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[社説] サムスン電子の自律通勤、創意的な企業文化の促進剤に


サムスン電子が今月から自律通勤制を全社的に拡大施行する。週5日間(月~金)、毎日出勤するが、1日に最低4時間、1週間当たり40時間だけ勤務すれば、自由に通勤できる制度だ。

例えば、水曜日と木曜日に、それぞれ12時間ずつ働いた後、金曜日には午前4時間だけ働いてすぐに海外旅行に行き、月曜日の午後に出勤することも可能だという話だ。アップル、グーグル、フェイスブックなどのグローバルIT企業のように創造的で革新的な企業文化を作ってみたいと、3年間、意欲的に準備したという。

サムスンは、事は、1993年に李健熙(イ・ ゴンヒ)会長の「新経営宣言」以降、特有の官僚主義と権威主義的な企業文化を打破するために、様々な制度を導入して実験してきた。国内企業の中で一番最初に「7・4制(7時出勤・午後4時退勤)」を実施してみたり、全世界からS級人材の抜擢に乗り出したりもした。

最近ではアイデアさえあれば、1年間、現業から手を離して研究開発に没頭することができる「CLab」、全世界のすべての事業場の役職員がどんなアイデアでも24時間無制限で共有することのできる集団知性「モザイク」、従業員を対象にした「創造賞」など、新たな制度も相次いで導入した。現在のサムスンを作ったサムスンだけの企業文化が、いまや逆にサムスンの足を引っ張っているという悟りの産物だ。

しかし、依然として過去の成功経験に執着している最高経営陣の農業的勤勉性、上命下服の硬直した意思疎通システム、個人よりは組織を前面に押し出した権威的な位階秩序などは変わっていないという指摘が多い。実際、これはサムスンだけの問題ではなく、大韓民国の企業や社会全体の問題でもある。だから、技術革新と創造のDNAを新たに悟らせるというサムスンの試みが改めて注目を集めている。

今、韓国が直面した危機の基底には、企業のグローバル競争力の弱体化、古い政治文化、非合理的な社会文化が総体的に絡み合っている。国民所得が2万ドル台で10年近く足踏みをしているのがその証拠だ。世界最強という評価を受けた製造業の競争力は、日本にひかれて中国に押され、赤信号がともってから久しい。

この世の中になかった新しい市場を生み出す創造的革新だけが唯一の希望であり、突破口だ。アップルの革新性、グーグルの大胆さ、フェイスブックの機敏さを超えた「サムスンウェイ」がきちんと根を下ろし、社会全体の躍動性を生かすきっかけになることを期待する。
  • 毎日経済 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-04-02 00:02:02




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