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[世智園] セルカ棒禁止令


  • [世智園] セルカ棒禁止令
ここ2~3年の間に、スマートフォン利用者たちの必須品となった「セルカ棒(自撮り棒、セルフィースティック)」。海外でも、国内旅行でも、いつでもどこでもセルカ棒を持ち歩く人々でごった返す。

セルカ棒の起源に関する意見は様々だ。1926年、イギリスの夫婦が長い木の棒の先にカメラを付けて「セルカ(自分撮り)」を撮ったというような話から、アメリカのハリウッドのカメラマン、レスター・ワイズブロッド(lester wisbrod)が1981年、彼のキャノンのカメラを棒につなげて、俳優の写真を撮ったという主張まで多様だ。商業製品としての「セルカ棒」が初めて登場したのは1983年7月、日本のミノルタカメラがディスクカメラモデルの「Minolta Disc7」を販売しながら、付属品のひとつとして「エクステンダー」を提供した。

現在のセルカ棒が初めて登場したのは2011年の韓国だ。デジタルカメラのアクセサリーだった。しかし、高価なカメラが重さに耐えられずに落下して破損するケースが多く、すぐに追い出された。セルカ棒が本格的に拡散したのは、スマートフォンのカメラの性能が飛躍的に向上してからだ。特にセルカが好きな韓国人の特定と結合して、爆発的な人気を集め始めた。最近には、固定装置の背面に鏡を装着して使用者が画面を確認できるようにした製品や、多様な大きさのスマートフォンを安定的に装着できる製品、Wi-Fiやブルートゥース機能を加えた製品まで登場した。

アメリカのタイムズ誌はセルカ棒を「2014年最高の発明品25」として搭載した。タイム誌は「セルカは一つの文化現象として定着し、アメリカ人の4分の1以上がSNSで、セルカを共有している状況にあり、セルカ棒は(セルカを撮るのに)本当の価値を加えた」と説明した。グーグルのエリック・シュミット会長は、アジアが「モバイルオンリー」トレンドを先導しているとして、セルカ棒を例に挙げた。シュミット会長は「(セルカ棒は)アジア人がスマートフォンをこれ以上電話機としてのみ考えていないという証拠だ」とし、「反面、アメリカ人はいまだにセルカ棒の存在すら知らない」と指摘した。

しかし、セルカ棒の拡散により、副作用も登場した。最近、アメリカ・NYのメトロポリタン美術館など、主要な美術館は、セルカ棒を搬入禁止項目に指定した。長いセルカ棒は、他の観光客の空間を侵害したり、制限区域を超えて、カメラを構えさせるなど、「迷惑棒」になっていると言うのが理由だ。

セルカ棒を「自己陶酔棒(narcissi-stick)」だとして、露骨に憎悪心を表現する人も多い。今では現代人たちは「スマートフォンエチケット」だけでなく、「セルカ棒エチケット」も新しく習わなくてはいけないようだ。
  • チェ・ギョンオク論説委員
  • 入力 2015-04-01 17:35:33




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