勢を正せという警告として鋭く座布団に振動が来た。足を組んで座ってお尻の両方のバランスが乱れても同様だった。スマートフォンの画面には、重心の分布が均等になっていることを確認するようにリアルタイムグラフィックスが送出された。

不思議な状況に驚いていたら、靴1足が待っていた。靴を履いて数歩を歩くと、運動量や歩行習慣などがスマートフォンの画面を介して表示される。圧力センサー8個と3軸加速度センサー1つが装着された中敷き(インソール)は足跡の分析を通じて姿勢の矯正、熱量分析は基本のこと、脊椎疾患の早期診断や転倒事故・認知症の危険度を分析する資料として活用できるという。

▶ 世紀の発明も利便性が低ければ、無用の長物

「人間の足跡を記録する研究やデバイスが今まで全くなかった。人の歩き方は健康と関連して様々な情報を含んでいるだけに、相当な価値がある資料であるにも関わらず、正確に収集しようとする試みや研究もなかった。会社を辞めるときにも心配よりもビジョンに対する確信が大きかった」

「健康を守る」役割を自ら申し出る魅力的な2つのウェアラブルデバイスを開発したスリーエルラップス(3L Laps)社のイ・ジヌク代表だ。国内よりも世界市場でより有名なイ代表は、今年初めに開かれた世界最大の家電展示会「CES 2015」でスマートな靴の中敷き「フットロガー(Footlogger)」で革新賞を受賞した。

技術力とアイデアで武装した国内の50以上の中小企業がCESに出展したが、イノベーション賞を受賞した企業は、1センチメートル未満の厚さの「フルメタルWi-Fiルータ」を開発したブロッコリー(Brocoli)社とスリーエルラップス社だけだった。世の中になかったウェアラブルデバイスを開発したイ代表は、意外にもソウル大学の人文大学を卒業した、いわゆる「文科生」だった。専攻を越えて発明に乗り出すことができた秘訣は大学卒業後入社したサムスンSDSでの経験のためだったという。

「退社前の10年間、ほとんどを新規事業分野で過ごしながら経験して身につけたものの多くが助けになった。『小社長制度』として10年間、ほぼ創業と似たプロジェクトを多く随行した。だからウェアラブルやモノのインターネット(IoT)の分野が脚光を受けるという流れを他人より少し早く予測することができたと思う」

他の人々が羨望するサムスンマンの看板を自主的に下して中小企業の役員経験を積んだイ代表は、2010年から人間の足跡を記録する方式について悩んだ末、足に直接触れる中敷きに注目し始めた。3年間オフィスも構えず靴の中敷きに設置するセンサーの研究開発に没頭した。

「実際、靴の中敷きの研究は10年前にもあった。ナイキ・アディダスはもちろん、欧州連合も大規模な投資を通じて継続的にヘルス分野に融合させる先端インソールを開発してきた。しかし、ほとんど失敗した。大体が圧力センサの耐久力が弱いのが最大の要因だった」

長い期間研究に没頭した結果、丈夫で精巧な圧力センサーを開発したイ代表は、事業を具体化し始めた。業界で有名なブルートゥースと近接充電技術専門家を迎え入れて、ウェアラブルデバイス設計に入った。しかし、資金が問題だった。イ代表は、創業支援金を受けるために奔走したが、投資は容易ではなかった。

「やはり私の専攻が関連分野ではなく、以前にセンサー技術で成功した製品もなかった。政府やベンチャーキャピタルのすべての投資に基本となるのは、成功事例だ。そうであってこそ、提出書類も素敵に作って承認も得られるが、私たちの製品は以前に見られなかったデバイスではないか。その理由から成功するアイデアをきちんと見て、評価できる専門家たちがまだ不足していると見ざるを得ない」

幸いなことに知り合いの助けで5億ウォンの資金供給を受けて製品開発に拍車をかけた結果、彼はフットロガーを開発して関連技術を介して姿勢矯正を助ける座布団、「シートロガー(Seatlogger)」を並行して誕生させた。彼は韓国の国内はもちろん、複数のグローバル企業が靴の中敷き分野の研究を通じて製品を披露している中で、フットロガーの優秀性を大きく2つに要約した。

1番目はすでに言及したように100キログラム以上の体重も耐えられる丈夫な圧力センサーがベースになっており、5万歩ほどの膨大な足跡を記録することができるという点だ。

もう一つは簡単で便利な無線重電技術だ。バッテリーを靴の中敷きから取り出して充電器にさしたり、充電ジャックを介して有線で充電しなければならない既存の製品とは異なり、充電プレートから5センチメートルの距離内で「適当に」脱いでおいても充電が可能だ。バッテリの使用量は完全に充電したときを基準にして連続24時間の使用が可能で、3~4日充電せずに5万歩ほどの足跡を記録することができる。

「ナイキやリーボックが開発した既存の製品は、有線または内蔵されたバッテリーを抜き取って充電をする方式だった。スマートフォンでもなく、靴の中敷きを毎回抜き取ることは思ったより面倒だ。全部失敗するだろうと予想していた。靴を適当に脱いでおいても、自動でバッテリーが充電される技術がデバイスの中核になると思っていた」

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  • < 近距離無線充電が可能な「フットロガー」 >



▶ 唯一無二のヘルスケアポータルを作ること、潜在的なライバルは「フェイスブック」

「世の中にない物が一般に知られるためには、最低3年という時間が必要だと思っている。流通にのみ最小限1年の時間がかかり、コピー製品でさえも2年程度はかかるからだ」

製品開発から2年以上、CESなどの複数の博覧会に参加して関心度を高めたフットロガーとシートロガーはますます商用化の可能性が高まっている。まず、市販される可能性が高い方は、姿勢矯正用のシートロガーだ。イ代表は、現在、国内屈指の大企業と製品の生産契約書も行き来しており、6か月以内に発売することを目的としていると耳打ちした。

イ代表が強調した3年の法則を経過する時期に商用化に乗り出すわけだ。今後、自動車のシート、病院マットなどに融合するという計画を持っており、睡眠の習慣を記録することができるベッドの開発にも乗り出すと明らかにした彼は、記録されたデータの活用法に対する悩みも多かった。

「多様な足跡情報を記録することができる『フットロガー』の場合、記録された情報をどのように活用するかについて大いに悩んでいる。いくつかの大学教授陣、研究機関と連携して、認知症の予防、転倒防止、遭難の防止などに関する研究を並行している状況だ」

事業構想の大きな軸がデバイスの開発ではなく足跡データの活用であっただけに、多様な分野へ融合の可能性を打診するというのがイ代表の計画だ。画期的なデバイスを開発したにもかかわらず、少しの傲慢も見られないイ代表はインタビューの最後に、長期的なビジョンについて軽く打ち明けた。

米国ではスマートウォッチの次に足に適用されるスマート技術に注目している。長期的に温度、湿度センサを追加すると、さらに多くの人体情報を記録することができる。長期的には、様々な製品ラインで収集されたデータに基づいて健康に役立つヘルスケアポータルを作ることがビジョンだ。そのような側面では、私たちの競争会社は他のインソールメーカーというよりは、潜在的には、フェイスブックにより近いと言えるのではないか(笑)」
  • 毎日経済 パク・ジフン記者 / チョン・ギテク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-02-06 16:43:32




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