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住宅価格に匹敵するチョンセ金時代…チョンセ暮らしに疲れた若者は新規分譲へ

再建築チョンセも「ロト」…月家賃も賃借人には悲鳴 

  • 住宅価格に匹敵するチョンセ金時代…チョンセ暮らしに疲れた若者は新規分譲へ
△写真=チョンセ(一括払い住宅保証金)から月家賃への変換速度が速くなりつつ借家が不足し、家賃が高騰してチョンセ金が突きあがり、チョンセ価格率が90%を超えるアパートが増えている。27日、ソウル市江南区道谷洞のある不動産業者の壁面に付けられた物件。 [キム・ジェフン記者]

ソウル市江南区道谷洞(トゴクトン)「タワーパレス」の隣に位置した「アカデミースイート」住商複合の、専有面積83平方メートルの売買価格は6億8000万~7億ウォンだが、チョンセ金は6億~6億5000万ウォン台だ。同じアパートの大坪型はチョンセ金(一括払い住宅保証金)と販売価格の差がなくなった。専有面積122平方メートルの販売価格は9億7000万~10億4000万ウォンだが、チョンセ金は9億4000万~9億7000万ウォン台で物件が出ている。

近隣の不動産関係者は、「チョンセの再契約と月家賃への物件転換でチョンセ物件が不足して、チョンセ金が売買価格を見下す状況までに至ったことから、家主と賃借人の家に対する考えも少しずつ変わっている」と語る。ソウル・首都圏のアパートのチョンセ金が売買価格のあごの下まで突きあがり、チョンセ金と販売価格の比率を示す‘チョンセ価格率’が90%以上のアパートが続出するやいなや、住宅市場では以前とは全く違った風景が展開している。

チョンセ価格率が90%を超えるマンションが登場する理由は、住宅価格の上昇期待が低い上にチョンセ物件が不足して、家賃の上昇が止まらないことが主な原因だ。一部では、チョンセ金が上がって売買価格と似たり寄ったりになることは、ウォルセ(月家賃)時代の到来を意味すると診断している。

ハム・ヨンジン不動産114リサーチセンター長は、「春の引っ越しシーズンが始まりもしないのに家賃の上昇幅が大きく、入居可能なアパート世帯数などを勘案しても答えが見えない」とし、「賃借人は保証金が消えてなくなる‘カントンチョンセ’には格別の注意をはらい、家主もチョンセ金は債務だという事実を認識して、チョンセ契約が鈍る‘逆チョンセ難’に備えるなど、リスクを減らすために家に対する新しい戦略を立てなければならない」と語った。

▶ チョンセをにらんで家を購入する投資が活気

最近、チョンセをにらんで家を買おうとする投資家が増えている。ユーアンドアールコンサルティングのパク・サンウン代表は、「チョンセ金の上昇率が売買価格の上昇率よりも大きく、初期投資費用が相対的に低くなった」とし、「今後、住宅価格が上がれば市勢差益を期待できるうえに、低金利で銀行ローンの負担も軽減され、チョンセを介して家を買おうとする需要がさらに増えるだろう」と語った。

ソウル市江南区大峙洞(テチドン)や道谷洞(ドコクトン)などでは、売買価格とチョンセ金の差が1億~1億5000万ウォンのアパートの交換が盛んだ。大峙洞のA不動産の関係者は、「大峙サムソンレミアンなど、竣工10年前後の20坪台の入居者のいる物件は1~2月に投資家がすっかり買取って、売買価格が3000万ウォンほど上がり、物件もさがすのは難しい」と語った。

一方、古いうえにややもするとチョンセ期間の2年を満たせない再建築アパートのチョンセ物件も、入手するには仲介業者から「待機番号」をもらって待たなければならない。江東区の高徳2・4団地などの再建移住需要を丸ごと受け入れている遁村住宅公団は、再建築事業7分の稜線である事業施行認可申請を控えているが、人気は上限価格だ。ハナ不動産の関係者は、「5000世帯をこえる大団地にもかかわらず、チョンセ物件を見つけるのは空の星を取るよりも難しい」とし、「チョンセ物件が出ることを待ちくたびれてヴィラを入手したり、京畿道に押し出される賃借人も多い」とした。

再建築のチョンセ金も異例に、1~2月は上昇勢を見せている。来月から本格的に移住を開始する開浦住宅公団2団地の入居者が押し寄せて、昨年末に1億~1億2000万ウォン台だった開浦住宅公団1団地の専有面積49平方メートルのチョンセ金は最近、1億5000万ウォンで契約された。開浦不動産の関係者は、「待機をかけておいた人が大勢いて、モノが出るとすぐに契約される」とした。

▶ 新しいアパートのチョンセは上限価格

新しいアパートは分譲市場だけでなく、チョンセ市場でも人気が高い。チョンセ物件はすぐに消えるが、需要はなかなか減らないとみて、需給の不均衡でチョンセ金の心理的上限が続々と破られている。地域を代表する看板アパートは、チョンセ金の最高記録を次々と塗り替えている。

松坡区蚕室洞「リーセンツ」の専用面積84平方メートル物件のチョンセ金は、昨年に7億ウォンを突破した後、現在は8億ウォンを超えている。

「盤浦洞レミアンファーステージ」の専用面積84平方メートルも昨年11月に歴代最高の11億ウォンを記録し、今年に入って10億~10億3000万ウォンでチョンセ契約が出ると、10億5000万~11億ウォンまでまた跳ねあがった。大峙洞の「道谷レクスル」の専用面積84平方メートルのチョンセ金は、昨年は8億ウォン台後半の物件もあったが、昨年末に9億5000万ウォンを記録して、いまや9億ウォン以下のチョンセ物件を見つけることは難しい。

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  • < 賃貸世帯のうち、チョンセ・ウォルセの割合 / ソウル・首都圏のチョンセ保証金の変動率 >

◆ ヴィラもチョンセ価格率90%を超えて

チョンセ難でアパートの代わりに選ばれたヴィラも安全地帯ではない。賃借人が手頃な価格のチョンセ物件を探してヴィラに押し寄せて、チョンセ価格率が90%を超える事例が続出している。ソウル市冠岳区の新林洞「スマートバレー」の専用面積32平方メートルは最近、1億9000万ウォンでチョンセ契約書を書いた。同じような物件が、ひと月前の1月初めに1億9000万ウォンに実取引された点を勘案すれば、チョンセ価格率は100%に達する。

昨年末から再建築の移住が開始された江東区の遁村・岩寺・吉洞などの新築ヴィラの2ルーム物件は、チョンセ金も売買価格(1億6000万~2億ウォン)にほぼ追いついた。ヴィラはアパートよりも半チョンセあるいはウォルセ(月家賃)契約の割合が高いが、それさえも出てきたチョンセ物件は品切れになったというのが近所の不動産屋関係者らの説明だ。

チョンセ金が売買価格を引き上げるやいなや、家を買うかで悩む賃借人が増えている。

盤浦洞レミアンファーステージの専用面積84平方メートルを借りて住む主婦のヤンさん(仮名)は、「昨年はまだ14億ウォン台の後半だったけど、今は15億ウォンを超えた」とし、「住宅価格が下るときにつかむか、今すぐにでも買わなければならないのか、きっかけをつかめずにいる」とため息をついた。

わずか数ヶ月前よりも価格が上がったせいで、今買うとなぜか損をするのではと不安だということだ。半チョンセがウォルセ(月家賃)市場の取引を牛耳っている。

家を買うにも、チョンセ金を家主が言うだけ上げてやるにも資金が不足して、「自暴自棄」の心情で半チョンセで契約を結ぶ賃借人が増えているからだ。

入居者が「乙」という言葉も今は昔話になった。家主は甲であり賃借人は乙と考えられていたが、この頃は手綱を解かれたチョンセ金のために双方ともに悩みは深い。

賃借人は、少ないときは数千万ウォンから多いと1億ウォン以上にチョンセ金を上げるという家主の「横暴」と「カントンチョンセ」などで夜も眠れない。

家主も賃借人の顔色をうかがうことに忙しい。低金利のうえに家主が猫も杓子も半チョンセ・月家賃を持ち出して、物件が多いことから保証金や家賃を割り引くことは基本だ。

キム・ウンジン不動産114リサーチチーム長は、「半チョンセ・月家賃市場では、家主が壁を塗り替え家を最大限にきれいに修復してこそ良い入居者を得ることができる」と語る。月の家賃を明け渡し訴訟にかからないほど数万ウォンずつわざわざ延滞する「ヤムチェ(ちゃっかり)入居者」も、家主には悩みの種だ。

▶ 申請資格の緩和で分譲市場が揺れる

分譲市場を捜す賃借人もかなり増えた。

家を買おうとしても資金が不足している賃借人にとって新規分譲は契約金、中途金、残金の順に金を分けて払うことができ、これまで住宅を購入するよりも負担が小さいからだ。ついに来月、全国に史上最大規模の6万世帯が分譲される予定だ。

首都圏1順位の申請資格も緩和されるやいなや、開館を控えた展示住宅には申請の問い合わせが殺到している。

「始興ベゴト新都市EG the1 1次」の分譲関係者は、「展示住宅の開館一週間前から、一日に多くて200通近くの電話がかかってくる」とし、「ほとんどチョンセ暮らしに疲れた賃借人」だと語る。新規分譲市場は、以前は40~50代が中心だったが、昨年下半期から首都圏は全体契約者の30%以上が「エコ世代」の30代の実需要者で満たされていることも同じ脈絡だ。
  • 毎日経済_イム・ヨンシン記者/イ・スンユン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-02-27 22:01:03




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