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[世智園] 機械と昇進の決定


  • [世智園] 機械と昇進の決定
この前、京釜高速道路の板橋ICの乗用車専用の料金所で、高速道路の料金を払おうとしたが、人が見えなかった。代わりに、自動販売機のような機械が立っていた。機械にコインを入れて領収書を受け取った。この方式なら、料金所の従業員はいなくなりそうだった。コンピュータをはじめとする機械が、人間の仕事を代わりに行うという言葉が、口先だけの言葉ではなかったのだ。ダビンチ研究所のトマス・フレイ (Thomas Frey)所長は、「2030年までに人間の仕事の20億個が消えるだろう」と言ったほどだ。

ある人たちは、働き口を機械に奪われないためには、高いレベルのスキルが必要な高熟練職業を取得しなければならないと主張する。たとえば、会社で昇進や採用に関連する決定は、高度の直観力が要求されるために機械ができないと言う。

しかし、果たしてそうだろうか。昇進など、人を扱う複雑な意思決定もコンピュータができるというのが、すでに立証された。これは、Google人事分析チームのプラサド・セッティ(Prasad Setty)副社長が昨年10月に「HRが科学に会う」という講演で明らかにした内容だ。

Googleの人事分析チームは、データに基づいて意思決定をするというGoogleの経営哲学を昇進決定にも適用しなければならないと信じた。だから、入手可能なすべての情報を分析し、ソフトウェアエンジニアの中で、誰を昇進させるかについて決定するアルゴリズムを作った。実際の事例を通じて、アルゴリズムを検証した結果、90%の正確性で、昇進決定の3分の1を代替することができた。

人事分析チームは、興奮した。人事委員会所属のシニアエンジニアの業務負担を軽減すると信じていた。昇進の決定は、アルゴリズムに任せて、他の重要な仕事にエネルギーを注ぐことができるからだ。しかし、シニアエンジニアは、アルゴリズムが嫌だった。昇進の決定をコンピュータに渡さないとした。重要な権限を放棄したくなかったのだ。

Googleの事例で見るように、機械はすでに非常に賢くなった。複雑な昇進の決定も、てきぱきやり遂げたほどだ。人間が高熟練技術を身につけたとしても機械との雇用競争に勝つことができるか。「そうだ」と答えることがますます難しくなっている。未来の雇用と所得は、どこから生まれるのか、その答えを見つけなければならない。
  • 毎日経済_キム・インス論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-03-18 17:23:55




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